セレンディピティ ダイアリー

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平和な世界を目指して 望月衣塑子さん講演会

2019年10月30日 | おでかけ

今月初めに、東京新聞社会部記者 望月衣塑子さんの講演会に参加してきました。

私が望月さんを知ったのは2年くらい前でしょうか。もはや政権とメディアのなれあいの場となっていた官房長官記者会見の場で、くじけず真摯に質問を続ける声に、おや?と思ったのが最初でした。その後、著作の「新聞記者」も読みましたし、Twitterでの発言や活動にも注目しています。

今回の講演会は偶然知って、望月さんのお話を直接聞いてみたいと思って参加しましたが、話題の方ということもあり、会場は満席という盛況ぶりでした。参加されていた方の年齢層はやや高めでしたが、約3分の2の方が映画の「新聞記者」をご覧になっていたようです。

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私は見そびれてしまったのですが、映画は好評で興行的にも成功し、望月さんも芸術の力はすごい!と感激していらっしゃいました。今の日本において、かなり踏み込んだ内容となっているようですが、出演された松坂桃李さんの勇気もすごいことだと感動しました。いずれ必ず見たいと思います。

ちなみに原作は、映画とは違って、望月さんの自伝的内容と、ジャーナリストとしての姿勢が中心に書かれていますが、望月さんのこれまでの活動や熱い魂にも触れられ、興味深く読みました。

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講演中の望月さんは、ものすごくエネルギッシュで、マシンガントークといった感じなのですが、報道の第一線で活躍し、戦っていらっしゃる記者さんの話だけに、緊張した空気までもがびりびりと伝わってくるようで、ぐいぐいと引き込まれました。といっても、会場は時折笑いに包まれるほどで、終始なごやかな雰囲気でした。

言いたいことは山ほどありますが、とりあえず、アメリカから押し付けられた使えない軍備に5兆円強も支払うというのはどう考えてもクレイジーで、今の日本には、教育や福祉、防災など、優先すべきことはもっとたくさんあるはずだと思います。若者たちに希望ある未来を託せない今の政治に憤りを感じます。

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現在、NHKをはじめ日本のメディアは政権に支配され、自由に報道できない状況にありますが、そうしたハードな環境の中で勇気をもっていい番組を作ろうと奮闘している現場の人たちがいます。もしも、そうしたいい番組、いい記事に出会った時には、局や社に是非応援の声を届けて欲しいと望月さんはおっしゃいます。

作り手にとっては、大きな反響があることが何よりも励みになり、上層部を変える力にもなるそうです。望月さん自身もそうしたたくさんの励ましの声に助けられてここまでやってこれた、とおっしゃったのが心に残りました。

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ジョーカーの階段

2019年10月22日 | +映画のよもやま

続きますが... 映画「ジョーカー」に関する話題です。先日 Twitter で拾ったニュースですが、映画の中でホアキン・フェニックス演じるジョーカーがダンスをした階段 (ポスターにも使われています) が、ニューヨークの新たな観光名所として注目されているそうです。

映画「ジョーカー」に登場の階段、米NYの新たな観光名所に? (CNN.co.jp)

記事に、ブロンクスのシェイクスピアアベニューとアンダーソンアベニューを結ぶ階段とあったので、Google Mapsで探してしまいました。すぐに見つかりましたよ。

上の地図で黄色い線を引いたところです。167 Street 駅から歩いてすぐ。ヤンキースタジアムからも近いです (隣の駅です)。

Google Street View で見て確かめました。映画と同じですね。^^

↓ ニュース映像だともっとわかりやすいです。

‘Joker’ Fans Flock to Stairs From Dancing Scene

ブラジルやイタリアなど、海外からも人々が訪れているそうです。

ちなみにニュースの中で紹介されているエクソシストの階段と、ロッキーの階段も行ったことがあります。いつかジョーカーの階段にも行ってみたいです。(☆_☆)

【関連記事】ジョーカー (2019-10-19)

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ジョーカー

2019年10月19日 | 映画

ホアキン・フェニックスが主演する、バットマンの悪役ジョーカーの誕生物語です。

ジョーカー (Joker)

公開前から傑作か、それとも問題作かと、国内外で大きく話題になっていた作品。ヴェネツィア国際映画祭ではアメコミ初の最高賞を受賞しました。日米同時公開でしたが、アメリカではジョーカーに影響を受けて銃を乱射する人が出るかもしれないと、厳戒態勢の中で公開されたシアターもあったとか。

そんな話題性もあって楽しみにしていた作品です。授業が休講になって急きょ見に行きましたが、平日の朝一番の回だというのにシアターはほぼ満席でした。ひと足先に見ていた息子からも興奮してLINEが来ていたので、この日の夜はテキストで1時間以上やり取りしてしまいました。見た後で無性に誰かと語り合いたくなる作品でした。

ジョーカーは、アメコミに出てくる悪役で、この作品はその誕生物語という映画独自のストーリーです。荒唐無稽なところは全くなく、リアルでシリアスな、大人のための考えさせられる作品となっていました。不寛容で生きづらい今の時代を反映していて、社会的、政治的メッセージも感じとれる、深い人間ドラマです。

舞台は荒廃したゴッサムシティ。コメディアンになることを夢見ながら、道化師として働き、孤独で報われない日々を送っていたアーサー(ホアキン・フェニックス)は、電車の中で3人のエリート社員たちにからまれて暴行されます。その時、とっさに持っていた銃で彼らを撃ち殺したところから、物語は動き始めます。

社会の変化の中で置き去りにされ、閉塞感を抱くようになった人が、ある日耐えられずに爆発するという事件は、ここ近年、例えば秋葉原の事件とか、日本でもたびたび起こっています。でもジョーカーがそうした犯罪者と決定的に違うのは、彼の怒りが弱者に向かわないということ。彼の犯罪にはちゃんと理由があるのです。

例えば発端になった3人にしても、ほんとうにクズなんですよね。 (私は「アメリカン・サイコ」を思い出しました) とはいえ、こういうクズがうまく世渡りしているのも現実で... いや、犯罪は絶対許されるべきではないのだけれど、うしろめたさを感じながらも、ちょっとすかっとしている自分がいました。

これが例えば、スパイダーマンだったら、悪者をやっつけた、よくやった!と素直に称賛していたのではないかと思います。ジョーカーだとどうしてもやもやしてしまうのか。自分の良心という仮面が引きはがされるような気がしてしまうからかもしれません。

アーサーに対しては、最初はまったく共感できなかったのに、ジョーカーとなった彼が、テレビのショーに華麗にステップを踏みながら登場した時には、カッコいい~ なんて思ったりして。一方ではそういう自分を認めたいような、認めたくないような、不思議な葛藤も起こっていました。

冷静に考えると、自分でもどうかしていたと思いますが、そうさせるだけの説得力のあるストーリーと、それを裏付けるホアキン・フェニックスの怪演がすごかった。是非見て体感していただきたいです。

【関連記事】ジョーカーの階段 (2019-10-22)

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城崎温泉 ゆとうや旅館

2019年10月12日 | +兵庫

京都・城崎温泉旅行記の続きです。今回、城崎温泉では「ゆとうや旅館」さんにお世話になりました。

江戸・元禄元年(1688年)創業。300年以上の歴史をもち、国指定登録有形文化財に登録されている老舗旅館です。温泉街の中心に位置し、アクセスも便利でした。2000坪の広大な日本庭園があり、どのお部屋からもみごとなお庭を眺めることができます。

歴史ある旅館ゆえに、よくいえばレトロ、少々老朽化しているところは否めませんが、もともと伝統と歴史のある建築の好きな私には、多少の不便も愛おしく、博物館に宿泊するような感覚で楽しめました。

さんざん外湯に入ったあとでしたが、チェックインしてからお宿のお風呂もいただいて、その後別室にて、地元の海の幸、山の幸をふんだんに使った会席料理をいただきました。記録を兼ねてご紹介します。

食前酒に梅酒。先付は、菊花くらくら和え。前菜は、季節の彩五種盛りー秋の白和え・焼き海老・むかご真丈・合鴨ロース・穴子八幡巻。お造りは、間八・若水・鮪・甘えび。蒸し物は、茶碗蒸し。酢の物は、刺身くらげ・糸雲丹・わかめ・白バイ貝酢味噌・のどくろ広島菜巻き。

やはり海の幸、お造りがおいしかったです。お料理が多すぎず、お酒をいただきながら、ひとつひとつのお味をしっかり楽しめたのがよかったです。松葉蟹の漁が11月からということで、残念ながら蟹のお料理はなかったのですが、名物の但馬牛がいただけてよかったです。

温物は、海鮮白湯小鍋。ほっとするお味でした。

焼き物は、水晶プレート焼き。但馬牛と旬の野菜を、山葵と塩でいただきます。石でなく、水晶プレート?というのが珍しい。お肉をタレでなく、お塩でいただくというのも新鮮でしたが、お肉のおいしさがストレートに味わえました。

お食事は、豊岡市但東町赤花産 能勢家の自然米こしひかりを炊き込みご飯でした。赤出汁と香の物とともに。

季節の果物(メロン・ぶどう)と、紅葉ようかん。

お部屋から見るお庭。雨に潤う緑が瑞々しくきれいでした。

翌朝は7時に外湯に出かけた後に、ゆっくり朝食をいただきました。

少しずついただく小鉢のお料理が楽しい。

そして旅館の朝といえば湯豆腐。つるんとおいしくいただきました。

 

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城崎温泉 外湯めぐり

2019年10月04日 | +兵庫

城崎温泉のお楽しみといえば、外湯めぐりです。町に7か所の共同浴場があり、街中をぶらぶら見てまわりながら温泉めぐりが楽しめます。お宿の方で、チェックインからチェックアウトの間に何度も使える外湯の入浴券と、タオルを用意してくださいました。

7つの外湯は、開館時間がそれぞれ異なるので、コンプリートしたい方は計画を立てて回られるとよいと思います。私たちは行きあたりばったりで回りましたが、それでも1日目の午後に3か所、翌日の朝に1か所行くことができました。

最初に訪れたのは、お宿から一番近い「一の湯」さんです。温泉街の中心にあってランドマーク的な存在です。堂々たる風格の建物で、お風呂も待合室も広々としていました。露天風呂は洞窟のような造りです。夫はここが一番気に入ったそうで、翌日の朝にもう一度入りに行ってました。

温泉めぐりの間に、気の向くままにお店をのぞくのも楽しいです。城崎温泉に近い豊岡はカバンの町として知られているそうで、いろいろなタイプのカバン屋さんがありました。もとは柳行李の産地で、そこからカバン作りが盛んになったそうです。

京都御所をイメージしたという「御所の湯」は改装中でお休みでした。”美人の湯” として知られているそうですが、入れなくて残念でした。

桜並木のある木屋町通り。こんな風景も絵になります。

桜並木を抜けたところにある「まんだら湯」は寺院風の造りです。ここの露天風呂は陶器の壺風呂でした。

商店街を抜けたところに温泉寺という古いお寺があります。この横から山に上るロープウェイが出ていますが、今回はお天気が悪くて遠くまで見えそうにないので、上るのは止めにしました。

町の一番奥に位置する「鴻の湯」は、民芸風の造り。城崎温泉最古の湯として知られています。露天風呂がゆったりとしていて、緑に囲まれていて気持ちよく、私と息子はここが一番気に入りました。ここでお風呂上りにコーヒー牛乳を飲みました。

翌日は朝食前に、お宿からも比較的近い「柳湯」さんに行きました。町家風の外観がすてきです。檜のお風呂が風情があって、こじんまりとしていますが私はこちらも気に入りました。

城崎温泉のお湯は、透明で少し熱めで、さらりとしたお湯でした。湯めぐりだと、一か所であまり長湯をせずに、体がぽかぽかのまま次のお風呂に移動するので、湯あたりせずに体にも負担がなさそうです。どのお風呂もそれぞれ特色があって楽しかったです。

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