医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

「血圧値のコントロールは早死にを招く」は誤り

2024年12月30日 | 循環器
プレジデント 2023/10/13号
では「健康診断のウラ側」ということを特集していました。

ここで東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズです。

和田秀樹という精神科医は「フィンランド保険局の調査で、血圧、血糖値、コレステロール値をコントロールしないほうが、死亡リスクが減少するという結果が判明しています」「数値のコントロールは早死にを招く」(24ページ)と書いています。

以下の論文は久山町研究という観察人数も観察期間も申し分ない研究の結果です。

上の図はその論文に掲載されている図ですが、血圧が高ければ高いほど、脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞が増えていくことがわかります。

Epidemiology of Stroke in a General Japanese Population: The Hisayama Study
Atheroscler Thromb 2023 Jul 1;30(7):710-719


これは観察研究ですので、薬を飲んで血圧を下げた場合に死亡リスクが下がるかを示したものではありませんが、この研究には薬を飲んでいる患者も飲んでいない人も含まれていますので、薬の内服の有無にかかわらず、その時の血圧で判断できるとも解釈できます。

「血圧値のコントロールは早死にを招く」(もちろん、ある程度まで低下させる治療のことを示している)と導くのは誤りと言えます。

一方で和田秀樹という精神科医は、「○○値の下げすぎはNG」とか「やや高めでもいい」と、批判をかわせるようなあいまいな表現をしています。
さすが「東大話法」!

東大話法その1、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
東大話法その2、自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
東大話法その3、都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。


東大話法その12、自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。 など、
↓ここに載っています。
東大話法

同じく東大卒の大脇幸志郎という医者は「大腸ガン検診を受けても99%以上の人には意味なし」(32ページ)とか、「子宮頚ガンワクチンで子宮頚ガンを減らせるのか、この議論もまだ決着がついていません」(33ページ)などと言っています。

このようなプレジデントの記事は(真実性)、たとえ悪気がなくても、国民に不利益をもたらす(公益性)(公共性)こともあるので、注視すべきことだと思います。

東大医学部卒の医師3人が、誤ったことをたくさん扇動していましたので、一つ一つ根拠を示しながら反論するシリーズ、これからも続けていきたいと思います。

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