冠動脈カテーテル治療時の糖尿病コントロールとその後の死亡率との関連に関して、日本国内から興味深く、素晴らしい論文が発表されました。
Increased Risk of Cardiovascular Mortality by Strict Glycemic Control (Pre-Procedural HbA1c 6.5%) in Japanese Medically-Treated Diabetic Patients Following Percutaneous Coronary Intervention: A 10-year Follow-Up Study
Cardiovasc Diabetol 2020;19:21
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)
研究対象となったのは冠動脈カテーテル治療を行った糖尿病患者4542人で、糖尿病の重症度を示すHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の値と心臓血管病による死亡、突然死との関係がその後約6年間(中央値)調査されました。
結果は上の図にありますように、HbA1cを6.5%以下に厳格に治療されている患者では、心臓血管病による死亡、突然死が増えてしまうというものでした。
HbA1cは貧血の程度を表すヘモグロビンの値からも影響をうけますので、多変量解析も行われています。交絡因子として、年齢、性別、病変数、血圧値、コレステロール値、血糖値、糖尿病罹患年数を考慮したModel 1でも同様の結果でした。また、年齢、性別、血圧値、血糖値、ヘモグロビン値、βブロッカーの使用の有無、腎機能(eGFRなんですが、eGFRを算出するのに年齢や性別が使用されるので、二重に補正されてしまっていると、個人的には思います)、糖尿病罹患年数、インスリン使用年数を交絡因子として多変量解析したModel 2でも同様の結果でした。
結果はHbA1c7.0~7.5%を最良とするUカーブになりました。
著者らが述べているように、この研究は2000年~2016年の冠動脈カテーテル治療を対象としているので、最近登場し心臓疾患の予後を改善するとされているSGLT2阻害薬が治療薬として含まれていないという限界があります。
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Increased Risk of Cardiovascular Mortality by Strict Glycemic Control (Pre-Procedural HbA1c 6.5%) in Japanese Medically-Treated Diabetic Patients Following Percutaneous Coronary Intervention: A 10-year Follow-Up Study
Cardiovasc Diabetol 2020;19:21
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)
研究対象となったのは冠動脈カテーテル治療を行った糖尿病患者4542人で、糖尿病の重症度を示すHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の値と心臓血管病による死亡、突然死との関係がその後約6年間(中央値)調査されました。
結果は上の図にありますように、HbA1cを6.5%以下に厳格に治療されている患者では、心臓血管病による死亡、突然死が増えてしまうというものでした。
HbA1cは貧血の程度を表すヘモグロビンの値からも影響をうけますので、多変量解析も行われています。交絡因子として、年齢、性別、病変数、血圧値、コレステロール値、血糖値、糖尿病罹患年数を考慮したModel 1でも同様の結果でした。また、年齢、性別、血圧値、血糖値、ヘモグロビン値、βブロッカーの使用の有無、腎機能(eGFRなんですが、eGFRを算出するのに年齢や性別が使用されるので、二重に補正されてしまっていると、個人的には思います)、糖尿病罹患年数、インスリン使用年数を交絡因子として多変量解析したModel 2でも同様の結果でした。
結果はHbA1c7.0~7.5%を最良とするUカーブになりました。
著者らが述べているように、この研究は2000年~2016年の冠動脈カテーテル治療を対象としているので、最近登場し心臓疾患の予後を改善するとされているSGLT2阻害薬が治療薬として含まれていないという限界があります。
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J-EDIT試験でも65歳以上だとHbA1c 7.2以下は合併症発症率が高くなるという結果だったので、その結果と矛盾しない結果。これでむやみに専門家だからとむやみにHbA1cを下げたがる専門医が少なくなるといいけど。