セレンディピティ ダイアリー

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オートミールレーズンクッキー & 手作りグラノーラ

2023年07月16日 | 料理

パーティの差入れで、久しぶりにオートミールレーズンクッキーを焼きました。

アメリカでは、チョコチップクッキーとならんでポピュラーなクッキー。オートミールがざくざくたっぷり入っていますが、焼き上がりは柔らかくてクチャッとした (soft & chewy) 食感です。ついつい手が伸びるおいしさで、コーヒーとの相性も抜群です。

アメリカでポピュラーな Quaker Oats というオートミールの Vanishing Oatmeal Raisin Cookies というレシピです。vanishing というのは、おそらく、焼くとオートミールが生地になじんで見えなくなるからではないか、と思います

材料がだいたい混ざった状態。この時点では、オートミールがザクザク入っているのがわかります。レシピでは、この後すぐに1枚分ずつ丸めて焼いていますが、生地を冷蔵庫で一晩寝かせて、落ち着かせてから焼くことをお勧めします。

大さじ1ずつ丸めて、オーブンシートの上に離して並べ、オーブンで焼きます。レシピに書かれている温度と焼き時間を参考に、オーブンのパワーやクセにあわせて様子を見ながら焼くのがよいと思います。

焼きあがったらラックにのせて、冷まします。焼き上がってすぐのうちは、かなり柔らかいので、あればクッキーリフターを使うと便利。フライ返しでもいいかもしれません。

全部で50枚くらい作りました。見た目は無骨ですが、素朴な風合いがアメリカのママの手作りという感じがして大好きです。焼き上がりはシナモンの香りがキッチンに広がり、幸せな気分になります。

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残ったオートミールを使って、グラノーラを作りました。レシピはこちらを参考にしました。

ミックスドライフルーツの代わりに、家にあったレーズンとドライクランベリーを使いました。かぼちゃの種は使わず、ミックスナッツを多めにしました。ココナッツとドライパイナップル、ドライマンゴーで、ハワイアングラノーラとか、組合せで色々楽しめそうです。

ミックスナッツはZipLockに入れて麺棒で砕きます。あまり細かくせず、粒がバラバラの方が、ナッツの食感が生かせるように思います。

粉類・ナッツを混ぜ、さらにオイルとメイプルシロップを混ぜていきます。オートミールはメーカーや原産地で粒の大きさが違うようなので、お好みをものを見つけられるとよいと思います。粉やオイルの種類を変えたり、蜂蜜に変えたり、どれもお好みで。

オーブンシートに広げて、オーブンで焼きます。オーブンペーパーが足りなくて、アルミホイルとあわせて使いましたが、ペーパーの方が材料がくっつかず、扱いやすいです。端の方が焦げやすいので、時々様子を見て混ぜるとよいと思います。

焼きあがったらドライフルーツと混ぜてできあがり。クランベリーの赤がかわいいです。

豆乳をかけて、バナナを並べて。おいしくいただきました。

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鼎泰豐の冷製麺 & 八沢川さんの鰻

2023年07月12日 | グルメ

箱館旅行記はしばしお休みして、最近いただいた夏の味覚です。

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この日は横浜みなとみらいで約束があり、お昼をランドマークプラザの鼎泰豐 (ディンタイフォン) でいただきました。台湾台北市で創業した小籠包の名店で、今では世界10か国 110店舗以上あるそうです。

私は銀座店他何度かいただいたことがありますが、ランドマークプラザ店に入るのは初めてです。明るく広々として落ち着いた雰囲気。他のお店同様に列ができていて、30分ほど待つとのことでしたが、それほど待たずに案内していただきました。

ランチメニューとして、麺類 or 炒飯と小籠包とのセットがあり、酸辣湯麺のセットと迷って、季節のおすすめの冷製鶏スープ麺のセットにしました。

最初に運ばれてきた小籠包。あまり熱々ではなかったですが、やけどの心配がなくてかえってよかったかも。しょうがの細切りと黒酢のたれをほんの少しつけて、あふれるスープとともにおいしくいただきました。

冷製鶏スープ麺です。夏の中華といえば、冷やし中華ですが、これは冷たいスープにつかっていて、どちらかというと冷麺に近い感じです。鶏だしの冷たいスープに細い麺。蒸し鶏を細く切ったのがたくさん。赤玉ねぎと、緑の野菜もたっぷりのっています。

緑の野菜は、水菜に似ていますが、スプラウトのようでもあり、初めて見る野菜だったのでお店のスタッフにお聞きしたところ「空心菜の新芽」とのことでした。水菜の食感に近いですが、ふわっとしていて私はとっても気に入りました。

業務用の特別ルートでしか手に入らない野菜かと思っていたところ、なんと後日イオンにあるのを見つけました。プライベートブランドだったので、イオンが独自に手掛けたのでしょうか。豆苗に続く人気スプラウトになったらうれしいです。

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また別の日、この日は自由が丘の老舗鰻屋さん 八沢川さんで、今年初めての鰻をいただきました。

鰻は都心でいただくことが多いので、八沢川さんに入るのはほんとうに久しぶりです。こちらのお店は、コロナの頃に長らく改築工事をされていて、最近再開したばかりです。新しい店舗は、明るくすっきりとした雰囲気でした。

お昼ですが、ビールも少しいただきました。小鉢はもずくの酢の物でしたが、ほんのり柚子が香り、夏らしいさわやかなお味でした。

さて、うな重が運ばれてきました。

見た目にもふっくらしているのがわかります。たれがあまり濃くないのが私好みです。お吸い物は肝吸いにもできますが、私はそれほど好きでないので、ふつうのお吸い物にしました。すっきりとした味わいでおいしくいただきました。

やや肉厚の鰻は、柔らかく、ふくよかな味わい。季節のお味をおいしくいただきました。

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おまけです。八沢川さんの帰り、自由が丘南口の BAKE CHEESE TART (ベイクチーズタルト) で久しぶりにチーズタルトを買っていきました。自由が丘店は旗艦店として BAKE the SHOP という名前に変わったようです。

自由が丘店限定の、キャラメリゼチーズタルトと、フレンチトーストチーズタルトをひとつずつ買って、シェアしていただきました。フレンチトーストの方は、学芸大学の A WORKS というお店とのコラボだそうです。

どちらもおいしかったですが、私はパリッとして香ばしいキャラメリゼが気に入りました。

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箱館奉行所 ~ 五稜郭タワー ~ 函館麺厨房あじさい

2023年07月10日 | +函館

函館旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.函館ひとり旅 ベイエリアから元町へ
2.暮れなずむ元町 ~ 函館の夜景
3.函館朝市の風景 ~ 紅葉の五稜郭

五稜郭の城塞の縁を一周した後、最後に箱館奉行所の中に入りました。

幕末の黒船来航を機に、北の玄関口として開港した箱館。箱館奉行所は、北の防衛拠点として設置された江戸幕府の役所で、当初は (先日夜景を見た) 箱館山の麓に置かれましたが、その後、五稜郭の築造にあわせて移転しました。

1864年に完成し、箱館戦争後の1871年に解体。わずか7年だけ存在した奉行所ですが、2010年に可能な限り当時の材料・工法を使って、約1/3の規模で復元されました。中庭を囲んで畳のお座敷が続き、パネルや映像で、歴史や復元の解説を見ることができます。

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五稜郭公園を出てから、今度は五稜郭を上から見てみようと、すぐ隣にある五稜郭タワーを上ってみることにしました。

展望台からの眺めです。この角度からだと横長の五角形に見えますが、真上から撮影した写真を見ると、ほぼ正五角形です。当時の築造技術に驚きます。

五稜郭の横の道路に点々と続く黄色い銀杏並木。

西の方の眺め。函館湾の向こうに対岸が見えます。

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五稜郭タワーを下りてから、目の前の 函館麺厨房あじさい 本店で、名物の函館ラーメンをいただくことにしました。こちらのお店は函館駅にも入っていて、いつも行列ができていて気になっていましたが、後から函館ラーメンの有名店で、五稜郭に本店があると知りました。

この日も列はできていたものの、お店が広いので比較的すぐに席に案内していただきました。

初めてのお店なので、看板メニューの ”味彩塩拉麺” をいただきました。函館ラーメンといえば塩が定番のようですが、醤油、味噌、つけ麺、ワンタン麺、五目麵など、ひと通り揃っていました。

細麺に透明度の高いスープ。トッピングは叉焼、なると、ねぎ、ゆでたまご、麩、メンマ、貝割れ等。あっさりとした塩ラーメンが好きな私には、好みのお味でした。

昆布や鶏ガラなどを使ったあっさりしながらもコクのあるスープ。細麺ながら量は多く、見た目以上にボリュームがありました。胡椒以外のシーズニングがいろいろあって、味変させながらおいしくいただきました。

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函館朝市の風景 ~ 紅葉の五稜郭

2023年07月09日 | +函館

函館旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.函館ひとり旅 ベイエリアから元町へ
2.暮れなずむ元町 ~ 函館の夜景

2日目は、前回 (といってもだいぶ昔ですが) 函館旅行の時に行きそびれた、五稜郭を訪れることにしていました。

ホテルは函館朝市のすぐ近く。といっても、ひとりでお店をまわるのは気が進まず、朝から海鮮丼という気分にもなれなくて、旅行の間、前を素通りして終わってしまいました。

五稜郭には、函館駅前から五稜郭公園前まで、市電に乗って行きました。函館滞在中は市電をよく利用しました。2両だけの小さな乗り物ですが、なんとPASMOも使えます。レトロな味わいがあって、旅情をかきたてられました。

二の橋をわたって、星の形をした城塞の中へ。

桜の名所として知られる五稜郭ですが、私が訪れた時はちょうど紅葉の時期でした。

桜並木の紅葉が圧巻でした。

(この後に上った五稜郭タワーから撮った写真。手前に見えるのが二の橋です)

五稜郭は、箱館開港時に設置された箱館奉行所を移転する際、防衛目的で築造された日本で初めての西洋式の城塞です。戊辰戦争最後の戦いである箱館戦争では、榎本武揚率いる旧政府軍の最後の砦となりました。現在では五稜郭公園として整備されています。

箱根奉行所は、箱館戦争終結後に解体されましたが、2010年に復元されました。

壕に沿って城塞の縁はこんもりと高く、歩けるようになっていました。せっかくなのでぐるりと一周散策してみました。

どこもかしこもため息の出るような美しい風景でした。早い時間だったからか、私がもの好きなのか、城塞の縁を歩く人の姿はほとんどなく、このすばらしい風景を独り占めでした。

向こうに見えるのは、展望台のある五稜郭タワーです。

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暮れなずむ元町 ~ 函館の夜景

2023年07月05日 | +函館

函館旅行記の続きです。前回の記事はこちら。

1.函館ひとり旅 ベイエリアから元町へ

カトリック元町教会からさらにチャチャ登りとよばれる細い急こう配の坂道を上ると、目を引く個性的な教会がありました。

函館聖ヨハネ教会です。上から見ると十字の形となっていますが、モダンな建物ですね。

そのすぐ横の建物は、どうやら結婚式場のようですが、ライティングが華やかでとてもきれいでした。一本だけある紅葉の木がキラキラと輝いていました。

チャチャ登りから見下ろすとこんな感じ。この構図も、どことなくユトリロの絵を思わせます。街並みの向こうに海が見えました。

大三坂の紅葉。すてきな坂道です。

違う角度からパチリ。こちらが入口となっていました。

すぐ近くにあるすてきなギャラリー。ステンドグラスがきれいでした。

そのまま二十間坂をぶらぶら歩いて下りて、再びベイエリアに着く頃には、日がとっぷりと暮れていました。

赤レンガの、はこだて明治館。中はおみやげ屋さんなどが並ぶショッピングモールとなっています。建物を一面覆う蔦がライトアップされていて、燃えるような赤がとてもきれいでした。

明治館の向かい側から函館山登山バスに乗って、夜景を見に函館山の山頂へと向かいました。函館山頂へはロープウェイもありますが、この日は動いていませんでした。

ロープウェイは山麓の乗り場がわかりにくいし、バスは駅前まで延びているので、個人的にはバスの方が便利と思いました。街を縫うように走るので、地理を覚えるのにちょうどよかったです。

バスが山道をうねうね上っていくと、木々の切れ目からその都度美しい夜景がちらりと見えました。そしていよいよ山頂へ。写真がぼやっとして美しさが存分にお伝えできないのが残念ですが、すばらしい夜景でした。

展望台に上ると、さらなる遠くまで見渡せました。

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函館ひとり旅 ベイエリアから元町へ

2023年07月04日 | +函館

毎度のことながら、記事にするのがすっかり遅くなってしまいましたが、昨年の11月の連休にお休みをつけて、3泊4日で函館にひとり旅に行ってきました。だいぶ時間が経ってしまいましたが、思い出しながら少しずつ旅行の記録を残していきたいと思います。

羽田空港のパワーラウンジでひと休み。空港の風景は、旅の気分を高揚させてくれるので大好きです。のんびりラテを飲んでいたら、ゲートが変更になったとスマホに連絡がありました。昔はこういう時、いつもピリピリして放送に耳を傾けていましたが、便利になりましたね。

函館の第1日目は雨でした。空港からバスに乗って街中へ。ホテルは駅に近い 東急ステイ函館朝市 灯りの湯 にしました。まだできて1, 2年という新しいホテルで、ワーケーションにも対応し、キッチンに食器、電子レンジ、乾燥洗濯機までついていました。上階には温泉も。

今回は1週間後に試験を控えていて、勉強道具も持っていたので、机があって助かりました。上の写真はお部屋からの眺め。停泊しているのは1988年に廃止となった青函連絡船の摩周丸で、今は博物館となっています。

ひと休みしたら雨もようやく上がったので、赤レンガ倉庫の立ち並ぶベイエリアに向かって散歩しました。明治時代の赤レンガ倉庫といえば横浜にもありますが、港町の情緒があって絵になります。

中はこんな感じのショッピングモールになっていますが、天井が高く横浜よりもゆったりとした造りです。

函館を訪れるのは2度目ですが、今回気がついたのは洋風と和風のハイブリッド住宅があちこちに見られたこと。港町函館は西洋文化の影響を受けつつも、和風の生活様式がまだ残っていて、このような独自の建築スタイルになったとか。でも不思議と違和感を感じませんでした。

どことなくユトリロっぽい構図だなーと思ってパチリ。雪が積もった白い風景も見てみたい。

どこに行ってもスタバあり。赤レンガではありませんが、板張りの倉庫風の造りで、周囲の景観にマッチしていました。

ベイエリアから元町エリアへ。大三坂を上ります。横浜、神戸、長崎、そして函館。港町はなぜか急な坂道が多い。

新しそうですが、アールデコ調のすてきな建物。

紅葉がきれいでした。左のペパーミントグリーンの建物も、和洋折衷住宅ですね。

坂をさらに上って... 暗くなる前に、カトリック元町教会に着きました。大火などで何度か再建され、現在の建物は1923年に建てられたそうです。柔らかくライトアップされ、荘厳な佇まいに心が洗われました。

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レジェンド・オブ・フォール / アトランティスのこころ / ジョーズ

2023年07月02日 | 映画

NETFLIX で見た映画3作品です。

レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い (Legends of the Fall) 1994

第1次世界大戦前後のモンタナの大自然を舞台に繰り広げられる壮大な人間ドラマです。主人公トリスタンを演じる若きブラッド・ピットのなんと美しいこと。トリスタンの、何ものにも束縛されない、でも筋の通った生き方が、まぶしかったです。

文芸作品の香りがあって、モンタナを舞台にしていることもあり、同じくブラッド・ピット主演の「リバー・ランズ・スルー・イット」を思い出しました。この頃のブラッド・ピットが、私は一番好きかもしれません。

アンソニー・ホプキンズが演じる父親の堂々とした佇まい。自らの戦争体験から反戦思想を持ち、人種的偏見をもたない彼は、当時かなり先進的だったのではないでしょうか。そしてその思想を3兄弟の中でもっとも強く受け継いでいたのがトリスタンでした。

誰もが愛さずにはいられないトリスタン。でもなぜか、彼が愛する人たちが、ことごとく不幸に巻き込まれてしまうことに、運命の残酷さを思いました。そしてトリスタン自身が、そのことに誰よりも傷ついていることに、胸がしめつけられました。

アトランティスのこころ (Hearts in Atlantis) 2001

父を亡くした少年の家の新しい下宿人は、謎めいた雰囲気の優しい老人。やがて少年は、老人が不思議な力を持っていること、そしてその力のせいで危機にさらされていることを知る。(NETFLIXより)

映画を見ながら、スティーヴン・キングっぽいな...と思ったら、やはりそうでした。冷戦時代のアメリカの田舎町を舞台にした、少年の成長物語であり、少年と老人の年齢を超えた友情の物語であり、SFやサスペンスの要素もあっておもしろかったです。

育児放棄の母親と暮らす孤独な少年ボビーを演じるのは、子役時代のアントン・イェルチン。 賢くて、優しくて、勇気のある男の子。繊細な心の動きを自然に表現するアントンの、愛らしい演技に引き込まれました。

アンソニー・ホプキンズ演じる老人は、目立たないようにそっと暮らしていますが、彼が持つ特殊な能力によって、ボビーをさまざまな場面で助けます。知的な老人テッドの、すべてを達観したようなあきらめと哀しみ、時折見せる凄みに圧倒されました。

ジョーズ (Jaws) 1975

今さら説明の必要のない、スピルバーグ監督の1975年の出世作であり、大ヒット映画です。これまで何度もテレビ放映されていたのに、ただのパニック映画だと思って敬遠していたことを後悔するくらい、さまざまな示唆に富んだすばらしい作品でした。

一方、スピルバーグ監督の自伝的映画「フェイブルマンズ」を見た今だからこそ、スピルバーグの映画作りの原点とつながって、より興味深く見ることができたので、結果としてはちょうどいい機会だったのかもしれないとも思いました。

また、特徴のある薄墨色の家並みをひと目見てケープコッドとわかりましたが、後から本作品がケープコッド沖のマーサズ・ヴィニャード島で撮影されたことを知り、懐かしいアメリカ生活の思い出とともに、この映画が私にとって特別な作品となりました。

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市長が人命よりも経済を優先したために、最悪の事態を招いてしまったこと。腕力に自信のある鮫ハンターでも、頭脳に自信のある鮫博士でもなく、その場で一番冷静だった消防署長?が鮫を仕留めたこと。いろいろ含蓄がありました。

CGのない時代なので、鮫もおもちゃのような作りですが、背びれとジョン・ウィリアムズの2音だけの音楽で、これだけの恐怖を表現できるなんて。海からざば~っと鮫が口を開けて現れるシーンでは、思わず叫び声をあげてしまいました。

パニック映画は前半のパートだけで、海に出てからの後半のパートは、鮫を相手に「白鯨」を思わせる壮大なアドベンチャー映画となっていたのも、意外なサプライズでした。

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