今月初めに、東京新聞社会部記者 望月衣塑子さんの講演会に参加してきました。
私が望月さんを知ったのは2年くらい前でしょうか。もはや政権とメディアのなれあいの場となっていた官房長官記者会見の場で、くじけず真摯に質問を続ける声に、おや?と思ったのが最初でした。その後、著作の「新聞記者」も読みましたし、Twitterでの発言や活動にも注目しています。
今回の講演会は偶然知って、望月さんのお話を直接聞いてみたいと思って参加しましたが、話題の方ということもあり、会場は満席という盛況ぶりでした。参加されていた方の年齢層はやや高めでしたが、約3分の2の方が映画の「新聞記者」をご覧になっていたようです。
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私は見そびれてしまったのですが、映画は好評で興行的にも成功し、望月さんも芸術の力はすごい!と感激していらっしゃいました。今の日本において、かなり踏み込んだ内容となっているようですが、出演された松坂桃李さんの勇気もすごいことだと感動しました。いずれ必ず見たいと思います。
ちなみに原作は、映画とは違って、望月さんの自伝的内容と、ジャーナリストとしての姿勢が中心に書かれていますが、望月さんのこれまでの活動や熱い魂にも触れられ、興味深く読みました。
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講演中の望月さんは、ものすごくエネルギッシュで、マシンガントークといった感じなのですが、報道の第一線で活躍し、戦っていらっしゃる記者さんの話だけに、緊張した空気までもがびりびりと伝わってくるようで、ぐいぐいと引き込まれました。といっても、会場は時折笑いに包まれるほどで、終始なごやかな雰囲気でした。
言いたいことは山ほどありますが、とりあえず、アメリカから押し付けられた使えない軍備に5兆円強も支払うというのはどう考えてもクレイジーで、今の日本には、教育や福祉、防災など、優先すべきことはもっとたくさんあるはずだと思います。若者たちに希望ある未来を託せない今の政治に憤りを感じます。
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現在、NHKをはじめ日本のメディアは政権に支配され、自由に報道できない状況にありますが、そうしたハードな環境の中で勇気をもっていい番組を作ろうと奮闘している現場の人たちがいます。もしも、そうしたいい番組、いい記事に出会った時には、局や社に是非応援の声を届けて欲しいと望月さんはおっしゃいます。
作り手にとっては、大きな反響があることが何よりも励みになり、上層部を変える力にもなるそうです。望月さん自身もそうしたたくさんの励ましの声に助けられてここまでやってこれた、とおっしゃったのが心に残りました。