同窓の集り
とまりぎ
6月に同窓で6人集ることになっているが、その前に3人で一杯ということになった。
新宿の指定された店へ行くと、ほぼ同時刻に店の近くで揃った。
タイ料理の店だ。
店の窓からは沈みかけの夕日を反射した向い側のビルの窓ガラスが光るのが見え、明るい雰囲気の中でタイビールで乾杯のあと、赤ワインで料理を楽しむ。
コリアンダー、レモングラスなどの強い香りと味が、10年近く前に行ったタイとベトナムでの料理を思い出させる。
しばらくぶりでの再会であったが、6月の集りに来られない人がいることに話が及んだ。
理由がわからないので何とも話が先へすすまず、場所を変えることにした。
小田急ハルクの地下、ハルチカへ入る。
空いている席があったのは韓国料理の店で、キムチチヂミ、プゴクを頼む。
さて、話の続きで、自分たちの余命の話になった。
昔、大先輩が友人たちが亡くなっていくのを送り生き残っていたが、「長く生きるのがいいのかどうか」ともらしたことがあった。
ある程度の長寿になると仲間が次々にいなくなって、自分の体も自由に動くことができなくなってくると執着がなくなってくるものらしい。
その大先輩は92歳という長寿で亡くなられたのだが、杖を頼りの歩行も遠くへは難しくなり、それまで時々電話が来たものだったが、それもなくなった。
半年ほど連絡なく過ぎたある日、亡くなったとの知らせが入った。
そんなことを思い出していた。
目の前の二人は旅行に行こうということで、とりあえず話が落ち着いた。
こちらの人たちは、あたりまえのことだが生きることに執着があるようだ。