セレンディピティ ダイアリー

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東京會舘 Restaurant Prunier

2023年09月30日 | グルメ

丸の内の東京會館本館のメインダイニング、Restaurant Prunier (レストラン プルニエ) でアニバーサリーランチをいただきました。2019年に丸の内二重橋ビルにリニューアルオープンした新本館は、車寄せが広く取られ、重厚な中にも華やかさがあってすてきでした。

プルニエは本館2階にあって、皇居のお濠が目の前に見えます。各テーブルがステンドグラスの衝立で区切られ、半個室のようになっていてくつろげました。この日は前日の雨がうそのように晴れ、青空にマグリットの絵に出てくるような白い雲が浮かんでいました。

飲みものは夫はノンアルコールのメルロー(赤ワイン)、私は最近マイブームとなっているジントニックにしました。といっても、NEMAというノンアルコールのジンを使っているのですが、これがものすごくおいしくて感動しました。

最初に運ばれてきたアミューズブーシュは、トマトの泡々のスープ。その下にはオリーブオイルとジェノベーゼがあり、色の層がとてもきれいでした。小さなクチポールのスプーンで、上下を混ぜるようにしていただきます。

前菜は、タスマニアサーモンのマリネ 真っ赤なピーマンのユール仕立て。サーモンがトマトのゼリーに閉じ込められ、まるで生物の教科書に載っていた細胞質の断面みたい!と盛り上がりました。右手前は赤ピーマンを使ったソースです。

右奥のくるくるは生ハムかと思ったら、薄くスライスしたりんごのマリネでした。豆苗などのグリーンが愛らしいです。

ここでパンが運ばれてきました。手前の白いパンは大根を使ったパンということでしたが、大根の風味が全くなくて、柔らかいパンでした。キャンディのように包まれたバターがかわいい。塩が効いておいしかったです。

目の前の銀杏並木の緑がきらきらとして美しかったです。

豊洲市場より届く本日のお魚料理は、スズキを使ったブイヤベース風のお料理でした。お魚の旨味を凝縮した濃厚なスープが淡泊なスズキによく合います。くるくると巻いてあるのは緑、黄それぞれのズッキーニ。これはかわいいので家でもまねしてみたい。

お肉料理は、牛頬肉の赤ワイン煮込み 静岡県 長谷川農場産 マッシュルームの詰め物 ベーコン風味。3時間煮込んだ牛頬肉がほろほろに柔らかくてびっくりしました。赤ワインのソースも絶品です。

ロシア教会のたまねぎ屋根(クーポル)みたいに飾り切りした、マッシュルームがかわいい。中には刻んだベーコンが詰められています。お皿に見覚えがあると思ったら、銀座レカンのお皿と同じでした。おそらくリモージュだと思います。

デザートのお皿にアニバーサリーのメッセージを入れてくださいました。

デザートは、洋梨のタルト ベル・エレーヌ仕立てです。焼りんごならぬ焼洋梨に、アイスクリームとクランブルをまぶしたような芸術的な一品。お皿に注がれた温かいチョコレートソースといっしょにいただきます。

秋色のコーヒーカップは、リモージュです。コーヒーを注ぐポットもおそろいでした。

お料理もどれもおいしかったですが、デザートがおいしいとうれしいですね。

ミニャルディーズ(小菓子) はミニチュアのスタンドにのって、アフタヌーンティ仕立てになっていました。上から2つずつ3種類。紅茶のマカロンは、ピンクペッパーが一粒飾ってあって大人のお味。小さなガトーショコラには、小さな干いちじくが添えられています。

一番下のグラスに入ったのは、胡麻のカヌレ。ラズベリーのソースが添えられています。小さいながらも、どれも技ありのお菓子でした。

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ピザにまつわるあれこれ

2023年09月23日 | グルメ

先週の3連休。この日は夫が夜いなかったこともあり、帰省していた息子と学芸大学で夕食を食べようということになりました。せっかくなので軽く飲みたかったのですが、酒飲みが多そうなお店や、常連さんが多そうなお店はなんとなく入りにくい。

結局以前お昼に入ったことのあるイタリアンバルの Lo SPAZIO (ロ・スパッツィオ) へ。こじんまりとしたお店ですが、テラスがあって開放的です。まだ早い時間だったのでお子様連れも一組いらして入りやすい雰囲気でした。

飲み物は、息子が赤ワインとビールを使ったカクテル。私のは写っていませんが、ジントニックにしました。ジントニックにはめずらしく、大ぶりのワイングラスに入っているのが、おしゃれですてきでした。

豚の形のボードには、前菜の盛り合わせ。お米の形のパスタサラダ、ブロッコリーのアーリオオーリオ、カラーピーマンのマリネ、生ハム、ワカサギのエスカベッシュ(南蛮漬け)、サニーレタスのサラダ。どれもお酒に合っておいしかったです。

こちらのお店にはピザ窯があって、焼きたてのピッツァがおいしいです。これは最近息子が気に入っているというチチニエッリ。しらすのピッツァです。

パスタもありますが、もう1枚ピザを食べようということになりました。こちらはシチリアー二。アンチョビやブラックオリーブなどがのったピッツァです。ちょっと似ているけど、どちらもおいしかった! もちもちの生地も絶品でした。

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ところで、ピザが出てくる映画といって思い出すのは「グリーンブック」。ヴィゴ・モーテンセン演じるイタリア系アメリカ人のトニーが、大きなピザを2つ折りにして豪快に食べる姿に爆笑しました。(下の動画の 0:35 頃から注目!)

【公式】『グリーンブック』3.1(金)公開/本予告

このシーン、ヴィゴのアドリブだったとも聞きましたが、実際のトニーもこんな食べ方をする大食漢だったらしいですよ。

そうしたら先日偶然SNSに流れてきた「サタデー・ナイト・フィーバー」のオープニングシーンで、ジョン・トラボルタ演じるイタリア系アメリカ人のトニーも、ピザのスライスを2枚重ねて食べていて、あっ!となりました。(下の動画 1:20 頃から注目)

Saturday Night Fever / Opening Credits / 1977

美女を見るとつい後を追ってしまうトニーがかわいい。ビージーズの音楽と、このオープニングシーンだけでわくわくしてきます。今度久しぶりに見てみようかな。

方やマフィア、方やブルーワーカーで、すべてのイタリア系に当てはまるわけではないかもしれませんが、今度イタリア系アメリカ人の知人に聞いてみようと思います。^^

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南伊豆 ビーチリゾートの休日 & シュノーケリングを楽しむ

2023年09月18日 | +静岡・愛知

今回宿泊したのは下田東急ホテル。大浦湾を望む高台に建ち、美しい下田の海を一望するビーチリゾートです。

あまり考えずに予約したのですが、温泉や屋外プールのあるすてきなリゾートホテルだったので、こんなことならさっさとチェックインして、ホテルでゆっくりすごした方がよかったかしらと、ちょっぴり後悔しました。

お部屋でしばしくつろいだ後、プールからビーチの方へと散策してみました。

ホテルのプールは、夏の終わりをすごすファミリーでにぎわっていました。こういう雰囲気大好きです。プールの向こうに、深いエメラルドグリーンの海が見えました。

プールから階段を下りていくと、真っ赤な蟹が何匹もいて、人の気配を察するとささっと暗がりに隠れました。さらに下りるとビーチです。プライベートビーチではありませんが、外からやってくる人はほとんどいなくて、貸切り状態。湾になっているので波も静かでした。

ホテルのお庭から見る大浦湾です。陸のグリーンと海のブルーのコントラストが美しく、楽園とよぶのにふさわしい風景でした。

夕食は下田散策時に見つけたレストランを訪れるとなんと予約でいっぱい。結局、駅の近くの定食屋さんで金目鯛の煮つけをいただいたのですが、下田の海の幸が堪能できてこれはこれでよかったです。

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翌日は今回の旅の目的、南伊豆の石廊崎に近いヒリゾ浜というところでシュノーケリングを楽しみました。。

ヒリゾ浜は陸続きですが、海のすぐ後ろまで岸壁が迫っているため陸路では行けず、中木海岸というところから船に乗って行きます。水がきれいで透明度が高く、外洋とつながる岩場の地形ということもあって、めずらしい熱帯魚がたくさん泳いでいます。

知人にヒリゾ浜のことを教えていただいて、9月までシュノーケリングができるということなので、思い立って今回行くことにしました。ウェットスーツやフィンなど装備が必要なので、ツアーを申し込み、インストラクターの方に案内していただくことにしました。

中木海岸から小さな船に乗って5分。夏の間、船は中木海岸⇔ヒリゾ浜を何往復もしています。青い海、青い空、奇岩の風景が神秘的でわくわく胸が高鳴ります。

日本とは思えない秘境のような風景に、ディカプリオの「ザ・ビーチ」を思い出しました。

ヒリゾ浜の船着き場に着きました。水の透明度がすごいです。

ヒリゾ浜ではインストラクターの方のきめ細やかなご指導のもと、岩場から少し深い海へと泳ぎながら、シュノーケリングを楽しみました。私は沖縄のほか、海外でも何度かシュノーケリングを経験していますが、これほどたくさんの熱帯魚を見たのは初めてです。

青い魚、黄色い魚、縞々の魚、イサキなどの食べられる魚、キビナゴの大群など、まるで水族館の水槽にいるようなスペクタクルな風景でした。

この日は波が静かでしたが、夢中になって泳いでいるうちに、少々波酔いしてしまいました。2時間弱泳いでから中木海岸にもどって用意していただいたお弁当をいただき、午後もヒリゾ浜に渡って、のんびりシュノーケリングを楽しみました。

中木海岸からの風景。ほどよい疲れを感じながら帰途につきました。

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南伊豆の旅 下田散策

2023年09月16日 | +静岡・愛知

先週お休みを取って、南伊豆まで旅行に行ってまいりました。函館旅行記もまだ途中で、実はもうひとつ保留になっている旅行記があるのですが、すっ飛ばしてこちらを先に書いてしまいますね。

東名高速から新東名を経由して伊豆縦貫道へ。この道路はまだ全開通していなくて、専用道を走ったり一般道を走ったりするのですが、入ってすぐのところにある道の駅伊豆ゲートウェイ函南に休憩に立ち寄り、ついでに早めのお昼をいただきました。

伊豆といえば海の幸。ということで、沼津魚がし鮨さんに入りました。私はここにしかない近海握りをいただきました。生しらすや桜海老、鯵をはじめとする駿河湾のお魚が勢ぞろい。雲丹やサーモンの入った握りに比べると見た目は地味ですが

名前はわからない白身のお魚、脂ののったお魚とどれもおいしかったです。この道の駅で早くもおみやげを買ってしまって、一路下田へと目指しました。

下田公園のふもとに車を停めて、町を散策しました。目の前に見えるのは下田港。正面に見える三角錐のお山は、下田富士。のどかな漁港の風景です。

1853年に浦賀を訪れ開国を迫ったペリーは、翌1854年に再来し、幕府から開港地の候補として示された下田港を訪れます。3隻の蒸気船を含む9隻の船がこの平和な漁港に現れた時は、壮観だったでしょうね。人々もびっくりしたことでしょう。

ペリー艦隊の乗組員たちが上陸したのがまさにこの地で、記念碑のペリー提督の胸像が飾られていました。手前にあるのは米国海軍から贈られたという錨です。

この後、町をぶらぶら歩いたのですが、駅前以外の店はほとんど戸を閉ざしていて、いわゆるシャッター街となっていたことに驚きました。それでも、ところどころにこの土地特有のなまこ壁の古い住宅を見かけて、歴史を感じる佇まいにほっとしました。

アメリカ全権ペリーと幕府の間に日米和親条約が結ばれ、最初の開港地となったここ下田で、下田条約が結ばれました。下田条約締結の場となったのが、この了仙寺 (りょうせんじ) です。こじんまりとした美しいお寺でした。

了仙寺はジャスミンの寺としても知られ、満開となる5月には数百株というアメリカジャスミンが咲き、甘い香りに包まれるとか。いつかその香しい風景を見てみたいものです。境内の裏には洞窟の遺跡もあり、いろいろと興味深いお寺でした。

ペリー上陸の碑から了仙寺まで、ペリー一行が歩いた平滑川沿いの小径は、ペリーロードと呼ばれています。柳並木に石畳、古い洋館や古民家が並ぶ趣のある小径で、下田では唯一観光客の姿がありました。

橋のたもとにある味わいのある古民家カフェ ギャラリーアンドカフェ 草画房 (そうがぼう) さんでひと休みしました。

めずらしい漆のカップに入ったコーヒーと、お勧めされたフローズンのレアチーズケーキ。お庭から切ってきたのかな?といった感じの素朴な花々にほっと心が安らぎました。

その昔は荒物屋さんだったのでしょうか。たばこ売りのカウンターがそのまま残っている土間があり、畳のお部屋が続いています。私たちは畳のお部屋のテーブル席に座ったのですが、虫がいたようで足がかゆくなって少々困りました。

柿の木が植わったお庭、井戸水を引いたお手洗、静かにジャズボーカルの流れる趣のある空間でした。

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100本のスプーン(2023・晩夏) & Cake to go

2023年09月09日 | グルメ

デイヴィッド・ホックニー展を見た後は、美術館内にあるレストラン 100本のスプーン でお昼をいただきました。都内に5店舗あるこちらのレストランは、ファミリーフレンドリーで、子どもも大人と同じ本格的なお料理をハーフサイズで楽しめます。

前回はコースのお料理をいただきましたが、今回はアラカルトでオーダーしました。

スパイスチキンと柑橘のサラダ。ハーフサイズでも大人2人で十分な量です。ドレッシングはバルサミコとキャロットの2種類。どちらもよく合いました。

ラザニア好きの私は「レンコン・人参・ごぼうのラザニア」にしました。上にわしゃわしゃとのっているのはたぶんシュレッドした人参の素揚げだと思います。ヨーグルトが添えられ、途中で味変していただきました。

おいしかったですが、ミートソースとチーズたっぷりのラザニアを期待すると、ヘルシーで物足りないと感じるかもしれません。量はしっかりありますが、味付けはあっさりしています。でも上にトマトやレタスがのっていて彩りよく、お料理のヒントになりました。

ハンバーグステーキ特製デミグラスソース。ザ・定番のお料理ですが、間違いのないおいしさでした。味付けは少々濃いめですが、満足感がありました。根菜がごろごろのっているのも私好みです。

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この日は車ででかけたのですが、夫がケーキが食べたいというので、途中たまたま前を通りがかった芝公園の Cake to go でケーキを買って帰りました。うっかりすると見過ごしそうな小さなお店ですが、前を通るたびに気になっていました。

手前は栗モンブラン、奥はコーヒーロール。どちらも素朴で飾らない感じが好ましい。家に着いてからコーヒーを入れて、半分ずつおいしくいただきました。

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入浴後に、ディオールのボディミルクを愛用していると書きましたが、もう少し強い香りが欲しくなって、今度はロクシタンのボディミルクを買ってみました。

オンラインショップでは実際の香りがわからないので、レビューをたよりにこちらの2種類を選びました。どちらも華やかで上品なフローラルの香りです。直接かいでみた時には白の方が好みかな?と思ったのですが

実際につけてみるとピンクの方が私好みでした。そのままだとあまり感じないのですが、体温が上がって汗と混じると、香りって変わるのですよね。そこがまた、香りの奥深さであり、興味深いところたと思います。

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デイヴィッド・ホックニー展

2023年09月08日 | アート

招待券をいただいて、東京都現代美術館で開催中の「デイヴィッド・ホックニー展」を見に行ってまいりました。

イギリス出身の現代の画家、デイヴィッド・ホックニーの大規模個展です。

本展では、イギリス各地やロサンゼルスで制作された代表作の数々のほか、近年制作された風景画の「春の到来」シリーズ、コロナ禍のロックダウン中に、iPadを使って描いたという実験的作品など、約120点が展示されています。

ポップで明るい代表作品の数々のほか、あっと驚く表現手法で制作された大型の作品など、どれも好奇心を刺激して楽しめました。ポスターに描かれているのは「春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年」の一部ですが、この作品

全体は、32枚のカンヴァスを組み合わせた、幅10m × 高さ3.5m という大型の油彩画です。そもそもカンヴァスを組み合わせて大きな作品を作る、という発想にびっくり。運ぶ時は分けて梱包し、展示先で並べればよいのですから合理的ですね。

No. 118、2020年3月16日「春の到来 2020年」より

展示室に入って最初に出迎えてくれたのがこの作品です。2020年の春といえば、ちょうどコロナが広がり始めた頃ですが、それを微塵と感じさせない明るさに心が洗われました。そういえば、私もコロナで家に4日間籠城?した後に目にした春の花々に

心を洗われたことを思い出しました。(コチラの記事) 水仙の葉の重なり合いは、近くで見ると尾形光琳の「燕子花図屏風」を思い起こしました。

「自画像、2021年12月10日」

そしてこちらが自画像。おしゃれで、お茶目なおじさまですね。エルトン・ジョンにもちょっぴり似ているような...。

「スプリンクラー」 1967

しゅんしゅんと回るお庭のスプリンクラーはアメリカ時代の懐かしい思い出ですが、家の作りは窓が大きい西海岸スタイルです。バービーランドのようなどこか作り物めいた風景が、いかにもアメリカらしい。

2022年6月25日、「額に入った」花を見る

画面で見ると小さいですが、約5.2m × 3m ある大きな作品です。絵の中に額縁の絵というと、私はマティスを思い浮かべますが、これだけ並ぶと圧巻です。

「ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作」 2007

こちらも約5m × 12m の大きな作品ですが、縦5枚、横10枚、なんと50枚のカンヴァスを組み合わせているのです。メイキング動画がギャラリーで公開されていました。

Making Bigger Trees near Warter, 2007

ラストは、コロナ下に iPad で描いた絵画をつなぎあわせて構成した全長 90m の作品です。

「ノルマンディの12ヶ月」(部分) 2020-21年

広いギャラリーに帯となって続く壮大な絵巻に圧倒されました。(写真撮影ができました)

2019年にコロナを逃れてフランス、ノルマンディ地方に移り住んだホックニーは、世界中の都市がひっそりと静まり返っている間、周辺の自然や季節の移ろいを見つめ続けました。そこには、かけがえのない豊かな風景が広がっていました。

それにしても、こんな風に iPad でちゃちゃっと (ではないかもしれませんが) 身近な風景や旅先の景色が描けたらどんなに楽しいでしょう。御年80歳を越えるおじいちゃまに、危機を乗り越える力、新しいものにチャレンジする意欲を学びました。

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ディアボロス 悪魔の扉 / ある侯爵夫人の生涯 / ひまわり

2023年09月03日 | 映画

配信で見た映画3作品です。

ディアボロス 悪魔の扉 (The Devil's Advocate) 1997

法廷ものが好きなのと、キアヌ・リーヴス、アル・パチーノ、シャロン・ストーンという豪華キャストに惹かれて見ました。凄腕弁護士を演じるキアヌがかっこいい! シャロン・ストーンはクールというより、この頃はどちらかというとかわいかったですね。

フロリダで連勝記録を誇る若き凄腕弁護士ケヴィン (キアヌ) が、ニューヨークの大手弁護士事務所を率いるミルトン (パチーノ) にスカウトされます。申し分のない報酬とオフィス、住環境を手に入れ、大都会ニューヨークでも活躍を続けるケヴィンですが

多忙で家を空けがちなケヴィンや、環境の変化、慣れない交友関係等で、妻メアリーアン (シャロン) は徐々に精神の異常をきたしていきます...。

すごくおもしろかったのですが、終盤はメアリーアンやケヴィンまでもが幻覚を見るようになり、どこからどこまでが現実か幻覚かわからない。ちょっとやりすぎでは?と思ったら、実は...という結末でした。テイストとしては「ゲーム」に似ているでしょうか。

ちょっと疲れるけれど、おもしろかったです。ロケ地はニューヨークのトランプタワー! 当時はまさかトランプが大統領になるとは、誰も思いませんでしたよね。

ある侯爵夫人の生涯 (The Duchess) 2008

18世紀後半のイギリスを舞台に、デヴォンシャー侯爵夫人ジョージアナの半生を描いた実話に基づく伝記ドラマです。ジョージアナを演じるのはキーラ・ナイトレイ。ジョージアナの親友で、のちに侯爵 (レイフ・ファインズ) の愛人となるエリザベスを

ヘイリー・アトウェルが演じています。「ミッション:インポッシブル デッドレコディング」のヘイリー・アトウェルが出演しているので、本作を見ましたが、クールなヘイリーは時代劇より現代劇の方がどちらかというと合っているかな?という印象を受けました。

キーラは「プライドと偏見」「つぐない」など、時代ものがよく似合いますね。本作の彼女もとても魅力的でした。ストーリーはどろどろしたメロドラマといった感じで、思いがけない展開に引き込まれましたが、これが実話ということに驚きました。

ジョージアナの幼馴染で恋愛相手、映画では駆け出しの政治家だったチャールズ・グレイが、後に首相になったという後日譚にも驚きました。さらに紅茶のアールグレイは、このグレイ伯爵に由来することを映画を見た後に偶然知り、興味深かったです。

ひまわり (I Gilasoli / Sunflower / Подсолнухи) 1970

ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演。戦争によって引き裂かれた男女の悲恋を描いた永遠の名作です。子どもの頃、家に映画音楽を集めたレコード全集がありまして... ひまわりの主題歌の美しくも哀しいメロディは、ずっと心に刻み込まれていました。

本作を気に留めながらも長らく見る機会を逸していたのですが、最近偶然 Amazon Prime に上がっているのを知って、ようやく見ることができました。本作、ウクライナ (旧ソ連) がロケ地となっていることもあり、反戦の機運と相まって最近また注目を集めていますね。

戦争による悲恋といえば「シェルブールの雨傘」を思い出しますが、本作の方がずっとシンパシーを感じるストーリーとなっていました。冬のソ連の過酷な状況の下、マーシャ (リュドミラ・サベーリエワ) によって奇跡的に命を吹き返したアントニオ (マストロヤンニ)。

神が引き合わせたとした思えない二人の出会いを、誰も責めることはできませんが、運命の残酷さを思います。それにしてもアントニオをジョバンナ (ローレン) のもとに快く送り出す、マーシャの懐の深さに私は感動しました。

マーシャもまた、心にわだかまりを持ったまま、この先アントニオといっしょに暮していきたくない。そしてこれまでアントニオと幸せな結婚生活を送ってきたという自負から、アントニオの愛を信じていたのだ、と思いました。

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