セレンディピティ ダイアリー

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コーダ あいのうた

2022年08月28日 | 映画

フランス映画「エール!」(La Famille Belier / The Belier Family) の、アメリカ版リメイクです。

コーダ あいのうた (CODA)

アメリカ東海岸の海沿いの町で両親と兄の4人で暮らす高校生のルビーは、家族で唯一耳の聞こえる健聴者。ルビーは家族の手話通訳をし、家業の漁業も手伝っていましたが、学校の選択授業の音楽で、先生に歌の才能を見出され、名門音楽大学への受験を勧められます...。

フランス版「エール!」は記事にしていませんが、Amazon Prime で鑑賞していました。アメリカ版リメイクが同じくAmazon Primeに上がっていたので、早速見てみました。

エール!とほぼ同じストーリーですが、マサチューセッツ州のグロスターという海沿いの町が舞台で、それに合わせてオリジナルの酪農農家から漁業を生業とする家族に変わっていました。

グロスターは、私の大好きな「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の舞台となった同名の町の隣町。拙ブログで何度か書いていますが、私はアメリカのニューイングランド地方が大好きなので、この地方特有の風景や、ブルーグレーの海に、たちまち引き込まれてしまいました。

ルビーが進学するのがボストンのバークリーというのも、感情移入がしやすかったです。というのも、大好きなピアニストの小曽根真さんや上原ひろみさん、クインシー・ジョーンズなど、ジャズ界の大物を数多く輩出しているなじみのある音楽大学だから。

もうひとつ、サプライズでうれしかったのが、主人公ルビー (エミリア・ジョーンズ) の相手役マイルズを演じたのが「シング・ストリート」のフェルディア・ウォルシュ=ピーロくんだったこと。

シング・ストリートの時はまだあどけない少年という感じでしたが、ほっぺが赤いのは変わらずながら、ちょっぴりヒュー・グラントっぽく成長していたのも、感慨深かったです。

ルビーのお気に入りの秘密の池の場面もとってもロマンティック。ルビーとマイルズの関係が、さわやかでかわいくて、きゅんきゅんしてしまいました。お互いの気持ちが自然と近づいていく過程がていねいに描かれていて、青春映画としてもすてきな作品になっていましたね。

ルビーの両親、兄すべて実際に聞こえない俳優さんたちが演じていたということを、後でHPで知って驚き、そのことにも心を打たれました。ふつうの会話に加え、膨大な手話のセリフをナチュラルに演じていたエミリア・ジョーンズのがんばりにも感動しました。

ノリのいいお母さん、おおらかなお父さん、熱血漢の音楽の先生もオリジナルそのままのキャラクターでとてもよかったです。

バークリーのオーディションでルビーが歌ったのはジョニー・ミッチェルの「青春の光と影」(Both Sides Now)。トイ・ストーリーや ”最高の人生の作り方 (And So It Goes)" にも登場する、私も大好きな歌です。

(映画を見ていない方はご注意) 歌っているうちに手話が始まったとたん、涙が止まらなくなってしまいました。

Audition at Berklee / CODA (2021) + Official Trailer

ルビーが旅立ちの時に家族に送ったサインは、I love you に似ていますが指がクロスしていたので??と思ったら、I really love you. という意味だったのですね。

子どもの成長物語であり、親の子離れの物語となっていて、耳が聞こえる聞こえないにかかわらず、普遍的で誰もが共感できる作品となっていました。

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3年ぶりの再会 &神宮外苑花火大会 2022

2022年08月21日 | おでかけ

コロナ感染拡大のために帰国できないでいたニューヨーク在住の友人が3年ぶりに帰省したので、いつものメンバーで集まりました。個室でゆったり過ごしたいという彼女の希望で、北大路 京橋茶寮 さんを予約してお昼をいただきました。

場所は京橋の明治屋さんのところにできた新しいビルの5階です。重厚で風格のある明治屋さんの建物が壊されたのかと心配していたら、明治屋さんの建物はそのままにその後ろに近代的なビルが建てられていてほっとしました。

お料理は四季折々の食材を生かした会席料理。板前さんの技が光る繊細なお料理と、器や添えられた葉の一枚にいたる美しさにため息がこぼれました。

前菜です。右上はつる紫のおひたし、左上は魚素麺と翡翠茄子。手前は、鰻寿司、鰆西京焼き、玉蜀黍真丈、チーズカステラ、新丸十蜜煮。

小さな器に盛られた御造りは、ジオラマのような繊細さでした。

この後、鱶鰭 (ふかひれ) と冬瓜の炊き合わせ。(写真なし)

黒毛和牛すき焼き陶板。生卵ではなく温泉卵でいただくのがめずらしい。

この後、太刀魚南蛮漬け。炊き込みごはんとお味噌汁、香の物。(いずれも写真なし)

食後の最中アイス。カステラ、メロン、わらびもちが添えられています。

久しぶりの話はつきず、お店がいったん閉まる3時まで話し通し、その後入った和カフェでも閉店の5時までおしゃべりは続きました。何が起こるかわからない昨今ですが、今年会えなかった友人も交えて、来年もまた集まれることを祈るばかりです。

***

私はこの後、これまた3年ぶりの開催となる 神宮外苑花火大会 2022 に行くため秩父宮ラグビー場へと向かいました。東日本大震災・熊本地震復興チャリティを兼ねたこの大会はチケットが必要ですが、座席にすわってゆったりと見れるのがありがたい。

花火大会の前にはコンサートもあって会場を盛り上げます。今年は雨が降り出しそうで、濡れたら嫌だな...と思っていたら、先に着いていた夫が家からアウトドア用のレインコートを持ってきてくれていました。傘も禁止だったのでとっても助かりました。

今年は松平健さんのマツケンサンバにあわせてカウントダウン。^^ 0のカウントとともにライトが突然消え、花火がはじまります。この頃には雨が本降りになっていましたが、しっかりとしたレインコートのおかげで安心して楽しめました。

プラチナのシャワーのような花火が、エレガントでとってもきれい。

今年はコロナで亡くなった方たちへの祈りの花火や、医療従事者の方たちへの感謝の花火が打ち上げられ、それにスマホのライトで応える観客の姿があり、これまでにない特別な花火大会だったように思います。

ラストは逆ナイアガラ?のような花火と、次々と打ち上げられる花火との競演が続き、空は祭りのような様相に。フィナーレにふさわしい華やかさでした。

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THE GUILTY ギルティ(2021)

2022年08月14日 | 映画

2018年のデンマーク映画「THE GUILTY ギルティ」のハリウッド・リメイクです。

THE GUILTY ギルティ (The Guilty)

ある事情により現場を離れ、緊急司令員として勤務する刑事が受けた1本の通報。電話の向こうの被害者を救うため必死で策を練る彼を、思わぬ真実が待ち受けていた。(Netflix公式ページ)

オリジナル版は公開時に劇場で見ましたが、緊急通報指令室で勤務する刑事が、音声だけで電話の向こうで起こっている緊急事態に対処するという、実験的要素に満ちた異色サスペンスでした。

【過去記事】THE GUILTY ギルティ(2018)

今回、Netflixでリメイク版を見ましたが、オリジナルの設定やストーリーをほぼそのまま生かした作りとなっていました。ネタバレ厳禁の作品ですが、オリジナル版を見てから3年半経っていて、ほどよく忘れていたので新鮮に楽しめました。^^

個人的には、リメイク版の方がおもしろかったです。オリジナル版は、アイデアが斬新で当時すごい!と感服したのですが、主人公の顔のアップが延々続く会話劇で、途中で少し集中力が切れてしまったのも事実です。

リメイク版も同じ進行ではあるのですが、音楽や映像をうまく使って飽きさせない工夫があったように思います。カルフォルニアの大規模山火事で、なかなか手の空いた警官がつかまらないという本作独自のシチュエーションも、うまく緊張感を盛り上げていました。

私自身がハリウッド映画の刺激に慣れすぎてしまっているのかもしれませんが...。あと、会話が命の作品なので、英語版の方が疲れない、というのはあるかもしれません。

終盤に向けての大どんでん返しは、ストーリーを知っていてもはらはらしました。人間が陥る先入観の隙をつくような思いがけない真実。相手を救いたいという良心のために、自分の首を絞めてしまうという現実。本作、オリジナルのプロットがほんとうにみごとなのですよね。

ジェイク・ギレンホールの演技にも引き込まれました。ぎょろりとした目にすごみがあって、限られた動きと会話だけで、主人公の追い詰められた状況と安堵と絶望がみごとに伝わってきました。

個人的には、わずかなヒントから個人情報に瞬時にアクセスし、スマホの会話から現在位置を一瞬で割り出す、ロサンゼルス警察のハイテクシステムにも大いに興奮しました。^^

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我が家のゴーヤ2022 &SHEINでお買い物

2022年08月12日 | 日々のこと

今年も夫が家庭菜園でゴーヤを育てています。5~6月頃はお天気がすぐれなくて、生育があまり芳しくなかったのですが、その後暑くなるにつれ、ぐんぐんと伸び始めました。今は立派なカーテンとなっています。

市販のものと比べると小さくてひょろっとしていますが、使い切りサイズでちょうどよい。過去記事を参考にしながら、毎日おいしくいただいています。

いつもはピーマンで作っている無限ピーマンを、ゴーヤに置き換えて作っています。オリジナルレシピはコチラ。ほのかなほろ苦さがやみつきになるおいしさです。

ゴーヤのアヒージョ。のつもりでしたが、オリーブ油少なめなので、どちらかというとアヒージョというよりアーリオオーリオ・ペペロンチーノといった感じ。簡単にできて、おつまみにもぴったりです。

このほか、塩もみにしてからカニカマといっしょに酢の物にしたり、なすやカラーピーマンなどといっしょにラタトゥイユにしたり。色がきれいで、苦みがアクセントになるので、使い勝手がとてもよいです。

台風がやってくる頃までは収穫が楽しめるかな?

***

最近SNSで時々目にするようになって、気になっていたSHEIN (シーイン)。アメリカの新しいファッション通販だとばかり思っていましたが、2008年に中国で設立された通販限定のファストファッションブランドだそうです。

おしゃれな服が、どれも信じられないお値段で売られていてびっくり。ターゲットは20代くらいかと思いますが、私好みのもたくさんあったので、ものは試しに購入してみました。

(カタログよりお借りしました)

生地や縫製も文句なし、オンでもオフでも着れるきちんとしたデザインが気に入りました。ただ、価格があまりにも安いので、労働力が不当に搾取されているのではないかという不安が頭をよぎりますが...。

ワンピースもすてきなのがいろいろありました。洋服の他、アクセサリー、バッグ、靴、メンズもありますが、どれも小ロットで作られていて、売り切れても新しいデザインの商品が次々と上がってくるのが魅力です。

また、SHEINは世界各国でそれぞれ展開されていますが、その国の好みのデザインを人とAIが分析して決めていて、日本向けには日本人に好まれるデザインがラインナップされているというのも納得です。

気になった方はこんな記事も読んでみてくださいね。
中国アパレル通販「SHEIN(シーイン)」とは?企業戦略を徹底解説(enjoy Japan)

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ブルーベリー狩り2022

2022年08月11日 | おでかけ

練馬区の観光農園に、今年もブルーベリー狩りに行ってきました。練馬区には、約30か所のブルーベリー観光農園があり、7~8月頃にかけて摘み取りを楽しむことができます。

ブルーベリー観光農園(練馬区公式サイト)

今年は、ほぼ毎年お世話になっている ”ファーム大泉学園” さんに行ってきました。7月末の週末で学校はもう夏休みに入っていたので、ファミリーで訪れている方たちが多かったです。中には夏休みの自由研究なのか、受付の方にインタビューしているお子さんもいました。

受付はおそらく農園のお手伝いに来ているご近所の方だと思いますが、とてもお話好きの方でちびっこの質問に快く答えていました。やりとりが聞こえてきて、微笑ましい気持ちになりました。

今年も農園は豊作で、大粒のブルーベリーがたくさん生っていました。最初の2、3列だけでもかなりの量を摘むことができました。1時間以上黙々と摘み続けましたが、この日は薄曇りで日差しもそれほど強くなくてよかったです。

実の美しさにうっとり。絵になるので薄い色の写真も撮りましたが、摘む時は黒く熟したものを選びます。枝をかき分けると、見つかりにくいところに大粒の実がたくさん隠れていたりして、ちょっとうれしくなります。夢中で摘みました。

白く霜が着いたようになっているのはブルームといって新鮮さの証です。今はスーパーでも国産のブルーベリーが手に入りますが、やはり自分で摘むブルーベリーは格別です。

毎年だいたい3kgくらい摘みますが、今年は過去最高記録で4.8kgも摘んでしまいました。上の大きな保存容器3つは冷凍庫に、下の小さな保存容器3つは冷倉庫に。冷蔵庫の分はもう全部食べてしまいました。

今は冷凍庫に入ったのを、毎朝ヨーグルトといっしょにいただいています。健康のため最近はお菓子作りをしていませんが、今気に入っているのは凍っているブルーベリーをそのまま食べること。まさにリアル ”アイスの実” で、ヘルシーなおやつとなっています。

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オリビア・ニュートン・ジョンに捧げる

2022年08月10日 | 日々のこと

70~80年代に数多くのヒット曲で世界的に活躍した歌手のオリビア・ニュートン・ジョンが (米西海岸時間8月8日に) お亡くなりになりました。

オリビアは、私が洋楽が好きになるきっかけとなったアーティスト。愛らしいルックスと天使のような歌声、美しいメロディの虜になりました。初めて彼女をメディアで見た時は、この世にこんなに美しい女性がいるのかと衝撃を受けた?記憶があります。^^

私を新しい音楽の世界へと誘ってくれたオリビアですが、特に好きなのは70年代後半の曲です。誰もが一度は耳にしたことのあると思いますが、改めてご紹介して追悼の気持ちに代えたいと思います。

Olivia Newton-John - Have You Never Been Mellow

「そよ風の誘惑」(Have You Never Been Mellow) はおそらく初めて出会った彼女の歌だと思いますが、今聴いてもほんとうにチャーミングです。この頃のオリビアは正統派のアイドルでしたが、実力もありましたね。

Olivia Newton-John - I Honestly Love You

邦題は「愛の告白」(I Honestly Love You)。オリビアの歌はメロディもいいですが、今あらためて聴くと歌詞もいいですね。彼女の誠実な人柄が伝わってくるようで、聴いているだけで胸がきゅんとしてきます。

Olivia Newton-John - Sam

「サム」(Sam) は上2曲ほどメジャーではないけれど、私は大好きな歌です。胸がしめつけられるような切ない切ないバラードです。

オリビアの代表曲でもある「フィジカル」(Physical) は私は当時あまり好きではなくて、エアロビクスのミュージックビデオもオリビアらしくない!と思っていたのですが、だいぶ後になって、オリビアはこの歌を歌うのがはずかしくて

当時流行していたエアロビクスで健康的に表現した?というのを聞いたことがあります。のちにオリビアが、この歌をバラード風にアレンジして歌うのを聴いたことがありますが、大人の女性の魅力があってとてもすてきでした。

私の好みでスローな歌ばかりになってしまいましたが、「マジック」(Magic) や、ELOの「ザナドゥ」(Xanadu) なんかも大好きです。「グリース」で共演して以来の大親友だというジョン・トラボルタのメッセージも泣けました。

オリビア、すてきな音楽をありがとう♪

***

昨日はファッションデザイナーの三宅一生さんの訃報もありました。

一生さんのファッションは私にはシャープすぎてあまりご縁がなかったのですが、一生さんの佇まいや身のこなし、発言はいつも注目していました。ほんとうにかっこよかったですよね。ご冥福をお祈りいたします。

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グレイマン

2022年08月06日 | 映画

ライアン・ゴズリング&クリス・エバンス主演。Netflixオリジナルのスパイアクション映画です。

グレイマン (The Gray Man)

先月からNetflixで配信がはじまった本作。劇場でも限定上映されていますが、場所と時間が合わなかったので、これを見たいがためにNetflixに再入会してしまいました。^^

Netflix史上最高の製作費をかけていると聞くと期待も高まります。ド派手なアクション映画なので、映画館の大きなスクリーンで見るとより迫力があると思いますが、家のテレビで見ても十分楽しめました。

原作は2009年に出版されたマーク・グリーニーの「暗殺者グレイマン」の小説シリーズとのことですが、映画向けにだいぶ内容は変えてあるようです。刑務所で服役中のコート・ジェントリー (ライアン・ゴズリング) がCIAにスカウトされ、あるミッションに携わるも

CIAの不正を知ったために命を狙われる、といったストーリーとなっています。セヴン (007) はもう先役がいるので、コートにはシックスというコードネームがつけられます。^^

うーん、見ている時はおもしろかったのですが、全体的に少々薄味だったのが残念でした。たとえばミッション・インポッシブルだと、毎回これ!というインパクトのあるシーンがありますが、今回は今ひとつ印象に残ったシーンがありません。

CIAがどうしてシックスに目をつけて、スカウトしたのかもよくわからなかった。

例えば「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」では、どうしてFBIがフランクをスカウトしたのか、「アメリカン・アサシン」では、CIAがどうしてミッチをスカウトしたのか、納得のいくストーリーになっていたと思います。

クリス・エバンスも悪役としては、少々物足りなかったかな?

ちょっと辛口の感想になってしまいましたが、決してつまらないわけではありません。気軽に楽しむのにはぴったりのお勧めの作品です。

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