セレンディピティ ダイアリー

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スクランブル

2017年09月29日 | 映画

スコット・イーストウッド初主演となるクライムアクション映画。南仏マルセイユを舞台に、BMW327、ポルシェ326スピードスター、アストンマーティンV8など、往年の名車が疾走します。「96時間」「ワイルドスピード」「TAXi」シリーズのスタッフが参加。

スクランブル (Overdrive)

高級クラシックカー専門の強盗団、兄アンドリュー(スコット・イーストウッド)&弟ギャレット(フレディ・ソープ)のフォスター兄弟。ある時、オークション会場から運び出された37年型ブガッティを奪おうとするも失敗し、落札したマフィアのモリエールに捕らえられてしまいます。

命を助けてもらう代わりに1週間で敵対するマフィアのクレンプから62年型フェラーリ250GTOを盗むことになったフォスター兄弟は、アンドリューの恋人ステファニー(アナ・デ・アルマス)、その友人のデビン(ガイア・ワイス)らとともに、ミッションに挑みます。

食事のあとに銀座をぶらぶらして、軽くて楽しい映画が見たいな~と見に行ったのがこちら。「ワイルドスピード」シリーズのようなド迫力はありませんが、美しく磨き上げられたクラシックカーが南仏の海岸道路を疾走する姿はまさに眼福。おしゃれで華やかで、ちょっぴりレトロな雰囲気もあって、食後のデザートにぴったりの作品でした。

スコット・イーストウッドをはじめ、期待の若手俳優たちが出演していたのも楽しかった。フレディ・ソープは初めて見ましたが、弟役も納得するほど、スコットと雰囲気がよく似ています。かわいらしいアナ・デ・アルマスは、ポスト アリシア・ヴィキャンデル?「ブレードランナー2049」にも出演しているそうで、これからますます人気が出そうですね。

ストーリーは、だましだまされ話が錯綜しすぎたせいか、逆に何でもありになってしまって、最後が「え~!そうだったのか」とならなかったのがちょっと惜しかったかな、と思いました。ここがうまく押さえられていたら、カタルシスが得られたもしれません。

登場するのはほとんどが貴重なヴィンテージカーなので、ワイルドスピードみたいにガンガン破壊することもなく、車への敬意が感じられたのがよかったです。お父さんの迫力にはまだ及ばないけど、スコットもこれからが楽しみですね。

日比谷公園から新しいビルが見えました。日比谷の三井ビルが再開発でずっと工事していましたが、いつの間にか新しい建物がほぼ完成していました。基礎にはずいぶん時間をかけていましたが、上物が建つのは早いですね。新しい施設は「東京ミッドタウン日比谷」となり、来年3月29日にオープンする予定です。

数寄屋橋交差点から見たところ。手前のニュートーキョーの跡地も工事が始まっていますね。

下からドーン。新しいビルとシャンテの間の道路が石畳のプロムナードに舗装されていました。シネマズシャンテの前のスターバックスも取り壊されていましたが、新しく広場として整備されるのでしょうか。

東京ミッドタウン日比谷の中には、TOHOシネマズ日比谷がオープンし、それにともないマリオン上階のTOHOシネマズ日劇は2月で閉館となります。シャンテ・スカラ座・みゆき座はこのまま継続されるようです。

TOHOシネマズ「日劇」2月閉館へ...「シャンテ」は継続決定 (CinemaCafe.net)

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日比谷松本楼 Bois de Boulogne

2017年09月28日 | グルメ

緑が美しい日比谷公園の老舗レストラン、日比谷松本楼3階の Bois de Boulogne (ボア・ド・ブローニュ) でランチをいただきました。夏に久しぶりに訪れて、おいしいお料理とホスピタリティに感動したので、今度は家族を誘って訪れました。

食事の前に軽くカクテルを。右はお店の名前を冠したカクテルで日本酒(銘柄は失念)と梅酒を使ったスパークリング。私は左の季節の果物(この日は洋梨)のスパークリングをいただきました。にごり酒のようですが、甘すぎずすっきりとした味わいで食事にも合いました。パンは4種類。私はちょっと変わったトマトと日本茶のパンをいただきました。

オードブルの盛合せです。この日はポテトパンケーキとサーモンのパテ、牛ほほ肉のテリーヌ、ミラノ産サラミ、なすのラム肉詰め焼き、そしてピクルス。夏の面影を残しつつ、秋の訪れも感じられるひと皿でした。

そろそろ温かいスープが恋しい季節。この日は温かいカブのポタージュでした。油で揚げていない柔らかいクルトンが、淡白なカブによく合います。スープといっしょにいただくと、そのままふんわり溶けるようでした。

メインのお料理はお肉をいただきました。この日のお肉料理はベーコンを巻いた牛ヒレ肉のステーキ。濃厚なソースがぎゅ~っとお肉のおいしさを引き立てます。同系色のベリー(だったかな?)のバターも美しく、まろやかなお味を堪能しました。

デザートは、ブラマンジェと桃のゼリー、桃のコンポートをルバーブのソースで。ミントとレッドカラントがかわいいアクセントになっています。ピンクのグラデーションが愛らしく、目でも楽しめるひと皿でした。コーヒーとともにおいしくいただきました。

店内はそこここに歴史を感じさせ、”仏蘭西料理”と漢字で書くのがふさわしい。昨今はどこのレストランも女性の集まりが多いですが、こちらはご高齢の方から小さなお子様まで、ご家族のお祝いと思われるグループが多かったのが印象的でした。細やかな心配り、窓から見える緑も美しく、心地よい時間をすごしました。

秋とよぶにはまだ早い日でしたが、どこからか金木犀の香りがしました。

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サーミの血

2017年09月27日 | 映画

北方の少数民族サーミの少女が、差別や偏見に立ち向かいながら力強く成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。サーミの血を引くアマンダ・シェーネル監督の長編デビュー作で、主演のレーネ=セシリア・スパルロクはじめ、サーミの人たちが演じています。

 サーミの血 (Sameblod / Sami Blood)

物語は、クリスティーナが妹の葬儀に参列するために、息子の車で何十年かぶりに故郷へと向かう場面からはじまります。少女時代に家族を捨て、名前も変え、二度と足を踏み入れなかった故郷。葬儀でも親戚たちと交わらず、ひとりホテルに宿泊したクリスティーナは、つらかった少女時代を思い出します。

1930年代、スウェーデン北部に住む先住民族のサーミは、スウェーデン人によって支配、差別されていました。遊牧民族だった彼らの子どもたちは親から離され、サーミだけの寄宿学校で強制的にスウェーデン語による授業を受けさせられました。そして民族衣装を強制され、まるで珍しい野生動物のように、研究対象として体や骨格を測定されていたのです。

成績優秀なエレ・マリャは上級学校への進学を希望しますが、教師から「あなたたちの脳では文明に適応できない」と推薦を断られてしまいます。ある時スウェーデン人を装って忍び込んだ夏祭りで、都会からきた少年二クラスと親しくなったエレ・マリャは、自由な世界を求めて故郷を飛び出し、彼をたよってウプサラの街へと向かいます...。

今もサーミ語に耳を傾けず、親戚と決して交わろうとしないクリスティーナ(エレ・マリャ)。徹底的に自分のアイデンティティを拒否する彼女の姿から、生まれた時から植えつけられてきた劣等感と心の傷、そして故郷を出てからは、サーミと知られないよう、蔑まれないように血のにじむような苦労を重ねてきたであろうことが伝わってきて胸が痛みました。

「サーミは嘘つきの泥棒」と言い捨てたのは、他ならぬ自分へのことばなのだと思います。スウェーデン人として生き抜くために、彼女がどれほどハードでハングリーな人生を歩いてきたか、映画の中で明らかには描かれていませんが、いくつかのシーンからうかがえました。

ほんとうは誰もが互いのアイデンティティを尊重して、共存していければ理想ですが、それがいかに難しいことか。サーミの伝統を守ることが大切だと外から言うことは簡単ですが、エレ・マリャの生き方を責めることは誰にもできません。エレ・マリャが妹の亡骸を抱きしめて赦しを請う場面では胸が締め付けられました。

映画の中では、現代においてもサーミへの偏見が古い世代で残っていることが示唆されていましたが、その中で救いだったのが、クリスティーナが今は幸せな家庭を築いていて、息子や孫娘がサーミへの偏見が全くないように思えたこと。孫娘が民族衣装を着せてもらって喜んでいる姿に、未来への希望が感じられました。

ところで映画を見てから、サーミについてあれこれ調べているうちに、ディズニーの「アナと雪の女王」がサーミが住むラップランドを舞台にしていて、映画に出てくる山男のクリストフが、サーミをモデルにしていると知りました。

そういえば、クリストフの服はサーミの民族衣装に似ているし、トナカイのスヴェンを連れているし... 山でのたくましさなど、なるほど!と思える点がいくつもあります。そして印象的な「アナ雪」のオープニング曲は、サーミの音楽”ヨイク”がもとになっています。

Frozen - Opening Song (You Tube)

ただしディズニーは、サーミをアドバイザーに加えておらず、あくまで他者からの視点で作られていると、批判されたこともあったようです。ふと「サーミの血」の二クラスの周りにいた”理解ある洗練された”友人たちを思い出しましたが、異文化同士が真に理解し合うというのは難しいことですね...。

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神戸 フロインドリーブ本店

2017年09月25日 | +兵庫

先月、家族の用事に便乗して神戸に行き、その後一日休みをつけて京都に寄ってきました。といっても京都で落ち合うまではひとりで行動していたので、途中までは風の向くまま気の向くままのちょっとした一人旅となりました。

新幹線に乗って新神戸に着いたのが11時頃。そこから三宮方面に坂道をぶらぶら下りて、まずは神戸の老舗ベーカリー、フロインドリーブ本店のカフェでお昼をいただくことにしました。

フロインドリーブは、ドイツパン職人のハインヒリ・フロインドリーブさんが1924年に神戸ではじめたベーカリーです。神戸を代表する老舗なので、私も学生時代に訪れたことがありますが、たしかもっと街中にある小さなお店だったような... と思って調べてみたところ、それから波乱の展開があったと知りました。

中山手通りにあったお店は1995年の阪神大震災で全壊。その後、やはり震災で被害を受けた神戸ユニオン教会をフロインドリーブが買い取って修復し、ショップとカフェのあるベーカリーとして改装し、1999年に再開したということです。

神戸ユニオン教会の建物は1929年竣工、現在は国の登録有形文化財となっています。建築を手がけたのは、関西を中心に数々の教会や、関西学院、神戸女学院などの設計で知られる建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏です。

お昼には少し早い時間でしたが、人気店とあってカフェはすでに満席。順番が来るまで、ショップをのぞいたり、中庭をぶらぶらしたりして待ちました。2階のカフェへと続く階段は、重厚ながらも木のぬくもりが感じられ、ほっと落ち着く空間でした。

かつての礼拝堂だった場所が、カフェのスペースとなっています。高い山型の天井、美しい装飾窓、二階席... 教会の造りをそのまま生かした空間は厳かで、かつて長椅子が並んでいたであろう礼拝堂の情景が目に浮かぶようです。市松模様のタイルの床、クラシックデザインのシャンデリア、シックなモノトーンのインテリアです。

メニューは焼きたてのパンを使ったサンドウィッチが中心です。どれもおいしそうで迷いましたが、お店の看板メニューの”オリジナルローストビーフサンドウィッチ”をコーヒーとともにいただきました。食事の前に小さなクッキーがつきます。

自家製ローストビーフ、オニオン、サニーレタスをライ麦パンでサンド。デミグラスソースとマスタードマヨネーズで仕上げたサンドウィッチです。ボリュームたっぷりですが、甘めのソースが薄く重ねたローストビーフに合い、大満足のお味でした。

姫路城 に続きます。

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ダンケルク @IMAX

2017年09月24日 | 映画

もう一度見たいと思っていた「ダンケルク」。あとから本作はIMAXフィルムで撮影されていて、通常のスクリーンでは約40%カットされていると知り、今度はIMAXシアターで見てきました。

映像に関しては、一般のスクリーンで見た時にも迫力があって、私は十分満足していましたが、改めてIMAXで見ると、たしかに視界の広がりをより実感することができました。特に違いを感じたのは、航空戦のシーンです。

スピットファイアから見た風景は、空の広さ、海の広さ、遠くダンケルクから立ち上る煙。そうしたすべてがファリア(トム・ハーディ)の視点から体感できて、体がいっしょに動くような臨場感を味わいました。結末がわかっているだけに、指揮官(マイケル・ケイン)の「帰りの燃料を残しておくように」という声が胸につきささりました。

このほか、今回はストーリー展開がわかっているので、前回は見落としていたさまざまなことに気づくことができてよかったです。

例えば、陸軍兵士たちのパートでのギブソン(アナイリン・バーナード)の視点。彼がトミー(フィン・ホワイトヘッド)と桟橋に隠れていた時に、上官たちのやりとりをどんな思いで聞いていたか。救助船の甲板の上から、燃え上がる祖国をどんな思いで見つめていたか。

他の兵士たちは祖国に帰る喜びにわきあがっている中、自分だけが祖国を離れるという心細さと疎外感。生き延びることへの渇望と恐れと迷いと、あらゆる思いが葛藤していただろうことが、彼の行動から伝わってきて、胸がしめつけられました。

トミーたちがイギリスに着いたのはドーバーではなく、ドーセット。そして列車に乗って、途中で停車したのはウォーキング駅でした。最後のチャーチルの演説は肉声だったと思い違いをしていましたが、実際にはトミーがアレックス(ハリー・スタイルズ)に新聞を読み聞かせていたのでした。

イギリス市民の熱烈な歓迎で幕を閉じる本作ですが、最後に機体を燃やして覚悟を決めるファリア、そして新聞を読み終えたトミーの空虚なまなざしが、なぜか私にはいつまでも心に残りました。

映像の迫力に比べると、ドラマの部分は一見あっさり描かれているように思える本作ですが、ふりかえると登場人物ひとりひとりの行動やセリフばかりが思い出され、想像をかきたてられる作品でした。

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大阪の串かつ

2017年09月20日 | 料理

大阪でいただいた串かつを、家でも食べたいな~と作ってみました。

いつも家でとんかつやフライを作る時は、小麦粉→溶き卵→パン粉を順にまぶして揚げますが、大阪の串かつはバッター液にディップして、パン粉をまぶして揚げて作ります。

バッター液は、いくつかレシピを参照しつつ、シンプルに溶き卵に小麦粉を混ぜ、豆乳でのばして作りました。ていねいに作るには、これにやまいものすりおろしを加えるか、小麦粉の代わりにお好み焼き粉を使うと、ふわっとした衣になるようです。

また、お店の串かつはパン粉がものすごく細かかったので、私はいつも使っている細目パン粉をさらにフードプロセッサにかけて細かくしました。

材料を竹串に挿し、バッター液にくぐらせ、細かいパン粉をまぶして揚げたのがこちら♪ DAISOで見つけたアルミのバットと揚げ網にのせてサーブしたら、お店の串かつみたいになりました。^^

今回揚げたのは、オクラ・エリンギ・かぼちゃ・帆立・海老・豚肉の6種類です。豚肉は、薄切り肉をくるくる丸めてミルフィーユかつにしてみました。最初に野菜から揚げたので、最後の方は少し衣が焦げてしまいましたが、なかなかそれらしくできたでしょうか?

ソースもレシピがいろいろ出ていましたが、私はとんかつソース、ウスターソース、ケチャップを適当に混ぜて作りました。お店は二度付け禁止ですが、我が家は何度付けてもOKです。お店と同じくざく切りキャベツも用意しました。

このほかお店にはなかったですが、宮崎県日向地方特産の柑橘類、へべす(平兵衛酢)をしぼっていただくと、ふわっとさわやかな香りがして、さらにおいしくなりました。

全部で31本揚げましたが、あっという間になくなったので、もっと用意すればよかったな。串かつ屋さんごっこ、また楽しみたいと思います。

 

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川俣正「工事中」再開

2017年09月19日 | アート

代官山を通ったら、ヒルサイドテラスの上が材木だらけになっていました。

あれ?と思って間もなく、少し前に雑誌 Casa Brutusで見た記事を思い出しました。現代美術家 川俣正さんの「工事中」というインスタレーションで、9月24日まで開催されているそうです。

実はこのインスタレーション、33年前の1984年にもヒルサイドテラスで開催されたそうですが、その時はテナントからの理解が得られず、1週間で撤去することになったそうです。ほんとうに工事中だと思われて、お客さんが来ないと困ると心配されたとか。そういえば、当時はこうした大掛かりなアートは、まだ珍しかったかもしれません。

代官山もヒルサイドテラスはあったものの、他にはまだお店はほとんどなく、商業地というよりは閑静な住宅街だった記憶があります。今は旧山手通りや八幡通りのみならず、裏道にもお店がたくさんできて、ずいぶん賑やかになりました。

もう少しよく見てみようと、角の歩道橋に上ってみました。知らないと、ただ雑然と材木を重ねているようにも見え、道行く人もあまり気に留めていないようでしたが...。この歩道橋が今年いっぱいで撤去されることになり、33年ぶりにこのインスタレーションが再開されたということです。

***

ついでに寄ったインテリアショップのunicoさんで、秋らしい箸置きを見つけました。

最近は有田焼や波佐見焼、砥部焼など、伝統的な焼き物が、今の生活に合わせたモダンな食器を出していますが、この箸置きも、なんと沖縄の焼き物”やちむん”なんです。シンプルですが温かい風合いがあって、ひと目で気に入りました。

ちなみにこちらは、やちむんの伝統柄の大皿。6年前に沖縄で買い求めました。素朴で優しい風合いがあって、こちらも気に入っています。

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ダンケルクのジャム食パン

2017年09月17日 | +映画のひとさら

映画「ダンケルク」で、ようやく救助船に乗り込むことができたトミー(フィン・ホワイトヘッド)たちを迎えたのは、温かい紅茶とジャムつきの食パンでした。

このシンプルなもてなしが、どれほど兵士たちの心と体を温めたことでしょう。なんだかとってもおいしそうに見えて、私も食べたくなりました。赤いジャムはいちごでしょうか。今の季節は、生のいちごが手に入りにくいので、冷凍のいちごを買ってきました。

150gと少なめですが、すぐ食べきるにはちょうどいい量です。私はジャムはある程度しっかり甘みがある方が好きなので、いつも果物の40~50%のグラニュー糖を使います。今回は75gのグラニュー糖を使いました。

ホウロウのミルクパンにいちごとグラニュー糖を入れて、そのまま2~3時間いちごから水分が出るまでおきます。こうすることで、いちごからしっかりペクチンを引き出すことができます。

いちごが少しとろんとなったら、火にかけコトコト煮込みます。

私はあえていちごの粒を残して作ることも多いのですが、今回は映画のシーンにあわせて、途中へらで軽くつぶしながら作りました。ペクチンの働きであとからとろみがついてくるので、まだ少しゆるいかな?というくらいで火を止めるとちょうどいい。

映画に出てきたようなぽってり厚手のマグカップがなかったので、イギリス風にウェッジウッドのピーターラビットと、ハロッズのイングリッシュ・ブレックファストの紅茶でいただきました。映画と同じく、食パンはトーストせず、ジャムは端まで塗らずにまん中にたっぷりのせて。

これが食べてみると、すごく合理的にできていることがわかります。ジャムを端まで塗らないことで、手を汚さずに食べることができる。そして、トーストしないことでパン屑が出ず、食パンが柔らかいままなので、たわませてジャムをこぼさずに食べることができるのです。

そして温かい紅茶に甘いいちごのジャムがこんなに合うなんて! おいしくて感激しました。

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ダンケルク

2017年09月16日 | 映画

クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作による戦争映画。第2次世界大戦の”ダンケルクの大撤退”(ダイナモ作戦)を、陸・海・空の3つの視点から描きます。

ダンケルク (Dunkirk)

1940年5月26日。連合軍の兵士40万人はドイツ軍に包囲され、フランス北端のダンケルクの海岸に追い詰められます。イギリスへの撤退命令が出て、英国陸軍兵のトミーは、浜辺で出会ったギブソンとともに、救助船になんとか乗り込もうと桟橋に向かいます。

一方英国海軍からは救助のために民間船が徴用され、ダーソン氏が息子とともに小型船でダンケルクに向かいます。そして英国空軍パイロットのファリアとコリンズは、ダンケルクを攻撃するドイツ空軍を阻止すべく、スピットファイア戦闘機に乗って出撃します。

冒頭、映像に先立って低く流れる不穏な音から一気に戦場へと引き込まれました。突然始まる銃撃戦。鈍色に広がるダンケルクの砂浜。そこに集まっているおびただしい数の兵士たち...。彼らは対岸のイギリスに渡るために、救助船を待っているところですが、ドイツ軍からの攻撃は止まず、このままではいつ乗れるかわかりません。

ようやく乗れても、船は空から海から攻撃され、対岸に着くのは命がけ...。本作はセリフや説明を抑え、残酷描写もほとんどありません。戦場を見つめる眼差しは冷徹で、エモーショナルな表現を極力排除しているとさえ思えましたが、リアリズムにこだわった映像は臨場感にあふれ、ひりひりするような緊張感に何度も押しつぶされそうになりました。

ことばで多くを語らなくとも、圧倒的な映像と、さまざまな場面から、極限状態における生死をかけたドラマを感じ取ることができました。

個人的な背景がほとんど描かれない兵士たちと比べると、海のパートの登場人物たちはほんの少しキャラクターが肉付けされていたこともあり、特に心に残りました。マーク・ライランス演じるダーソン氏は、軍からの要請にダンケルクの窮地を知り、矢も楯もたまらず自ら救助に向かったのでした。 

ダーソン氏の胸中を思うとそれだけで泣けてきますが、特に「私たちが始めた戦争に、若者たちを巻き込んでしまった」ということばは、同じ親として、そして砂浜で見た若い兵士たちの姿がオーパーラップして、心にずしりと響きました。ダンケルクの海岸に数えきれないほどの民間船が集まる場面は圧巻。涙があふれました。

命からがらイギリスにたどり着いたものの、戦果が挙げられずにうなだれている兵士たちを「よくやった」と歓迎する市民たちにまた涙しましたが、最後のチャーチルの「我々は最後まで戦い続ける... 我々は決して降伏しない」の演説に、はっと現実にもどされました。

彼らは無事にイギリスにもどったけれど、戦争が終わったわけではないのです。彼らはこれからも戦い続けなければならない。これはそのための”意味のある撤退”だったのだと。

チャーチルの戦略的、合理的決断。それを支える国民の愛国心。精神力にたよらない冷静な判断が、最後の勝利へと結びついたのだと納得しました。

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NIKKO KANAYA HOTEL CRAFT GRILL

2017年09月13日 | グルメ

新宿三丁目の BEAMS JAPAN 地下にあるレストラン、NIKKO KANAYA HOTEL CRAFT GRILL (日光金谷ホテル クラフトグリル)でお昼をいただきました。BEAMS JAPANは日本のモノ・コト・ヒトをテーマにBEAMSが手掛けるセレクトショップ。地下のレストランでは、老舗の日光金谷ホテルが監修する、日本の洋食とクラフトビールがいただけます。

ランチは、日光金谷ホテルの名物「百年ライスカレー」をアレンジした「新宿百年ライスカレー」のほか、アラカルトのグリル料理、コース料理、各地のクラフトビールなどがありました。百年ライスカレーは以前、日光でいただいたことがあります。

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今回はアラカルトのメニューから、それぞれいただきました。

私は、「ブラータチーズのサラダランチ 完熟トマトドレッシング」をいただきました。サラダには野菜のほか、グリルした鶏肉のスライスと、ブラータチーズがのっています。左上に見えるトマトドレッシングをかけていただきます。

ブラータチーズは、モッツァレラによく似たチーズで、できたてらしく、ふわふわもちもち、柔らかいはんぺんのような食感が楽しめました。淡白でクセがなく私好み。これがメインですが、見た目以上におなかいっぱいになりました。すりガラスのモダンなお皿。パンもかりっと香ばしくおいしかったです。

赤城和牛のビフテキ丼。一見、ローストビーフに見えますが...肉厚のステーキを薄切りにしたボリュームいっぱいのひと皿です。ソースはグレイヴィとブラウンソースで作るのでしょうか。お肉のかけらやマッシュルームも入っていて、濃厚で贅沢なお味でした。

上にのっているのは揚げ卵。あとで卵料理の本を見たら、揚げ油に卵を落として作るみたいです。先日のポーチドエッグの要領で簡単に作れそうです。今度トライしてみようと思います。

特製牛すじ肉のハヤシオムライス グリル野菜添え。グリル野菜が美しい、ザ・洋食のお料理です。オムライスは、白いごはんを薄焼きのオムレツで包んだものでヘルシーな味わい。酸味がほどよく感じられるハヤシもおいしかったです。

店内は黒いスティールとダークウッドの、温かくも洗練されたインテリア。窓の向こうはバーカウンターとなっていて、ビールのサーバーが並んでいます。新宿のまん中にあって、ちょっと落ち着ける空間でした。

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