セレンディピティ ダイアリー

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奈良・十津川村(2024・夏)Book Café Kuju

2024年12月09日 | +奈良

奈良・十津川村旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉
2.奈良・十津川村(2024・夏)十津川温泉で味わう郷土料理
3.奈良・十津川村(2024・夏)瀞峡

この後は、川舟で瀞峡めぐりをしようと、乗船乗り場を訪れました。次の回は午後1時からとのことだったので、予約だけして先にお昼をいただくことにしました。

本当は瀞ホテルで、瀞峡を眼下に眺めながら食事をしたかったのですが、この日は夕方まで予約がいっぱいとのことで諦めました。

代わりにGoogle Mapsで見つけた Book Café Kuju(ブックカフェ九重) に行ってみることにしました。

このカフェは九重という地域の、廃校になった小学校の校舎を改装した建物の中にあります。他にもベーカリーなどが入っていますが、知らなければ通り過ぎてしまいそうな小さな校舎でした。

カフェは木のぬくもりを活かした素朴な造りで、かつて小学校だった頃の面影があちらこちらに残っています。黒板に白墨で書かれた文字に、手書きならではの温かさを感じました。

机や椅子はさすがに大人向けのサイズですが、木造校舎のような趣を感じさせます。

お料理ができるまでの間、隣の古本スペースをのぞいてみました。

最近は東京で大型書店が次々と閉店する一方で、本好きさんが自分の好みの本を集めた個性的な小さな書店が増えていると感じます。その多くがコーヒーショップを併設しているのも特徴的です。

こちらのブックカフェもそのようなお店のひとつだと思いました。オーナーさんは映画好きのようで、映画に関する本が多く、旅や食に関する本、さらには洋書も揃っていました。

ちょうど旅行に持ってきた本を読み終えたところだったので、店内を隈なく見て回り、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」の文庫本を購入しました。幼い頃、この恐ろしくも哀しい物語に不思議と惹かれたことを思い出しました。

さて、お料理が運ばれてきました。まずはキーマカレーのランチセット。ミネストローネとサラダが付いていて、ボリューム満点です。

もうひとつはハーフのサンドウィッチとキッシュのセット。パンは併設されたパン屋さんのブラウンブレッドです。

私は朝食をたっぷりいただいて、まだおなかがいっぱいだったので、ハーフのサンドウィッチとカフェラテにしました。

サンドウィッチにはサーモンとポテトサラダがはさんであり、さっぱりとした味わいでおいしくいただきました

Book Cafe Kujuさんは12月1日で閉店し、この後新しいカフェがオープンするとのことです。

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奈良・十津川村(2024・夏)瀞峡

2024年12月07日 | +奈良

奈良・十津川村旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1. 奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉
2. 奈良・十津川村(2024・夏)十津川温泉で味わう郷土料理

十津川温泉を後にして、深い森の中を車で走ること約1時間。向かったのは「瀞峡(どろきょう)」です。

瀞峡は吉野熊野国立公園内に位置し、奈良県、三重県、和歌山県にまたがる大峡谷です。旅行前に十津川村について調べているうちに、この大峡谷の存在を知り、ぜひ訪れたいと思いました。

車を停め、峡谷への階段を下りていきます。右手に見える屋根の建物は、瀞峡を見下ろす断崖絶壁に建つ「瀞ホテル」です。このホテルは大正6年に創業した歴史ある旅館ですが、平成16年に宿泊施設としては閉館しました。

現在は、100年以上の歴史をもつ建物を活かし、眺めのよいレトロな雰囲気のカフェとして営業を再開しています。

瀞ホテルの横にある階段をさらに下りていくと、目の前に峡谷を流れる神秘的な青緑色の熊野川が姿を現しました。

河原に降り立つと、切り立つ崖が圧巻の迫力で迫ってきました。

瀞峡ではカヌーや釣りなど、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。この時も、ちょうどカヌー体験をしている人々の姿が見られました。

水面から見上げる峡谷の景色も、きっと素晴らしいことでしょうね。

ダイナミックな断崖が続きますが、この付近では水の流れが穏やかで、ゆったりとした気分を味わえました。

しばらくすると、モーター付きの川舟がやってきたので、後で乗ってみようということになりました。

ブルーグリーンに見える川の水も、近づいてみると透明でとても澄んでいます。

河原から見上げた瀞ホテルの姿です。

森の奥深くにこんな場所があるなんて、初めて発見した人はさぞ驚いたことでしょう。熊野川流域は古くから木材の生産が盛んで、かつては伐採した木を筏に組んで川を下流へ流していたそうです。

さて、次は川舟に乗りに行きましょうか。

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奈良・十津川村(2024・夏)十津川温泉で味わう郷土料理

2024年11月30日 | +奈良

奈良・十津川村旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉

十津川温泉「湖泉閣吉乃家」さんでは、宿自慢の素朴な田舎会席料理をいただくのを楽しみにしていました。

かつては、海のない土地を旅しても海産物が提供されることが少なくなかったように思いますが、こちらの吉乃屋さんでは、川魚、山菜、きのこ、ジビエなど、奈良県の山の幸や川の幸をふんだんに使った心づくしの郷土料理を堪能することができました。

少し時間が経ってしまいましたが、思い出しながら書いていきます。

手前にある高菜の浅漬けに包まれたおにぎりは、吉野地方の郷土料理である「めはりずし」。吊り橋の売店で見かけて「何だろう?」と思っていたので、謎が解けてうれしくなりました。奥に見えるのは鹿肉のたたき、左にあるのは小芋のあんかけスープです。

ひと口蕎麦、わらびのおひたし、梅酒。

ヤマトポークの蒸籠蒸し。

ごまだれとポン酢でいただきます。

鰻の押しずし、野菜の天ぷら。

鮎の塩焼き。頭からしっぽまで丸ごといただけます。

そら豆といっしょに炊き上げたおこわ、お吸い物。

デザートはオレンジとライチ。どれもおいしくいただきました。

こちらは朝ごはんです。右上に見えるのは奈良の郷土料理である茶粥です。

鮎?の干物。川魚の干物は、初めていただきました。

とうもろこしを炊き込んだごはん。

床の間に飾られていた長い蔓が目を引きました。スタッフの方に「あれは藤ですか?」と尋ねたところ「そうです」とのお返事でした。さらに「ずいぶん長いですね!お庭の藤ですか?」と伺うと、お宿の二代目の方が山で見つけられたとのことでした。

野生の藤はこんな風に自由奔放に伸びるものなのですね。驚きました!

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奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉

2024年11月24日 | +奈良

だいぶ日にちが経ってしまいましたが、2024年7月、夫の奈良出張に便乗して、奈良県十津川村を旅してきました。金曜日の夜、それぞれに仕事を終えた家族三人が奈良のホテルに集まりました。

十津川村は奈良県の最南端に位置し、日本で一番面積の広い村です。人里離れた深い森をドライブしながら、温泉でゆったりくつろぎ、素朴なお料理や人々、そして見たことのない風景に出会いたいと思っていました。

土曜日の朝、奈良のホテルを出発し、南へ向かうこと約3時間。ようやく十津川村に到着しました。最初に訪れたのは谷瀬(たにぜ)の吊り橋です。

長さ297.7m、川からの高さ54mを誇る、日本一長い生活用の吊り橋です。かつて谷瀬の村民は丸太橋を利用していましたが、洪水で何度も流されるため、村民たちが費用を出し合い、1954年にこの吊り橋が架けられました。

吊り橋を渡り、向こう岸に到達してから戻りました。ワイヤーに板を渡しただけの簡素な造りで、最初は恐ろしく、周囲の景色を楽しむ余裕もなく、おそるおそる慎重に進みました。

帰り道は少し慣れて、写真を撮る気持ちの余裕も生まれました。向こう岸にある売店でいただいたソフトクリームがとてもおいしかったです。

お昼は谷瀬の吊り橋から車で3分ほどの場所にある「蕎麦・甘味処 風庵」でいただきました。

お店は十津川(熊野川)に面していて、テラス席が気持ち良さそうでしたが、この日は暑かったため、皆さん屋内で食事をしていました。

外観は民芸調ですが、内装は天井が高く、ファンが回るログハウス風の造りです。

こちらは「風庵定食」です。ざるそば、十津川産のしめじごはん、西吉野の上辻豆腐店が作っている大和揚げがセットになった定食です。

私は「梅しそとろろそば」をいただきました。はちみつに漬けた梅干しは酸味と塩味がほどよく、優しい甘みがあってとてもおいしかったです。

山奥にありながら、お店の作りやお料理、スタッフのサービスに洗練された雰囲気があり、人気があるのも納得のお店でした。

そこからさらに車で1時間弱走り、十津川温泉郷にある「湖泉閣吉乃家」さんに到着しました。古めかしい旅館ですが、湖畔の眺望、地元食材を生かした素朴な田舎会席料理、温かいおもてなし、そして温泉の魅力が旅館のHPから感じられ、ぜひ宿泊したいと思いました。

お部屋でしばし休んでいると、窓の外には森林の緑を映し出したエメラルドグリーンの湖が広がっていました。

十津川ではなく湖?と不思議に思いましたが、ここは川を堰き止めてできたダム湖で、「二津野湖」と呼ばれているそうです。

十津川温泉に着いたら「野猿(やえん)」に乗ってみたいと思っていました。野猿とは、人力で動かすロープウェイの一種で、ワイヤーに繋がれた箱に乗り、岸から岸へ移動するものです。

旅館のスタッフに尋ねると、現在は交通手段としての野猿はなく、車で5分ほどのホテル昴さんの敷地内で体験できるとのことでした。

早速訪ねてみると、監視員もおらず、自由に乗れるようになっていました。ロープを引っ張るには力が要りそうで、私には難しいと感じましたが、息子が挑戦することにしました。

乗り場からロープがたわむ中間地点までは自然に進めますが、そこからは上り坂になるため、自分でロープを引っ張らなければなりません。息子は何とか対岸までたどり着き、よい経験になったようです。

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麺屋いちびり

2022年06月01日 | +奈良

奈良旅行の最後を飾るのは、なんとラーメンです。^^;

ラーメン好きの息子が、橿原にはめったに来れないので、せっかくなので気になっていたラーメン屋さんに行きたいと、橿原神宮前駅にほど近い 麺屋いちびり さんでお昼をいただくことになりました。

お店の前に数人並んでいましたが、メニューを見てどれにしようか迷っているうちに順番がまわってきました。入ってすぐの券売機で食券を購入。店内はカウンターのみの細長い作りで、ラーメンを作る様子を眺めながら、のんびりできあがりを待ちました。

こちらはお店一押しの特製ラーメンです。厚みのあるチャーシューが、どーんと3枚ものっているのが圧巻。とろりとした味玉もおいしそうです。焼きのりがのっているのが東京ラーメン風です。

スープは豚骨魚介しょうゆ味で、コクがありながらそれほど脂っこくなく、満足度の高いお味でした。

私はめずらしく、まぜそばにしました。ひょっとしてまぜそばをいただくのははじめてかもしれません。こちらも、麺が見えないほどに具材がたっぷりのっていて大迫力。白ねぎ(関西ではめずらしいですね)赤たまねぎ、水菜とたっぷり野菜がのっているのが私好みでした。

チャンクといっていいほどの大きな焼き豚がごろごろたくさん入っているのにびっくり。量が多かったので少し息子に手伝ってもらいました。たれはラーメンのスープに似ていますが、麺や具材によくからみ、おいしくいただきました。

***

この後は近鉄奈良まで電車でもどり、おみやげを買って息子と別れました。初めて訪れる場所で、奈良の新たな魅力に触れる旅となりました。

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橿原神宮と、畝傍山

2022年05月29日 | +奈良

だいぶ間が空いてしまいましたが、奈良旅行記の続きです。

吉野の桜を見に行って、橿原 (かしはら) に宿泊した翌日は、近くにある橿原神宮を訪れました。近鉄・橿原神宮前駅から歩いて10分、奈良県では春日大社に次ぐ大きな神社です。

橿原は日本書紀の中で、日本建国の地と記されています。初代天皇である神武天皇が2600年前にこの地に宮を創建したという記録に基づき、明治天皇が1890年に橿原神宮を創建しました。設計は、築地本願寺、湯島聖堂などの建築で知られる伊東忠太先生です。

私は奈良にご縁ができてから、橿原神宮のことを知り、今回初めて訪れましたが、静かで厳かで、壮麗とよぶのにふさわしい、美しく神聖な空間でした。

広々とした表参道を歩み進み、南神門から入ります。

外拝殿から中に入ると、本殿の前を、綿帽子に白無垢、羽織袴の新郎新婦を先頭に、婚礼の儀式に参列する方々が歩き進み、本殿の中へと入っていくところでした。

東京の結婚式は最近カジュアルになってきているので、黒留袖に振袖の女性が参列するオーセンティックな神式の結婚式を久しぶりに目にしたように思います。まるで外国人みたいに興奮してしまいました。

本殿では粛々と結婚の儀が執り行われています。回廊に取り囲まれた中庭は、真っ白な砂が敷き詰められ、その清らかな美しさに心が洗われるようでした。

回廊の連続性の美しさに目を奪われました。

境内の地図を見て、北参道の途中から畝傍山 (うねびやま) に30分ほど歩いて登れることを知り、頂上まで行ってみることにしました。畝傍山は、耳成山 (みみなしやま)、天香具山 (あまのかぐやま) とあわせて大和三山とよばれています。万葉集などでもおなじみですね。

北参道から立札に導かれて登山道に入ると八重桜とマンサクかしら? ピンクの花が咲き乱れ、まるで桃源郷のような風景が広がっていました。

こんな感じの明るい山道を登っていきます。

30分ほどの登山道だというのに途中で迷いそうになりましたが^^; なんとか到着。頂上からは、耳成山と香具山が見えました。(上の写真は耳成山です) 大和三山の中では畝傍山が一番高いそうです。(標高198.8m)

もと来た道を下りて、橿原神宮にもどり、隣接する深田池のまわりを散策しました。

池の周りに植えられている桜がとってもきれいでした。

ちょっと蜷川実花さん風に撮ってみました。???

池では鴨の夫婦がす~いすい。のどかな風景でした。

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大和八木 八向さんでお鍋を囲む

2022年05月08日 | +奈良

この日は橿原(かしはら)市の近鉄・大和八木駅近くに宿泊しました。橿原市は奈良市から電車で約1時間、吉野まで電車で約1時間のところにある、奈良県では比較的大きな市です。大和八木は近鉄大阪線と近鉄橿原線の乗換駅で、ここから伊勢志摩行きの電車も出ています。

この辺りはまったく土地勘のない場所なので、いつものようにGoogle Mapsで探して、駅近くの飲食店が集まっている一画にある 八向 -YAKO- (ヤコウ) さんに入ってみました。

これは食事の後に撮った写真ですが、白いシンプルなファサードに小さく入口だけがついている凝った造りです。白木の大きなテーブルが白いスクリーンで半個室に区切られ、照明が柔らかく灯っています。スタッフがフレンドリーで居心地の良いお店でした。

私たちはお店の名物「鶏白湯水炊きコース」にアラカルトを組み合わせていただきました。

最初に運ばれてきたお料理です。詳細忘れましたが、なめらかで濃厚な胡麻豆腐のような食感だった記憶が...。この後、お造り、そして鶏天がつき、その写真もなぜかありませんが、どのお料理もとってもおいしかったです。

お鍋の鶏白湯のスープが運ばれてきました。ほろほろに煮込まれた骨付きの鶏肉が入った濃厚なスープです。

お店のスタッフが、白湯スープと骨付きの鶏肉を最初に取り分けてくださるので、まずはストレートにそのおいしさを味わいました。

この後、お店のスタッフが野菜類を入れてくださり、お鍋のスタートです。スープがおいしいので、野菜ももちろんおいしい。昼間は初夏のような陽気でしたが,夕方になって肌寒さとほどよい疲れを覚えていたので、お鍋の温かさが体に沁みました。

鰆の塩焼き。身が柔らかくておいしかった。春のお味です。

お勧めされたたけのことアスパラガスの天ぷら。たけのこを天ぷらでいただくのは初めてかも...。この季節ならではの贅沢な楽しみです。

お鍋の〆は、中華麺とごはんがありましたが、私たちはお勧めの中華麺をいただきました。これまた白湯スープによく合いました。地元奈良の日本酒も少しいただいて、楽しい夜になりました。

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吉野山の桜

2022年05月06日 | +奈良

今回の旅の目的は、吉野山の桜を見に行くことでした。日本を代表する桜の名所でもある吉野山は、息子が2年ほど前に訪れた際に、そのすばらしさを話に聞いていたので、いつか訪れたいと思っていました。

吉野山は奈良市から電車(近鉄)に乗って2時間ほどかかります。朝、奈良を出てからこの日宿泊する予定の橿原のホテルに寄って荷物を預け、それから向かったので、近鉄の吉野駅に着いた時には11頃になっていました。

さすがは桜の名所とあって、電車の中も、吉野駅を降りてからも、多くの人で大賑わいでした。バスが出ているほか、途中までケーブルカーもありますが、私たちは駅から歩いて山を登りました。

こんな感じの風景を眺めながら、山道をてくてく歩きます。吉野山の桜は、ふもとから山奥に向かって下千本、中千本、上千本、奥千本と桜の名所が続き、3月下旬から4月中旬にかけて山麓から山奥へと少しずつ開花の時期がずれるため、長く楽しめます。

吉野山の桜はシロヤマザクラが中心ですが、その他にも種類がいろいろあって濃淡のピンクのグラデーションが山腹を彩り、夢のような風景でした。種類によっては若干満開をすぎていたものもありましたが、風に舞う桜吹雪もまた風流で美しかったです。

一週間前に吉野山を訪れた知人から、かなり歩くと聞いていて、登山道のような山道を想像していたのですが、意外にも舗装された道路でした。道の両側にはお土産屋さんやお食事処等がずっと続き、一般の住宅もあるので、車が通れるようになっているのですね。

吉野駅に着いたのがお昼前だったので、山を登りはじめて最初に目についた 千本楼 お食事処ちもと さんでお昼をいただくことにしました。この日は汗ばむほどの陽気だったので、私は吉野名物の葛うどんをいただきました。

吉野葛を使ったうどん。ひょっとして葛切りみたいな透明なおうどんかしら?と想像していたら、稲庭うどんのような細いうどんで、もちもちしていました。繊細で口当たりがよく、私はとっても気に入りました。帰り道に家へのおみやげに買いました。

お土産屋さんをのぞいたり、ソフトクリームを食べたりしながら、のんびり山道を上っていきました。

やがて上千本につきました。花矢倉展望台からの眺めです。眼下に広がるピンクのカーペットに圧倒されました。写真以上にすばらしい景色でしたよ。

はるか向こうに、途中で通った大きな寺院、金峯山寺が見えます。ずいぶん歩いてきたんだなーと感慨深かったです。

桜の木の間を縫って下りてみたい気がしますが、かなり勾配があるので難しそう...。

上千本までかなり歩いたので、この先の奥千本まで歩いてもどってくるのはあきらめました。(知人は奥千本までバスで行き歩いて下りて来たそうです。なるほどそういう手もあるのですね。)私たちは上千本にある、この吉野水分神社で折り返すことにしました。

帰る途中で、息子が桜がきれいに見える神社があると教えてくれました。神社の名前は憶えていないとのことでしたが、いろいろ調べて中千本にある吉水神社らしいことがわかりました。

吉水神社に咲いていた濃ピンクの愛らしい枝垂桜。

吉水神社の境内に展望台のような場所があり、そこから見る吉野山の桜がすばらしかったです。

グリーンとピンクのコントラストもすてきでした。

山を下りる途中にあった濃ピンクの桜。

そしてみごとな枝垂桜。

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中華処 青天

2022年05月04日 | +奈良

奈良に着いた日は金曜日でしたので、ホテルにもどってお風呂に入ったりしながら、息子の仕事が終わるのを待ちました。連絡が入ってから、近鉄奈良駅近くで待合せし、いっしょに夕食をいただきました。

この日訪れたのは、近鉄奈良駅にほど近いこじんまりとした中華料理屋さん 中華処 青天 (ちゅうかところ せいてん) さんです。麻婆豆腐がおいしいお店で、息子は昼間は何度か入ったことがあるそうですが、夜は初めてということでした。

麻婆豆腐が大好きで、帰省した時は必ず一度は作るお料理ですが、一人暮らしの奈良ではこういうところで食べているんだなーと様子がわかってよかったです。予約はしていなかったのですが、すんなり席に着くことができました。

青天流こだわりの焼餃子。奈良県産ブランド豚、ヤマトポークのミンチ肉を野菜とたっぷり混ぜて焼き上げています。餃子の底が平らではなく丸みがあったので、どんな風にして焼いているのか興味津々でした。

皮はぱりっ、中は野菜たっぷりで柔らかく、ジュ―シィでとてもおいしかったです。にんにくを使わずに仕上げているのも、私好みでうれしい。

海鮮あっさり炒め。旬の海鮮と奈良県産の野菜を使用しています。八宝菜に似ていますが、八宝菜はこれとは別にありました。海老や帆立など、大きな海鮮がごろごろと贅沢に使われていて、食べ応えがある一品でした。味付けも上品でおいしかったです。

お店の看板メニュー、奈良の極上麻婆豆腐です。麻婆豆腐はこの他に、大和牛の麻婆豆腐、元祖四川系麻婆豆腐、山椒のかわりに唐辛子を効かせた 辣 麻婆豆腐の4種類がありましたが、やはりここは名物をいただかなくてはね。

お豆腐は、奈良県産サチユタカ大豆を使用した絹ごし豆腐。お肉は奈良県産ヤマトポークの9㎜ミンチ肉。山椒は飛騨高山の完熟赤山椒と本場四川の花山椒を使用しています。

運ばれてくるときは山椒は控えめですが、山椒のミルを持ってきてくださるので、赤山椒と花山椒を自分で挽いて好みで追い山椒することもできます。辛さと痺れがほどよく引き立ち、麻婆のおいしさを存分に堪能しました。

五目炒飯。私は炒飯はどちらかというとしっとり派ですが、この炒飯は具のそれぞれの存在感がありながら、一体感もあって、私好みの炒飯でした。

有頭海老の唐揚げです。脱皮したてで皮の柔らかいソフトシェルシュリンプを使っているので、皮ごと、頭ごと、全部いただけます。ソフトシェルクラブの唐揚げが大好きですが、ソフトシェルシュリンプは初めていただきました。

海老がぷりぷり、味付けもよく、とてもおいしくいただきました。

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西ノ京にある2つの寺院 唐招提寺と薬師寺へ

2022年05月03日 | +奈良

奈良町でお豆腐料理のお昼をいただいた後は、近鉄奈良駅から西ノ京へ。西ノ京駅から歩いて行けるところに、唐招提寺と薬師寺があります。どちらの寺院も中高の修学旅行で行ったはずですが、ほとんど覚えていません。新鮮な気持ちで訪れました。

まずは駅から歩いて15分くらいのところにある唐招提寺を訪れました。途中は奈良市内とは思えないのどかな住宅街を歩きます。道を横切る小動物がいて、猫にしては大きいと思ったらなんと狸でした。えさが豊富にあるのか丸々と太っていましたよ。

唐招提寺は、唐からはるばるやってきた鑑真が759年に創建したお寺です。南大門から入ってすぐ正面に見える金堂は、奈良時代に建立した現存唯一の建築で、国宝となっています。堂々として端正な佇まいに圧倒されました。

荘厳な木造建築ながら、正面に並ぶ8本の柱は、遠くギリシャの神殿に見られるエンタシスの柱がシルクロードを渡って伝えられた建築技法で、その壮大な文化の伝来に思わずため息がこぼれました。

広大な唐招提寺の境内にはさまざまな伽藍がありますが、緑が豊富で、まるでひとつの村のようでした。正面奥に見えるのは開山堂。今は御影堂に安置されている鑑真和上座像の身代わり像が置かれ、公開されています。

左に見える階段を奥に進むと石塀に囲まれた御影堂がありますが、ふだんは公開されていません。中には国宝の鑑真和上座像の他、東山魁夷画伯の筆による、みごとな襖絵があります。この襖絵は以前、国立新美術館で鑑賞する機会がありました。

生誕110年 東山魁夷展 (2018-11-16)

境内にはこのようなのどかな風景も見られ、気持ちが安らぎました。道のわきには細長くはす池が続いていて、燕子花(かきつばた)の緑の葉が目に鮮やかでした。今頃は青いきれいな花が咲いていることでしょう。

戒壇。かつて僧となるための授戒が行われる建物がありましたが焼失し、今は石段だけが残っています。その上にインド・サンチーの古塔を模した宝塔が築かれています。

経蔵。奈良時代に建てられた、唐招提寺で最も古い建造物。日本最古の校倉です。

ほのかにピンク色に染まった愛らしい桜。

***

さて、この後は駅までもどって駅前にある薬師寺を訪れました。薬師寺もほとんど記憶にないのですが、修学旅行の時にお話上手なお坊さんがおもしろおかしくお寺を紹介してくれたのを覚えています。生徒たちが退屈しないよう工夫してくれたのかな?

薬師寺は、天武天皇により680年に創建された寺院です。もとは橿原の藤原京に建てられましたが、平城京への遷都にともない、この西ノ京に移されました。

正面の建物は、薬師三尊像(国宝)を祀る金堂(1976年再建)。左奥に東塔(国宝)、右奥に西棟(1981年再建)。

東塔は創建当時の奈良時代から唯一残る建物です。大小の屋根が6段ありますが、1・3・5段の小さい屋根は裳階(もこし)という庇(ひさし)に類するもので、正しくは三重塔となっています。黒くきりりとしまった姿が凛々しかったです。

金堂などを擁する白鴎伽藍から通りをはさんで、玄獎三蔵院伽藍があります。こちらは玄獎三蔵の遺徳を伝えるために1991年に建立されたばかりの新しい伽藍です。

平山郁夫画伯により奉納された「大唐西域壁画」を見ることができました。

西ノ京駅前に咲いていた桜。

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