医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

カルシウム拮抗薬という高血圧の薬はなにが一番いいか(その1)

2005年12月15日 | 循環器
以前(10月22日)、CAMELOT(キャメロット)と名付けられた大規模臨床試験を取り上げ、ノルバスクというカルシウム拮抗薬が心筋梗塞の発症や脳梗塞、心臓血管疾患による死亡、心停止に関する発症率の改善は、非投与群と比較して認められなかったが、「心臓の血管の風船治療などが必要になったか」はノルバスク群11.8%、非内服群15.7%、「狭心症による入院」はノルバスク群7.7%、非内服群12%で、効果があったとお伝えしました。

もう一つ、ノルバスクに関するPREVENT(プリベント)と名付けられた大規模臨床試験の結果をお伝えします。Circulation. 2000;102:1503からの報告です。
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★☆)

Effect of Amlodipine on the Progression of Atherosclerosis and the Occurrence of Clinical Events

過去に心臓の血管に動脈硬化があると診断された825人を、ノルバスク投与群(n = 417)と非投与群(n = 408)に無作為に分け3年間前向きに調査しました。

結果はCAMELOT(キャメロット)と同じように、心筋梗塞の発症や脳梗塞、心臓血管疾患による死亡、心停止に関する発症率の改善は、非投与群と比較して認められませんでした。

しかし、「心臓の血管の風船治療やバイパス手術が必要になったか」はノルバスク群21%、非内服群28%、「狭心症による入院」はノルバスク群15%、非内服群22%で、有意な改善が認められました。

NNT(Number Needed to Treat:患者さん1人がメリットを得るために、同様の患者さん何人に投薬を行わなくてはならないのかを示す指数)は「心臓の血管の風船治療やバイパス手術を抑制」で14、です。「狭心症による入院の抑制」でも14です。

ノルバスクは5mgが93円ですから、一人の「風船治療やバイパス手術」や「狭心症による入院」を抑制するのに145万円かかります。CAMELOT(キャメロット)研究より若干安い額です。

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