旅路2
とまりぎ
中学卒業式が終るや否や、町工場へ勤めることになった。つまり3月中のことだった。
ほかに選ぶ選択肢はなく、ただその道だけが決められていた。
理系、特に弱電関係の興味はあった。興味だけで学んだわけではないから、学ぶためにも何とかその関係へと思っていたが、町工場での仕事は機械関係だった。
広尾から近くの、天現寺橋にその町工場はあった。
その頃の友人が、潮さんだ。潮さんは電気には興味がなく、アルバイトで生活していた。
その潮さんが建設会社の役員から私大の教授になっていった。
潮さんとたまに会って話をするのが楽しかったのは、云うまでもない。
信じあえる友人がいて良かったという想いだ。(潮さんについてはいずれまた)