以前、 DOAC(新しい直接抗凝固薬)の5年予後はワーファリンと同じであることをお伝えしました。
DOACは製薬会社から宣伝されているほどワーファリンより優れているわけではありません。
通常の心電図で心房細動が捕らえられていないぐらい短時間の心房細動に対して、DOACによる抗凝固療法が有用なのかどうかはこれまで明らかでありませんでした。
そのことに関して、最近、New England Journal of Medicineでこんな結果が報告されました。
Anticoagulation with Edoxaban in Patients with Atrial High-Rate Episodes
N Eng J Med Sep 28;389(13):1167-1179.
ペースメーカーなどの植え込み型心臓デバイスで検出された心房性頻拍エピソード(AHRE)を伴う2,536例が対象とされました。
対象は6分~24時間の心房性頻拍エピソードが記録された65歳以上で脳梗塞の危険因子(CHADS2スコアーの慢性心不全、高血圧症、糖尿病)が1つ以上ある患者です。
本来アスピリンは心房細動の血栓予防に効果はありませんが、心房細動に何も投与しないのは倫理的に問題があるためか(アスピリン投与でも倫理的問題はありますが、計画当時の欧米のガイドラインには低リスク心房細動患者に対しアスピリンが推奨されていたそうです)、アスピリン81mg/日投与群とエドキサバン適量投与群にランダムに割り当てられました。
心房細動の持続時間の中央値は2.8時間でした。
このNOAH-AFNET 6試験では、DOACエドキサバン(商品名:リクシアナ)が主要有効性評価項目(心血管死または脳卒中または全身性塞栓症)を有意に抑制できず(ハザード比0.81、95%CI 0.60~1.08、P=0.15)、安全性主要評価項目の「全ての理由による死亡」または「大出血」が有意に増加(ハザード比1.31、1.02~1.67、P=0.03)したため、有益性がないことは明かであるとして試験は早期に終了され、このような患者への抗凝固療法施行が否定されました。
脳梗塞の発症率は両群共に約1%/年でした。
著者らは「対象集団にDOACを投与する前に、ガイドライン委員会により脳卒中抑制のベネフィットと出血リスクのバランスや、治療必要数(NNT)対有害必要数(NNH)などを検討する必要がある」との見解を示しました。
やはり、心房細動が少しでもあれば何でもかんでもDOACによる抗凝固療法を開始するのは良くないですね。
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そのことに関して、最近、New England Journal of Medicineでこんな結果が報告されました。
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対象は6分~24時間の心房性頻拍エピソードが記録された65歳以上で脳梗塞の危険因子(CHADS2スコアーの慢性心不全、高血圧症、糖尿病)が1つ以上ある患者です。
本来アスピリンは心房細動の血栓予防に効果はありませんが、心房細動に何も投与しないのは倫理的に問題があるためか(アスピリン投与でも倫理的問題はありますが、計画当時の欧米のガイドラインには低リスク心房細動患者に対しアスピリンが推奨されていたそうです)、アスピリン81mg/日投与群とエドキサバン適量投与群にランダムに割り当てられました。
心房細動の持続時間の中央値は2.8時間でした。
このNOAH-AFNET 6試験では、DOACエドキサバン(商品名:リクシアナ)が主要有効性評価項目(心血管死または脳卒中または全身性塞栓症)を有意に抑制できず(ハザード比0.81、95%CI 0.60~1.08、P=0.15)、安全性主要評価項目の「全ての理由による死亡」または「大出血」が有意に増加(ハザード比1.31、1.02~1.67、P=0.03)したため、有益性がないことは明かであるとして試験は早期に終了され、このような患者への抗凝固療法施行が否定されました。
脳梗塞の発症率は両群共に約1%/年でした。
著者らは「対象集団にDOACを投与する前に、ガイドライン委員会により脳卒中抑制のベネフィットと出血リスクのバランスや、治療必要数(NNT)対有害必要数(NNH)などを検討する必要がある」との見解を示しました。
やはり、心房細動が少しでもあれば何でもかんでもDOACによる抗凝固療法を開始するのは良くないですね。
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