セレンディピティ ダイアリー

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山本基|時に宿る - Staying in Time -

2023年05月28日 | アート

ランチの後、天王洲の YUKIKOMIZUTANI (TERADA ART COMPLEX II) で開催された、山本基さんの個展「時に宿る - Staying in Time -」を見に行ってまいりました。展覧会は5/6に終了しましたが、遅ればせながら記録を残しておきます。

山本基さんは、塩を使ったインスタレーション作品で国際的に活動されている、現代美術のアーティストです。私は、2015年に銀座の POLA MUSEUM ANNEX で山本さんの作品に初めて出会って深い感銘を受け、以来心に留めています。

今回は、コロナ下の2020年に THE GINZA SPACE で開催された土屋仁応さんとのコラボ展以来の作品展ということで楽しみにしていました。 これまでの山本さんの世界を継承しつつ、素材や表現に広がりが感じられ、発見に満ちた作品展でした。

かわひらこ(Butterfly)2023 Acrylic paint on panel

時を纏う(Shrouded in Time)2023 Acrylic paint on mirror

たゆたう庭(Floating Garden)2022 Acrylic paint on canvas

これまでの塩を使ったインスタレーション作品が、色彩を施したパネルやキャンバス、鏡の上に展開し、垂直に展示されていたので、え?!と驚きました。塩に糊を混ぜて固めているのかしら...?と不思議に思って、後でギャラリーのスタッフにお聞きしましたところ

アクリル絵具にガラスの粉末を混ぜたものを絞っているそうです。アクリル絵具だけでなく、ガラスの粉末を混ぜることで、塩で制作した時と同じくらいの立体感を出すことができるのだそうです。

塩の時には、お好み焼き屋さんが使うプラスティックの油さしを使って絞り出しているとお聞きしていましたが、今回はその油さしの小さい版を特注して絞っているとお聞きし、その油さしも見せていただきました。^^

塩を使ったインスタレーションは、いつも展示最終日に山本さんがボランティアの方たちとともに回収し、海に還すというプロジェクトをされています。閉展とともに消えてしまう、その儚さも魅力ですが、一方で常に飾っておけるアートもまた魅力的ですね。

時を纏う(Shrouded in Time)2023 Acrylic paints, natural pigments on wooden panel

横 8.5m ある大迫力の作品

時を纏う(Shrouded in Time)2022 Acrylic paints, crystal glass

1辺 8㎝ のクリスタルに施されたオブジェ

さくらしべふる(Sakura Shibefuru - Falling cherry petals)2023 installation (salt)

塩を使って散り降る桜の花びらを表現したインスタレーション。チェリーレッドの床が、山本さんの作品としてはめずらしく新鮮に感じられました。どのように作られたのか、気になってこれもスタッフにお聞きしましたところ

桜の花びらの形のクッキーの抜型のようなものを作り、そこに塩を絞り入れて作られているのだそうです。1枚1枚ていねいに仕上げられていますが、塩のわずかな厚みの違いで唯一無二の花びらとなっているのがすばらしい。

中心にいくほど、花びらが幾重にも重なっていて、そこには見えない木の存在を感じました。

時に宿る(Staying in Time)2023 digital drawing

別室に展示されていたデジタル・ドローイング。渦の模様がレリーフ全体を少しずつ埋めていき、すべて埋めつくされると、今度は時間がさかのぼって渦の模様が少しずつ消えていく、ということが繰り返されます。渦の模様が等高線のように見えました。

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T.Y.HARBOR(2023・初夏)

2023年05月27日 | グルメ

だいぶ間が空いてしまいましたが、GWの続きです。この日は天王洲で見たい展覧会が2つあり、アートギャラリーのはしごをしてきました。その前に、運河沿いにあるお気に入りのビアレストラン T.Y.HARBOR でお昼をいただきました。

人気があるお店なので事前に予約しておいた方がベターですが、この日は早めの時間に訪れたので、バーコーナーであれば予約なしにすぐに席に着くことができました。

【過去記事】T.Y.HARBOR (2022-01-12)

ブリュワリー (ビールの醸造所) が併設されているので、天井が高くて広々としています。アメリカンなカジュアルな雰囲気が心地よい。

クラフトビールのおいしいお店ですが、天王洲には車で出かけることが多いので飲めないのが悩ましい。この日はノンアルコールのドリンクから、私は左のブラッドオレンジレモネードをいただきました。

右はシックスブレンデッドジンジャーエール。ハウスメイドのジンジャーエールは、スパイスがぴりりと効いて大人の味わいです。

サンドウィッチを2つオーダーしてシェアしていただきました。こちらは、バターミルククリスピーフライドチキンサンド、デーヴィッドスペシャルソース。併設されたベーカリーのパンがおいしい。チキンも柔らかくてジュ―シィで最高です♪

スパイシーフライドフィッシュタコス、スイートマンゴーサルサとコリアンダー。ボリュームたっぷりでびっくりしました。タコスというと挽肉やチキンであることが多いので、お魚のフライというのが珍しい。

ぴりっとスパイスの効いたタコスに、マンゴーを使ったスイート&スパイシーなサルサが新鮮な味わい。ソースがこぼれないように気をつけながら、がぶりと豪快にいただきました。

空はすっかり初夏の様相でした。時々自家用ボートやクルーザーでやってくるお客様もいらして、リゾート気分が味わえるお気に入りのお店です。

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亀戸天神の藤

2023年05月14日 | おでかけ

すみだ北斎美術館を訪れたら、あわせて行きたい場所がありました。浮世絵にも描かれている、亀戸天神です。すみだ北斎美術館から、歩いて30分ほどのところにあります。

ちょうど藤の花の季節でもあり、広重の絵でよく知られている、あの光景をこの目で見ることができる!と楽しみにしていたのですが...

残念ながら、藤の花はほとんど終わってしまっていました。あと1週間早く来たら、満開の藤を見ることができたかもしれません。それでも一応、藤まつりの期間だったので、たくさんの参拝客でにぎわっていました。

わずかに咲き残った藤の花も愛でることができました。

藤棚に八つ橋、池、水鳥。絵になる風景を見ることができて感激しました。

亀戸天神は、菅原道真公に由来する神社で、梅の木もたくさんありますが。梅以上に藤の花で、よく知られています。本殿をお参りする長い列ができていました。

浮世絵に登場する太鼓橋。広重の絵にあわせて、後から作り直されたものと思いますが、有名な太鼓橋を見ることができて大満足でした。次回は藤の花の開花状況をよく調べて、再チャレンジしようと思います。

***

せっかくなので、浮世絵に描かれている亀戸天神をあわせてご紹介しますね。いつかこの風景を見てみたいです。

歌川広重「亀戸天神境内」

亀戸天神の藤といえば、やはり広重の作品が真っ先に思い浮かびます。

川瀬巴水「亀戸の藤」

川瀬巴水は大正・昭和に活躍した浮世絵師。私も大好きな画家です。

葛飾北斎「かめゐど天神たいこばし」

藤はありませんが、北斎が描いた亀戸天神です。

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北斎バードパーク

2023年05月13日 | アート

GWは都内でのんびりすごしていました。偶然ながら美術展に3回訪れる機会があり、アート三昧の休暇となりました。お天気のよかったこの日は、チケットをいただいて、初めてすみだ北斎美術館に行ってまいりました。

最寄り駅は両国ですが、あまりなじみのないエリアとあって、乗り過ごして錦糸町まで行ってしまいました。^^; 2016年に開館した時から気になっていた美術館ですが、ようやく訪れることができました。

インパクトのある建築は、SANAAの妹島和世さんの設計です。写真を見た時には大きい建物だと思っていましたが、意外とこじんまりとした美術館でした。

さて、この日の企画展は「北斎バードバーク」です。風景画の作品で知られる北斎ですが、本展は花鳥画を中心とした展覧会。リアルで細密な描写はボタニカルアートの趣があり、サイエンティフィックな世界に引き込まれました。

鵙(もず) 翠雀(るり) 虎耳草(ゆきのした) 蛇苺(へびいちご)

文鳥(ぶんちょう) 辛夷花(こぶし)

鵙(いすか) 小薊(おにあざみ)

「北斎漫画」三編 風鳥(ふうちょう)ほか

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また、楽しかったのが、飯島虚心の「葛飾北斎伝」に登場するエピソードを再現したインスタレーションです。

11代将軍・徳川家斉の御前で、席画を描くことになった北斎は、長い紙に藍色の帯を描いて川とし、そこに足に朱肉をつけた鶏を放って、点在する足跡を紅葉に見立て「竜田川の紅葉でございます」と答えたとのことです。

それを現代に再現したところを映像に収め、できあがった作品とともに展示していました。

美術館に設えられた三角形の窓は、計算されたアングルなのか、ちょうど正面にスカイツリーが見えました。

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豊洲場外食堂魚金

2023年05月06日 | グルメ

映画を見たのは、久しぶりのららぽーと豊洲。お昼をいただくのに、レストランエリアをうろうろしましたが、ららぽーと豊洲はとにかく広大で、たくさんお店があって迷いました。

最終的に、夫が前に来た時に気になっていたという「ららぽーと3」1階の豊洲場外食堂魚金に入ることにしました。人気のお店で5,6組待っていましたが、ほどなくして席に着くことができました。

こちらのお店は、お魚がおいしくて人気の居酒屋 魚金さんの系列で、以前新橋のお店に連れていってもらったことがありますが、こちらは豊洲という場所柄、お昼はお寿司を中心に、お魚の定食がいただけます。

私は鯛のかぶと煮が気になったのですが、平日のみの提供だそうで、にぎりの10貫セットをいただくことにしました。

ショッピングセンターの中のお寿司屋さんということで正直あまり期待していなかったのですが、まずは見た目の美しさにわ~っと感激しました。寿司下駄が細身の横長で、お寿司が一列に並んでいるのがスタイリッシュです。

ねたもおいしく、しゃりは人肌で量が多すぎず、口に入れた時にほろりと崩れるほどの柔らかさが私好みでした。おしょうゆ皿がありますが、ねたとしゃりに軽く味がついていて、そのままいただけるというのがうれしい。最近のお寿司のトレンドですね。

口に入れるととけるほどに柔らかい茶碗蒸しも、ほっとする味わいでおいしかったです。

こちらは、一番人気の極上海鮮どんぶりです。見た目がよくある海鮮どんぶりとまったく違うので(メニューに写真がついていたとはいえ)とまどいました。ごはんの上にのっているのは、マグロ、サーモン、いか、たこ、いくらなどなど、さまざまな海の幸が10種類くらい

たたきの状態でのっています。見た目はう~ん、という感じなのですが、いただくとさまざまな海の幸が交ざり合って、絶妙なお味のハーモニーとなっています。上のたたきがほぼなくなったところで、右上のお刺身をのせてスタッフに声をかけると

おだしを持ってきてくださいます。おだしをかけて、二度楽しめるどんぶりです。おさしみをのせて、だしをかけていただく食べ方に、愛媛の宇和島鯛めしを思い出しました。

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AIR エア

2023年05月05日 | 映画

ナイキの伝説的なバスケットボール・シューズ「エア・ジョーダン」の誕生物語です。

AIR エア (Air)

お仕事系の映画が好きなので楽しみにしていた本作。早速見に行ったのですが、例によって記事にするのがすっかり遅くなってしまいました。予告を見た時から傑作の予感がしていましたが、期待通りにおもしろかった! 見た後にさわやかな感動が残る作品でした。

監督がベン・アフレックということもあって、ストーリーはまったく違いますが「アルゴ」のテイストに通じるものがありました。まじめな内容なのに、テンポがよくて、ユーモアがあって。ベン・アフレックのユーモアのセンス、大好きです。

また本作は、ベン・アフレックの親友マット・デイモンが主演していて(グッドウィル・ハンティングのコンビ!)そのこともうれしかったです。

マイケル・ジョーダンのマネージャーの口の悪いところが、ボストンっ子のベンが考えたセリフに違いなく、そんなところも、にやにやしながら見ていました。

本作はナイキの創業の物語でも、マイケル・ジョーダンのサクセスストーリーでもなく、あくまで「エア・ジョーダン」の誕生物語。そのことにフォーカスしていたのもよかったです。

マイケル・ジョーダンをブランドにしたバスケットシューズですが、当のマイケル・ジョーダンは本作ではほとんど登場しません。その代わり、鍵を握る人物は、マイケル・ジョーダンの母親です。演じるヴィオラ・デイヴィスはさすがの存在感でした。

当時、まだ高校生選手だったマイケル・ジョーダンの才能を見出し、会社の反対を押し切ってマイケル・ブランドのシューズを作ることを推し進めたナイキのソニー(マット・デイモン)。同じく息子の才能を信じる母親は、ソニーの申し出を受けるにあたって

契約金額以外に、シューズ一足あたりのロイヤリティを支払うことを条件にします。こうしたロイヤリティ契約の火付け役となったのが、エア・ジョーダンだったという事実も興味深かったです。結果的にはエア・ジョーダンは、ナイキを代表するヒット商品となりました。

ソニーがマイケル・ジョーダンの母親を説得するためにノース・カロライナにロングドライブで向かうシーン。映画を彩る80年代のアメリカンポップスの数々。冒頭のざらっとしたフィルムライクな映像など、どれも私のツボにはまってきゅんきゅんしました。

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