セレンディピティ ダイアリー

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奈良・十津川村(2024・夏)十津川温泉で味わう郷土料理

2024年11月30日 | +奈良

奈良・十津川村旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉

十津川温泉「湖泉閣吉乃家」さんでは、宿自慢の素朴な田舎会席料理をいただくのを楽しみにしていました。

かつては、海のない土地を旅しても海産物が提供されることが少なくなかったように思いますが、こちらの吉乃屋さんでは、川魚、山菜、きのこ、ジビエなど、奈良県の山の幸や川の幸をふんだんに使った心づくしの郷土料理を堪能することができました。

少し時間が経ってしまいましたが、思い出しながら書いていきます。

手前にある高菜の浅漬けに包まれたおにぎりは、吉野地方の郷土料理である「めはりずし」。吊り橋の売店で見かけて「何だろう?」と思っていたので、謎が解けてうれしくなりました。奥に見えるのは鹿肉のたたき、左にあるのは小芋のあんかけスープです。

ひと口蕎麦、わらびのおひたし、梅酒。

ヤマトポークの蒸籠蒸し。

ごまだれとポン酢でいただきます。

鰻の押しずし、野菜の天ぷら。

鮎の塩焼き。頭からしっぽまで丸ごといただけます。

そら豆といっしょに炊き上げたおこわ、お吸い物。

デザートはオレンジとライチ。どれもおいしくいただきました。

こちらは朝ごはんです。右上に見えるのは奈良の郷土料理である茶粥です。

鮎?の干物。川魚の干物は、初めていただきました。

とうもろこしを炊き込んだごはん。

床の間に飾られていた長い蔓が目を引きました。スタッフの方に「あれは藤ですか?」と尋ねたところ「そうです」とのお返事でした。さらに「ずいぶん長いですね!お庭の藤ですか?」と伺うと、お宿の二代目の方が山で見つけられたとのことでした。

野生の藤はこんな風に自由奔放に伸びるものなのですね。驚きました!

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奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉

2024年11月24日 | +奈良

だいぶ日にちが経ってしまいましたが、2024年7月、夫の奈良出張に便乗して、奈良県十津川村を旅してきました。金曜日の夜、それぞれに仕事を終えた家族三人が奈良のホテルに集まりました。

十津川村は奈良県の最南端に位置し、日本で一番面積の広い村です。人里離れた深い森をドライブしながら、温泉でゆったりくつろぎ、素朴なお料理や人々、そして見たことのない風景に出会いたいと思っていました。

土曜日の朝、奈良のホテルを出発し、南へ向かうこと約3時間。ようやく十津川村に到着しました。最初に訪れたのは谷瀬(たにぜ)の吊り橋です。

長さ297.7m、川からの高さ54mを誇る、日本一長い生活用の吊り橋です。かつて谷瀬の村民は丸太橋を利用していましたが、洪水で何度も流されるため、村民たちが費用を出し合い、1954年にこの吊り橋が架けられました。

吊り橋を渡り、向こう岸に到達してから戻りました。ワイヤーに板を渡しただけの簡素な造りで、最初は恐ろしく、周囲の景色を楽しむ余裕もなく、おそるおそる慎重に進みました。

帰り道は少し慣れて、写真を撮る気持ちの余裕も生まれました。向こう岸にある売店でいただいたソフトクリームがとてもおいしかったです。

お昼は谷瀬の吊り橋から車で3分ほどの場所にある「蕎麦・甘味処 風庵」でいただきました。

お店は十津川(熊野川)に面していて、テラス席が気持ち良さそうでしたが、この日は暑かったため、皆さん屋内で食事をしていました。

外観は民芸調ですが、内装は天井が高く、ファンが回るログハウス風の造りです。

こちらは「風庵定食」です。ざるそば、十津川産のしめじごはん、西吉野の上辻豆腐店が作っている大和揚げがセットになった定食です。

私は「梅しそとろろそば」をいただきました。はちみつに漬けた梅干しは酸味と塩味がほどよく、優しい甘みがあってとてもおいしかったです。

山奥にありながら、お店の作りやお料理、スタッフのサービスに洗練された雰囲気があり、人気があるのも納得のお店でした。

そこからさらに車で1時間弱走り、十津川温泉郷にある「湖泉閣吉乃家」さんに到着しました。古めかしい旅館ですが、湖畔の眺望、地元食材を生かした素朴な田舎会席料理、温かいおもてなし、そして温泉の魅力が旅館のHPから感じられ、ぜひ宿泊したいと思いました。

お部屋でしばし休んでいると、窓の外には森林の緑を映し出したエメラルドグリーンの湖が広がっていました。

十津川ではなく湖?と不思議に思いましたが、ここは川を堰き止めてできたダム湖で、「二津野湖」と呼ばれているそうです。

十津川温泉に着いたら「野猿(やえん)」に乗ってみたいと思っていました。野猿とは、人力で動かすロープウェイの一種で、ワイヤーに繋がれた箱に乗り、岸から岸へ移動するものです。

旅館のスタッフに尋ねると、現在は交通手段としての野猿はなく、車で5分ほどのホテル昴さんの敷地内で体験できるとのことでした。

早速訪ねてみると、監視員もおらず、自由に乗れるようになっていました。ロープを引っ張るには力が要りそうで、私には難しいと感じましたが、息子が挑戦することにしました。

乗り場からロープがたわむ中間地点までは自然に進めますが、そこからは上り坂になるため、自分でロープを引っ張らなければなりません。息子は何とか対岸までたどり着き、よい経験になったようです。

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クインシー・ジョーンズに捧げる

2024年11月23日 | 日々のこと

アメリカを代表する音楽プロデューサーであり巨匠、クインシー・ジョーンズが2024年11月3日、91歳の生涯を閉じました。

長いキャリアを持つクインシーですが、私の心に最も刻み込まれているのは、1980年前後の活躍です。私の音楽の好みが、ポップスからブラック・ミュージック、そしてジャズへと変化していく中で、彼の音楽は常にそばにあったように感じています。

クインシー自身も数多くのアルバムをリリースしていますが、彼が初めて手がけたマイケル・ジャクソンのアルバム『Off the Wall』は、今でも私の宝物です。

1曲目の「Don’t Stop 'Til You Get Enough」は、今聴いてもしびれるほどにかっこいいですし、「She’s Out of My Life」は今聴いても切なさに涙してしまいます。ですが、ここではアルバムタイトル曲の「Off the Wall」をご紹介しますね。

Michael Jackson - Off the Wall (Audio)

その後、マイケルが『Off the Wall』に続いてクインシーと組んだアルバム『Thriller』は、今なお“世界一売れたアルバム”としてギネスブックに登録されています。

アルバムタイトル曲の「Thriller」は、ミュージックビデオの完成度もすばらしく、まるで一本の映画を観ているかのような興奮を与えてくれます。ここではショートバージョンを共有します。

Michael Jackson - Thriller (Official Video - Shortened Version)

現在でもニューヨークのマンハッタンでは、この「Thriller」に合わせたハロウィーン・パレードが毎年開催されていて、ニュースでその様子をチェックするのを楽しみにしています。

最後に、クインシー自身がリリースした楽曲の中から、私の一番のお気に入り「One Hundred Ways」をご紹介します。ボーカルを担当しているジェームズ・イングラムの歌声がすばらしく、甘く切なく心に響くラブソングです。

One Hundred Ways

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ウィークエンドランチ(クメキッチン・TUTU・芋菓・bubby’s)

2024年11月10日 | グルメ

週末にいただいたカジュアルランチの記録です。

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まずは洗足池にある洋食屋クメキッチン。夫が好きなTV番組「植野食堂」でこちらのお店を知り、行ってみようということになりました。番組はともかく、私は植野さんの親父ギャグが好きです。^^

洋食屋といえば、やはりハンバーグですね。今回はカニクリームコロッケも追加して。こちらのお店は、コロッケなどのトッピングや、カレーなどのちょいがけメニューも充実しています。

私はナポリタンにしました。揚げ物が苦手で、最近ではお肉もあまり食べないので、洋食屋さんではナポリタンにすることが多いです。ボリュームたっぷりでしたが、手伝ってもらいながらおいしくいただきました。

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さて別の日。この日は学芸大学に新しくできたガレット屋さんを目指したのですが、残念ながら休業だったので、すぐ目の前にある、こちらも新しく開店したフォカッチャ屋さんTUTUのテラスでランチをいただきました。

お店のスタッフの話では、10月10日に開店したからTUTUという名前にしたということでしたが、後で調べてみると、10月はイタリア語でOttobre、数字の10はdieci、さらにtuはイタリア語で“あなた”という意味なので、はてな?となりました。

10・10 → とお・とお → トゥ・トゥ → TUTUという音の響きから来ているのでしょうか?

手前はMelanzane、茄子という意味です。茄子のグラタンとバジル、唐辛子のピリ辛味でした。奥はPancia di Manzo、牛バラ肉という意味です。牛肉にマンゴーのハラペーニョ、ザワークラウト、レッドオニオンが入った個性的な組み合わせでした。

赤キャベツのザワークラウトは、私も時々作りますが、色がきれいで酸味があって大好きです。スープは野菜のポタージュで、渋い色合いながら複雑な味わい。カフェラテもおいしくいただきました。

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そして翌週、念願のガレット屋さんに再チャレンジしました。正確には有機さつま芋 芋菓というさつまいもスイーツのお店ですが、店内でガレットとクレープをいただくことができます。

照り焼きチキンのガレット。チキンにはタルタルソースがかかっていて、宮崎名物のチキン南蛮のようでした。

有機野菜ラタトゥイユのガレット。色鮮やかな生野菜と温野菜がたっぷりのっていて、野菜の下にはラタトゥイユが隠れています。家ではこれまでガレット・コンプレット(卵・ハム・チーズのガレット)を作ることが多かったので、大いに参考になりました。

食後は焼きりんごのクレープをシェアしていただきました。シナモンのよい香り。2種類のさつまいものクリームとアイスクリームも添えられていて、大満足のお味でした。

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昨日は久しぶりにアークヒルズのマルシェに行きましたが、HPには開催と書いてあったのに、なぜかやっていませんでした。仕方なく、bubby’sでランチだけいただくことにしました。

ノスタルジックなアメリカンな雰囲気が大好きです。チェックしたら過去に3回記事にしていました。(1回目サンクスギビングクリスマス

チーズバーガーとフレンチフライ。

ツナメルト・サンドイッチと、赤キャベツで作ったピンクのコールスロー。ツナメルトはツナと溶けるチーズをはさんだホットサンドで、チーズがびよ~んと伸びておいしかったです。

後でXを確認したところ、マルシェの開催場所がいつものカラヤン広場ではなく、急遽サウスタワーに変更されていたことがわかりました。最新情報はSNSをチェックしないとだめですね。

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月百姿×百段階段 @ホテル雅叙園東京

2024年11月09日 | アート

チケットを持っている友人に誘っていただき、目黒のホテル雅叙園東京で開催されている「月百姿×百段階段 ~五感で愉しむ月めぐり~」を見に行ってきました。

かつて「目黒雅叙園」と呼ばれていたこのホテルは、いつの間にか名前が変わっていました。雅叙園には何度か訪れたことがあるのですが、実はその豪華絢爛な雰囲気が少し苦手でもあり、しばらく足が遠のいていました。

百段階段については、名前は知っていましたが、実際に目にするのは今回が初めてです。派手な雛壇のような階段を想像していましたが、老舗旅館を思わせる風格のある階段で、見応えがありました。階段の途中途中に踊り場があり、それぞれが七つの広間へとつながっています。

雅叙園は料亭として開業し、日本で最初の結婚式場としても知られています。当時としては珍しく、日本料理だけでなく中国料理も提供されていたそうで、中国料理店でよく見られる円卓のターンテーブルを考案したのも雅叙園だそうです。

そういえば昔、仕事でお世話になった先輩が雅叙園で結婚式を挙げ、その時も披露宴で中国料理がふるまわれたことを懐かしく思い出しました。

前置きが長くなりましたが、今回の催し「月百姿×百段階段」では、独特の装飾が施された七つの広間を巡り、月を題材にした浮世絵や工芸品、現代アートやインスタレーションを鑑賞しました。

全体に刺繍が施された豪華なお着物。

自然の素材で染められた衣装や反物。和紙を用いた月のオブジェ。

ススキ野原をイメージしたインスタレーション。

円卓を配した中国風のお部屋。

四季折々の植物や果物が描かれたお部屋。ボタニカルアートのような風情があり、このお部屋の装飾が特に気に入りました。和紙を使った現代アートとのコラボレーションも素敵でした。

鏑木清方による欄間画を見ることができたのも収穫でした。

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KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA (2024・秋)

2024年11月04日 | グルメ

映画を見る前に、六本木ヒルズに入っているお気に入りのイタリアン・レストラン「KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA」(通称KNOCK)でスパゲティのランチを楽しみました。今回も前回と同様に、サラダとパスタ2品をシェアしました。

インサラータ・エレナ
根菜がっつりのアンチョビとくるみのドレッシング
Seasonal root vegetables salad with walnut & anchovy sauce

グリーンリーフと根菜などのカラフルな野菜が別々に盛り付けられているので、彩り豊かな根菜がグリーンリーフに隠れることなく楽しめました。かぼちゃ、安納芋、ごぼうが入っていて、秋らしさを感じます。

左に見える白い野菜はマコモダケ。ウドのようなシャキシャキとした食感が楽しめましたが、調べてみると、マコモダケはウドと違ってイネ科の植物であることを知りました。ウドは春の野菜ですが、マコモダケは10月に収穫される秋の野菜なのですね。

佐賀の春菊で「バッカラ・グリーン AOP」スパゲティ
Spaghettini with crown daisy, cod, garlic &red pepper

前回いただいた時は夏だったので、ケールのグリーンソースでしたが、今回は晩秋にふさわしい春菊のグリーンソースでした。AOPはアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの略です。

バッカラはイタリア語で鱈のこと。スペイン語ではバカラウ、ポルトガル語ではバカリャウと呼ばれ、ヨーロッパでもポピュラーなお魚ですね。春菊と鱈は鍋料理でもおなじみの組み合わせなので、相性は抜群でした。

徳島のサンマッシュしいたけで「牛すじラグー」スパゲティ
Spaghettini with Shiitake, beef, tomato & tomato sauce

サンマッシュしいたけは、北研という会社の特許技術で栽培された高品質なしいたけです。(あとでググりました)

牛すじラグーは、前回は万願寺唐辛子と合わせていましたが、今回は秋らしくしいたけと組み合わせていました。しいたけはほぼ生の状態で入っていて、新鮮な味わいと食感がそのまま楽しめました。

右上に見えているのはお店のオリジナルのミルクパンです。ソースをぬぐって残らずいただきました。

食後は大好きなイタリアンコーヒーをいただきました。スープのようにたっぷりと楽しめて、大満足でした。

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トラップ

2024年11月03日 | 映画

M・ナイト・シャラマン監督の最新作です。

トラップ (Trap) 2024

たまたまシャラマン監督の最新作のことを公開直前に知り、「おもしろそう!」と期待して見に行ってきました。上映時間も長すぎず、肩の凝らない内容で、エンターテインメントとして存分に楽しめました。

娘ライリーを溺愛する父親クーパーは、ライリーが大好きなミュージシャンのコンサートのアリーナ席チケットを手に入れて、いっしょに会場へ向かうのですが、警備をする警察官の数が尋常ではない。

不審に思ったクーパーは、場内ショップの店員から「連続切り裂き魔『ブッチャー』がこの日コンサート会場に紛れ込んでいるらしい」という情報を耳にします。実はその切り裂き魔こそがクーパー、という設定です。

会場にはさまざまなトラップが仕掛けられているはずなので、ショップの店員も、会場で偶然会ったライリーのクラスメートの母親も、実は警察のグルなのではないか?と勘ぐってしまう。

また、ライリーが熱烈なファンであるスター歌手、レディ・レイヴンがステージで歌う曲の歌詞も、何やら意味深なものに感じられ、もしかして彼女も真相を知っているのでは?と疑ってしまう。

観客である私たちも、クーパーと同じ視点で、どこにどんなトラップが仕掛けられているのか、そしてクーパーははたしてこの危険な状況から抜け出すことができるのか、ドキドキはらはらしながら見守ることになります。

シャラマン監督自身も会場スタッフのひとりとして登場していますが、エンドロールを見て、レディ・レイヴンを演じていたのが、シャラマン監督の娘、サレカ・ナイト・シャラマンだと知りました。

サレカさん自身も実際に歌手なのですね。彼女の歌もよかったし、カリスマ性もあって、スターの役どころがとても合っていました。

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