ミニ荷風第19号
とまりぎ
Adagioは休刊になってしまったが、この東京時間旅行ミニ荷風は東京の交通100年にあたり力が入っている。
夏目漱石の小説にも出てくる路面電車の本郷から小石川の傳通院、永井荷風生家跡が金剛寺坂あたり、傳通院下の稲荷前には幸田露伴旧宅跡など。
都電荒川線の大塚駅前から荒川遊園地前まででは飛鳥山を中心に、都営地下鉄蔵前駅からは蔵前橋や厩橋と駒形橋周辺、昔の日本橋を渡る王子行き都電の昭和30年の写真、都営三田線白山駅からは小石川植物園と白山神社を紹介している。
表紙の写真は昭和40年代中頃の、都営三田線の工事が行われている春日町交差点風景。
相変わらずの永井荷風が、傘を持って立っているところもいい。
医王寺
とまりぎ
杉並区の南に医王寺がある。
解説には次のように書かれている。
京王線芦花公園駅の北東,徒歩約10分。環八通りから西に入った住宅街の中にある。開創は平安期と伝えられる古刹。
本堂が西に向いているため「西向き薬師」「西向き茅野薬師」と呼ばれる。もとは現在地よりやや南にあったが、明治の初めにいったん廃寺となった。その後、本堂は高井戸学校の前身である高泉学校の仮校舎として使われたが、大正13年(1924年)に現在地に再興されたという歴史がある。
また、弘法大師作と伝えられる本尊の薬師如来像は眼病に効験があるということで「おめだま薬師」とも呼ばれ,信仰を集めてきた。
弘法大師の像と思われる。
良く整備されていて、気持ちがいい。
井の頭線永福町駅から北へ入った善福寺川近くにある杉並区立郷土博物館には、このあたりが江戸時代にはこうだったという縮尺模型が展示されている。
甲州街道高井戸宿というのだろうが、医王寺と思える寺もみえて面白い。
イトカワ
とまりぎ
日経新聞によると、26日に千葉市で開かれた日本地球惑星科学連合大会で発表され、
小惑星探査機「はやぶさ」が着陸して小惑星「イトカワ」から持ち帰った微粒子の分析から、太陽系誕生直後の様子がわかってきたようだ。
微粒子を切断し内部構造を調べたところ、約45億年前にできた「普通コンドライト」と呼ぶ隕石とよく似た特徴があるとのことだ。
元素の比率を手がかりに、太陽系誕生から600万年以上後にできたと推定している。
太陽系誕生直後に小惑星などの天体同士がぶつかり、壊れてできた破片から形成された可能性が高い。
小惑星のサンプルを手がかりに証明したのは初めてのことだ。
ビッグバンで宇宙誕生:約137億年前
太陽系の誕生:約45億6800万年前
イトカワ形成:約45億6200万年前~約45億年前
地球に生命誕生:約40億年前
大阪大学、東北大学、北海道大学、岡山大学などで微粒子分析が行われた。
はやぶさの帰還は感動の渦だったが、それなりの成果があっていい結果だった。
次太夫堀公園
とまりぎ
成城学園駅から世田谷区の次太夫堀公園へ行く。
奥の民家園には、民家が三軒移築されている。
このうちの真ん中の一軒へ入る。
入口に「さかや」と書いてあるが、酒がおいてあるわけではない。
囲炉裏があって、火が入っている。
しばらく火が入ってない時期があったのは、大地震の影響とのことだ。
管理の人がいて、そう説明してくれた。
屋根が藁葺きだから、毎日囲炉裏に火を入れるのが望ましいのだ。
奥の縁側に座って、友人が来るのを待つ。
近くに住んでいるので、よく来ているとのことだ。
程なく来た友人は、先週ロスアンジェルスから帰ってきたばかりだという。
目的を達して帰ってきたようで、落ち着いていた。
三軒のうちの、一番南にある平屋へ移動して中へ入る。
どうも「かいこ」がいるような雰囲気だが、動きが弱いので聞いてみると、本物だ。
孵化からあまり日数がたっていないので、まだ小さい感じだがしっかりと桑の葉を食べている。
友人の故郷は新潟だそうで、「かいこ」を見たことがあるとのことだ。けっこう詳しかった。
民家園ではいろいろなことを見せてくれるが、ここまでやるとは思わなかった。
いずれ絹糸から布まではつくることになるのだろう。