セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

買ってよかった2024

2024年12月31日 | 日々のこと

今年もあとわずかとなりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

Xで「#買ってよかった2024」というハッシュタグを見つけたので、私も便乗して、今年買ってよかったと思うものをご紹介します。

SPINGLEのカンガルーレザースニーカー

SPINGLEは広島発の国産スニーカーブランドです。11月に京都を旅行した際、建仁寺から高台寺に向かう途中で偶然こちらのお店を見つけました。温かみのあるデザイン、柔らかく手触りの良い革、そして抜群のフィット感にたちまち虜になりました。

普段はパンプスばかり履いている私ですが、週末用にスカートに合う、あまりスポーティではないスニーカーを探していたところだったので、この一足はまさに理想的でした。すっかりお気に入りのアイテムです。

シャープのヘアドライヤー

2008年から使っていたドライヤーが異音を発するようになり、ついに新しいものに買い替えることにしました。量販店で下見をした後、ネットで調べてみたところ、ひとつ前の型が手頃な価格になっていたため、購入を決めました。

このドライヤーにはビューティモードという機能があって、温風と冷風を交互に切り替えながら乾かすことで、さらさらでまとまりのある仕上がりにしてくれます。

これまで雨の日には髪がうねってしまい、まとまらずに悩んでいましたが、技術の進歩はすごいと感動しました。パールピンクのデザインも愛らしくて大満足です。

GOLD PFEILの長財布

長年使っていたお財布がくたびれてきたため、新しいものを探していました。長財布で小銭入れがついていること、カード収納スペースが最低8枚分あるものを探しながらも、なかなかこれといったものが見つからずにいましたが

ふと「ゴールドファイル」を思い出してサイトをチェックしてみたところ、理想にぴったりのものが見つかりました。薄型で洗練されたデザイン、そしてクラシックなバーガンディ色がとても気に入っています。

NARSのリップ

これは以前の記事でもご紹介したリップです。色の名前はDOLCE VITA。フェデリコ・フェリーニの「甘い生活」と同じ名前に惹かれました。

これまで使っていたリップははっきりとした色合いが多かったので、ヌーディーカラーで、しかもリキッドタイプのリップというのは、私にとって画期的でした。使い心地が良く、気に入っています。

LIONの美白歯磨き Lightee(ライティー)

トム・クルーズのような真っ白な歯ではなく、ナチュラルな白さを目指してさまざまな歯磨きを試していた中で、この商品にたどり着きました。

普段から歯ブラシ2種類、歯間ブラシ、フロスを併用している私ですが、どれもLIONの製品を愛用しているため、この歯磨きも信頼感がありました。まだ使い始めたばかりで効果のほどはわかりませんが、使用感が良く、今後の変化が楽しみです。

***

今年も拙ブログにおつきあいくださり、ありがとうございます。これをもって今年のブログ納めといたします。みなさまどうぞよいお年をお迎えくださいませ。

コメント (6)

ビヤホールライオンと、銀座のクリスマスイルミネーション

2024年12月30日 | グルメ

気がつくと、国立科学博物館は閉館時間の午後5時を迎えていました。閉館とともに外に出ると、あたりはすっかり真っ暗。少し歩き疲れたこともあり、軽くお茶でも飲んで帰ろうと話していましたが、計画を変更して銀座のライオンでビールを飲むことにしました。

クリスマス前の週末とあって銀座は大賑わい。ライオンの前にも列ができていましたが、それほど待たずに中に入ることができました。

まずはジョッキの生ビールで乾杯。お昼の量が多かったため、おつまみは軽めに2、3品だけ注文しました。手前にあるのは「LIONあらびきソーセージ」。添えられたザワークラウトも絶品です。

奥に見えるのは「燻りがっこと大根の和風サラダ」。さっぱりしていて、とてもおいしくいただきました。

エスカルゴ用の器に入っているのは「つぶ貝のガーリックバター焼き」。アヒージョ風のオーブン焼きで、熱々の状態を薄切りバゲットにのせて、はふはふしながらいただきました。これも最高でした!

ビヤホールライオン銀座七丁目店は、創業明治32年の日本最古のビヤホールで、東京都の指定文化財にもなっています。ドイツのビヤホールを思わせる重厚なれんが造りの壁やアーチ型の天井、さらに麦の収穫を描いた繊細かつ壮大なモザイク画も圧巻です。

いい気分になった後、少しだけ銀座の街を歩きました。写真左に見える建物は「銀座イグジットメルサ」。カラフルに少しずつ変化するイルミネーションが印象的でした。

四丁目交差点の「和光」。時計塔がグリーンにライトアップされています。

「和光」のウィンドウディスプレイは、いつ見ても楽しいです。この時期はクリスマス向けに、和光の時計塔の数字をいたずらする二匹のモンスターをテーマにした、ちょっぴりファンタジーな演出でした。(12月27日からはお正月向けのディスプレイに変わっています。)

「ミキモト」のイルミネーションは、パステルカラーで華やかさの中に柔らかさを感じました。

東京メトロ構内の「松屋銀座」のディスプレイは、青森県のねぷたとのコラボレーションでした。子ども向けのキュートなディスプレイです。

コメント (4)

「鳥」展 @国立科学博物館

2024年12月29日 | おでかけ

上野広小路の「厳選洋食さくらい」で昼食を楽しんだ後、上野の国立科学博物館(通称:科博)で開催中の「鳥」展を見に行きました。

鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統

科博を訪れるのは久しぶりです。本展では、鳥の起源とその進化の過程が紹介され、さらにゲノム解析による最新の研究成果に基づいた進化系統仮説をもとに、貴重な鳥の標本が数多く展示されています。

生きている鳥ではありませんが、“動かない”鳥だからこそ、その形態や大きさをじっくり観察でき、また、同じ仲間の鳥たちが一堂に展示されているため、比較しながら見ることができました。

600点以上の標本を集中して見て歩くのはなかなか大変でしたが、動物生態イラストで人気のぬまがさワタリさんのイラストによる解説が楽しくわかりやすく、最後まで飽きることなく鑑賞できました。

会場は、展示映像や一部の写真を除いて撮影自由でした。展示の一部を撮影した写真とともにご紹介しますね。

「カモやキジの仲間」のエリアにて。子どもが小さかった頃、井の頭公園の池で冬鳥の観察をしたことを懐かしく思い出しました。このコーナーには比較的身近な鳥が多く、親近感を覚えながら見ることができました。

「陸鳥や水鳥の仲間」のエリアにて。カッコウの托卵に関する展示が興味深かったです。カッコウは托卵する相手の種がそれぞれ決まっており、相手の卵に似た色や模様の卵を産むようになる、という事実に、生存本能の神秘を感じました。

ハトが日本画と西洋画を見分けられる、というスキナー箱を使った実験も面白かったです。広重の浮世絵とゴッホの風景画をそれぞれ細分化してバラバラに組み合わせた絵を見せて学習させると、ハトは広重とゴッホの絵を正確に見分けられるようになるそうです。

全部で18種類いるペンギンのうち、10種類以上が大集合していました。子どもが小さい頃(今でも)ペンギンが大好きで、学校の課題でよく一緒に調べて発表したことを懐かしく思い出しました。

空を飛ぶ鳥としては最大級のアホウドリ。長距離を飛び続けることができることで知られています。ガラパゴス諸島を旅行した時に、ガラパゴスアホウドリの求愛ダンスを見たことが懐かしく思い出されます。

チドリなどの小型水鳥の仲間。立ち姿が凛としていて、とても美しいです。

インドガンとアネハヅルはヒマラヤ山脈を越える渡り鳥です。彼らは呼吸システムが優れているだけでなく、酸素濃度が低い8,000メートルの高さを飛んでも高山病にならないよう、血液中のヘモグロビンが進化しているのだそうです。

空を飛ぶワタリアホウドリ

ガラパゴス諸島に生息するダーウィンフィンチの展示も興味深く鑑賞しました。彼らは食物に応じて種ごとに異なる嘴の形や体の大きさを持ち、ガラパゴス諸島で15種に分化したことが確認されています。同様の現象は、ハワイやマダガスカルなどの島々でも見られるそうです。

コメント (8)

厳選洋食さくらい @上野広小路

2024年12月27日 | グルメ

先週末は招待券をいただいたので、上野の国立科学博物館へ行ってきました。その前に、上野広小路にある「厳選洋食さくらい」で洋食ランチを楽しみました。

予約をしていなかったため、入口で3組ほど待つことになりました。お店の入口は建物の7階にあり、店内の階段から8階へつながっています。

予約のある方は7階に案内されているようでしたが、私たちは8階に通されました。8階の方がゆったりとしていて、落ち着けると感じました。

洋食屋さんといえば、レトロな雰囲気のお店が多いですが、こちらはモダンなインテリアで、清潔感がありました。レジのところに生花のバラが飾られていたのもすてきでした。

メニューには、伝統的な洋食がずらりと並んでいました。煮込み料理が好きな私は「ビーフシチューセット」を選び、夫はいろいろな洋食を少しずつ楽しめる「洋食コース」にしました。

こちらは洋食コースの「小さな前菜三点盛り」です。左から鶏ハム、茄子のマリネ。右は忘れてしましました...。

こちらは私のセットのサラダとスープです。

洋食コースの「ロールキャベツ」です。ロールキャベツは私の大好物ですが、久しぶりにいただくことができてうれしかったです。

洋食コースの「ホタテと野菜のガーリック焼き」です。写真はアップで撮っていますが、小さなココットに入っていました。ラタトゥイユ風で、特にレンコンのシャキッとした食感が楽しめました。

こちらは私の「ビーフシチュー」です。ほろほろと柔らかく煮込まれたビーフは絶品で、時間をかけて作られたであろうことに贅沢な気分を味わいました。添えられたパンもおいしかったです。

洋食コースの「ハンバーグ(デミグラス)&カニクリームコロッケ」です。カニクリームコロッケの代わりに海老フライを選ぶこともでき、夫はかなり悩んでいました。

ジューシーなハンバーグは、洋食屋さんならではのおいしさでした。

洋食コースの「オムライス(トマトケチャップ)」です。写真では伝わりにくいかもしれませんが、卵1.5個分くらいのミニサイズで、かわいらしいオムライスでした。

オムライスのほかに、チキンカレーやハヤシライスも選べます。また、ソースはデミグラスとトマトケチャップの2種類から選べるのですが、夫はハンバーグがデミグラスだったので

オムライスにはトマトケチャップを選びました。トマトケチャップも手作りでしょうか。まろやかで、とてもおいしかったです。

こちらは洋食コースの「デザート」です。パンナコッタとりんごのコンポート、手前にあるのはチョコレートタルトです。コーヒーといっしょにシェアしていただきました。

このお店をとても気に入ったので、またぜひ訪れたいと思いました。私は次回、ナポリタンをいただきたいと思っていますし、夫はコースではなくセットで一品をじっくり味わいたいそうです。

コメント (6)

グラディエーターにまつわるウソとホント

2024年12月19日 | +映画のよもやま

リドリー・スコット監督の名作「グラディエーター」の続編「グラディエーターII」が現在劇場上映されています。私は2011年に前作を見て、人間ドラマに大いに引き込まれたのですが、戦闘場面の残虐描写は苦手で、そこだけ早送りしてしまいました。

【過去記事】グラディエーター (2011-01-21)

そんなわけで、今回の「グラディエーターII」も劇場に見に行くのは躊躇しているのですが、予告で見た、コロッセオを海戦の場に仕立てる大胆な発想には度肝を抜かれました。

そんな折、ナショナルジオグラフィックに掲載されていた記事がとてもおもしろかったので、編集してご紹介させていただきますね。

コロッセオで海戦が行われた? グラディエーターのウソとホント4選

1.グラディエーターは愛称で呼ばれていた

古代ローマでは、グラディエーターたちは親しみを込めた愛称で呼ばれていました。たとえば、映画『グラディエーター』の主人公マキシマスも「スペイン人」と呼ばれていましたね。

グラディエーターはそれぞれ独自の戦闘スタイルや武器を持ち、ファンも多かったそうです。中には女性に大人気のグラディエーターもおり、ポンペイの遺跡には彼らへの熱烈なファンの落書きが見つかっています。

2.グラディエーターはプロのアスリートだった

一般的なイメージとは異なり、グラディエーターは養成校で訓練を受けたプロのアスリートでした。

犯罪者や捕虜が死ぬまで戦わされるという話は誤解で、特に人気のあるグラディエーターは次々と試合に出場して活躍しました。彼らは、現代のスポーツ選手のような存在だったのです。

3.コロッセオでの海戦

「グラディエーターII」では、コロッセオに水を張り、サメが泳ぐ中で軍艦同士が戦うという大胆なシーンが描かれています。実際に、コロッセオ以前の時代に模擬海戦を行った記録が残っています。

ただし、コロッセオで同様の海戦が行われたかどうかについては、専門家の間で意見が分かれています。

4.古代ローマは多様な社会だった

「グラディエーターII」には、さまざまな地域から来た人々が登場しますが、これは史実にも基づいています。

発見された遺骨のDNA鑑定から、古代ローマにはアフリカや中東、ヨーロッパなど世界各地からの人々が暮らしていたことが明らかになっています。ローマは国際的で多様性に富んだ社会だったのです。

***

映画を通じて古代ローマの真実に思いを馳せるのも楽しいですね。

コメント (12)

奈良・十津川村(2024・夏)Book Café Kuju

2024年12月09日 | +奈良

奈良・十津川村旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1.奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉
2.奈良・十津川村(2024・夏)十津川温泉で味わう郷土料理
3.奈良・十津川村(2024・夏)瀞峡

この後は、川舟で瀞峡めぐりをしようと、乗船乗り場を訪れました。次の回は午後1時からとのことだったので、予約だけして先にお昼をいただくことにしました。

本当は瀞ホテルで、瀞峡を眼下に眺めながら食事をしたかったのですが、この日は夕方まで予約がいっぱいとのことで諦めました。

代わりにGoogle Mapsで見つけた Book Café Kuju(ブックカフェ九重) に行ってみることにしました。

このカフェは九重という地域の、廃校になった小学校の校舎を改装した建物の中にあります。他にもベーカリーなどが入っていますが、知らなければ通り過ぎてしまいそうな小さな校舎でした。

カフェは木のぬくもりを活かした素朴な造りで、かつて小学校だった頃の面影があちらこちらに残っています。黒板に白墨で書かれた文字に、手書きならではの温かさを感じました。

机や椅子はさすがに大人向けのサイズですが、木造校舎のような趣を感じさせます。

お料理ができるまでの間、隣の古本スペースをのぞいてみました。

最近は東京で大型書店が次々と閉店する一方で、本好きさんが自分の好みの本を集めた個性的な小さな書店が増えていると感じます。その多くがコーヒーショップを併設しているのも特徴的です。

こちらのブックカフェもそのようなお店のひとつだと思いました。オーナーさんは映画好きのようで、映画に関する本が多く、旅や食に関する本、さらには洋書も揃っていました。

ちょうど旅行に持ってきた本を読み終えたところだったので、店内を隈なく見て回り、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」の文庫本を購入しました。幼い頃、この恐ろしくも哀しい物語に不思議と惹かれたことを思い出しました。

さて、お料理が運ばれてきました。まずはキーマカレーのランチセット。ミネストローネとサラダが付いていて、ボリューム満点です。

もうひとつはハーフのサンドウィッチとキッシュのセット。パンは併設されたパン屋さんのブラウンブレッドです。

私は朝食をたっぷりいただいて、まだおなかがいっぱいだったので、ハーフのサンドウィッチとカフェラテにしました。

サンドウィッチにはサーモンとポテトサラダがはさんであり、さっぱりとした味わいでおいしくいただきました

Book Cafe Kujuさんは12月1日で閉店し、この後新しいカフェがオープンするとのことです。

コメント (6)

奈良・十津川村(2024・夏)瀞峡

2024年12月07日 | +奈良

奈良・十津川村旅行記の続きです。これまでの記事はこちら。

1. 奈良・十津川村(2024・夏)谷瀬の吊り橋 ~ 十津川温泉
2. 奈良・十津川村(2024・夏)十津川温泉で味わう郷土料理

十津川温泉を後にして、深い森の中を車で走ること約1時間。向かったのは「瀞峡(どろきょう)」です。

瀞峡は吉野熊野国立公園内に位置し、奈良県、三重県、和歌山県にまたがる大峡谷です。旅行前に十津川村について調べているうちに、この大峡谷の存在を知り、ぜひ訪れたいと思いました。

車を停め、峡谷への階段を下りていきます。右手に見える屋根の建物は、瀞峡を見下ろす断崖絶壁に建つ「瀞ホテル」です。このホテルは大正6年に創業した歴史ある旅館ですが、平成16年に宿泊施設としては閉館しました。

現在は、100年以上の歴史をもつ建物を活かし、眺めのよいレトロな雰囲気のカフェとして営業を再開しています。

瀞ホテルの横にある階段をさらに下りていくと、目の前に峡谷を流れる神秘的な青緑色の熊野川が姿を現しました。

河原に降り立つと、切り立つ崖が圧巻の迫力で迫ってきました。

瀞峡ではカヌーや釣りなど、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。この時も、ちょうどカヌー体験をしている人々の姿が見られました。

水面から見上げる峡谷の景色も、きっと素晴らしいことでしょうね。

ダイナミックな断崖が続きますが、この付近では水の流れが穏やかで、ゆったりとした気分を味わえました。

しばらくすると、モーター付きの川舟がやってきたので、後で乗ってみようということになりました。

ブルーグリーンに見える川の水も、近づいてみると透明でとても澄んでいます。

河原から見上げた瀞ホテルの姿です。

森の奥深くにこんな場所があるなんて、初めて発見した人はさぞ驚いたことでしょう。熊野川流域は古くから木材の生産が盛んで、かつては伐採した木を筏に組んで川を下流へ流していたそうです。

さて、次は川舟に乗りに行きましょうか。

コメント (8)

アラン・ドロン追悼上映「冒険者たち」

2024年12月01日 | 映画

招待券をいただいて、渋谷のル・シネマ宮益坂下で開催中の、この夏に亡くなられたアラン・ドロン追悼上映に行ってきました。「太陽がいっぱい」ほか全3作が上映されていますが、私たちが見たのは「冒険者たち」です。

※ ル・シネマが東急文化村から宮益坂下に移転してから初めて訪れました。シアターは7階と9階にありますが、チケット発券所は1階にありますのでご注意くださいね。

冒険者たち (Les Aventuriers / The Last Adventure) 1967

飛行機操縦士のマヌー(アラン・ドロン)、レーシングカーのエンジン開発者ローラン(リノ・ヴァンチュラ)、現代美術アーティストのレティシア(ジョアンナ・シムカス)。

それぞれ夢に破れた3人は、コンゴの海底に眠る5億フランの財宝の噂を聞きつけ、アフリカへと旅立ちます。

男性2人、女性1人の3人が宝探しの旅に出る冒険映画で、この作品は「明日に向かって撃て!」など、後のさまざまな映画に影響を与えたと言われています。

久しぶりに見たフランス映画ということもあり、とても楽しめたのですが、最初のうちは、3人の生き方が地に足がついていないように思えて、共感しにくい部分もありました。

例えば、マヌーが凱旋門の上を飛ぶ前に法律を調べなかったことや、ローランが安全性を考えずに実験したこと、レティシアが全財産を個展に注ぎ込んだことなど、どれも見込みが甘く無鉄砲に思えて、ちょっといらいらしました。

でもそれは、私が常識的だからかもしれません。コンゴに行くことも、コンゴでの3人の行動も、見ていて冷や冷やするばかりでしたが、そもそも私のように心配していては映画にはなりませんね。

印象に残ったのは、マヌーとローランが、レティシアの故郷を訪ねる場面です。どことなく「男はつらいよ」のテイストを思い出しました。ローランがレティシアの夢を実現しようと熱く計画を語る場面も、胸にぐっときました。

意外だったのは、レティシアがハンサムで年齢も近いマヌーではなく、年上のローランを将来のパートナーとして選んだことです。でも、彼女はローランの誠実さや優しさに惹かれたのかもしれません。

一方で、マヌーがレティシアに対して最初から一歩引いていた点も、彼の思いやりを感じて、好感を持ちました。この3人だからこそ絆が深まり、関係がうまくいったのでしょうね。

そして、ローランがマヌーに語りかけた最後のことばに心を強く揺さぶられ、そのとたんに涙があふれてしまいました。なんだかんだと文句を言いましたが、私はこの作品をとても気に入りました。

コメント (8)