セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

無国籍風焼うどん

2017年07月31日 | 料理

夏休みのお昼ごはんに、おもしろいものを見つけたので買ってみました。

カレーうどんで有名な、巣鴨の古奈屋さんのカレー焼うどんです。あとでNISSINのサイトを見たところ、お店にはないスペシャルメニューだそうです。

ところが、いざ作ろうとしたら、ふつうのキャベツを切らしていて、紫キャベツしかありません。わざわざ買いに行くのも面倒なので、あるものを使って適当に作ることに...。紫キャベツのほか、豚こま肉、にんじん、しめじ、れんこん、クレソンと、かなり個性的な組合せになりました。^^;

できあがりが心配でしたが、紫キャベツの紫と、クレソンの緑、にんじんのオレンジ色がアクセントになって、なかなかきれいな仕上がりになりました。うどんが醤油味でもソース味でもなく、カレー味というのがまた、材料をうまくまとめてくれたように思います。国籍不明のおいしいお昼になりました。

***

家族がゴーヤを育てていて、少し前に小さな実が2つできたのですが、もう少し大きくなるかも...と収穫せずにしばらく様子を見ていたところ、ある日突然、とんでもないことになりました。

なんと黄色く熟してパカッと開き、エイリアンのようなお姿に...。

中には金時豆ほどの大きさの赤い種?ができています。一部ははぜて下に落ちたようですが、来年新しい芽が出るのかしら…?

熟したゴーヤを見たのは初めてですが、ものすごく衝撃的でした。(◎_◎;)

コメント (4)

暗幕のゲルニカ

2017年07月30日 | 

反戦のシンボルといわれるピカソの傑作「ゲルニカ」をめぐり、9.11以降のニューヨークと、「ゲルニカ」が描かれた大戦前のパリという2つの舞台で繰り広げられる壮大なアートサスペンス。2016年出版で、直木賞や本屋大賞にノミネートされました。

原田マハ「暗幕のゲルニカ」

原田マハさんの作品を読むのは「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」に続いて3冊目です。初めて読んだ「楽園~」で時空を超えた壮大なアートのロマンに魅了されましたが、本作も「楽園~」と同じく、20世紀のパリと21世紀のニューヨーク(+スペイン)、2つの舞台を交互して物語が展開しています。

かつてMoMA(ニューヨーク近代美術館)でキュレーターを務め、美術への造詣が深い原田マハさんが紡ぐ物語。ゲルニカ誕生のエピソードや、美術館・展覧会の裏側も興味深く、史実に基づくイマジネーションの世界を堪能しました。

***

私は1986年にマドリッドのプラド美術館で「ゲルニカ」を見ていますが、それは幸福な偶然だったのだと本作を読んで思いました。というのも「ゲルニカ」は、純粋なアートとしてでなく、政治的な作品とみなされたため、ファシストの手に渡ることを恐れたピカソの希望でヨーロッパを離れ、長らくアメリカに亡命していたからです。

そしてスペインの政治が安定した後、ようやく1981年にスペインに返還されたのでした。今はマドリッドのソフィア王妃芸術センターにありますが、(ゲルニカのある)バスク地方が政治的理由から所有を主張するなど、小説では今あるスペイン国内の問題にも触れられています。

***

「ゲルニカ」は、ピカソがドイツ軍によるゲルニカ爆撃に抗議して描いた作品ですが、今は広く反戦のシンボルととらえられています。小説の21世紀のパートでは、ピカソ研究の第一人者である瑤子が、9.11後のアメリカがイラク侵攻を決めたことに抗議して、「ゲルニカ」をMoMAの企画展で公開しようと奮闘する姿が描かれます。

一方、20世紀のパートでは、ピカソが「ゲルニカ」を描くに至った経緯が、恋人ドラの目を通してドラマティックに描かれています。

瑤子がテロリストに拉致されるくだりは、少々唐突に感じられましたが、瑤子とドラ、2人のヒロインをつなげるために必要なプロセスだったと理解しました。「ゲルニカ」のほかにも、ドラをモデルに描かれた「泣く女」そして2枚の「鳩」の絵が、物語の名脇役を務めています。

コメント (4)

東天紅の冷やし豆乳担々麺

2017年07月27日 | グルメ

有楽町のビックカメラで買い物があったので、提携駐車場のある隣の東京国際フォーラムに車を停めて、7階の東天紅でお昼を食べました。このお店はちょっとわかりにくい場所にあるせいか、いつもすいていて落ち着けるので、ビックカメラに行く時はよく利用します。ちなみに東天紅は”鶏の鳴き声”という意味なんですね。

私は、季節メニューの”冷やし豆乳担々麺”をいただきました。

緬の上に、細切り野菜と蒸し鶏がたっぷり。まずは冷やし担々麺でいただいて、途中で右上に見える豆乳をかけて味変します。

食べかけで失礼します。>< 最初は濃厚なたれを緬にからませていただきますが、豆乳を入れるとさらっとしたスープ仕立てになります。ピリッとした中にも優しい味わいがあって、私は味変してからの方が好き。おいしくいただきました。

こちらは五目米粉。夏らしくさっぱりしたお味。

点心の焼売も、こっくりとしておいしかった!

***

この日は掃除機を購入しました。15年くらい使っていた掃除機がとうとう壊れてしまったのです。ごみパック式の当時一般的だった掃除機。最近は吸い込みが衰えていましたが、壊れないうちに買い替えることにも抵抗があって、意地になって使っていました。ここ数年はルンバやダイソンなど、掃除機の世界も様変わりしましたね。

今回は、サイクロン式でスティックタイプの掃除機を購入しました。コードレスでバッテリーをチャージして使います。

持ち手の近くにモーターとバッテリーがありますが、それでも今までのに比べるとずっと軽いです。部屋を移動するごとに電源コードを挿し直す必要がないし、なにしろ階段の掃除がラクになりました。透明なタンクにごみがたまっていくのを見ると、なんとなく達成感が味わえてうれしい。^^ 毎回捨てられるのは衛生的にもいいですね。

タンクのつけ外しや、バッテリーのチャージは、きっとお年寄りにはなじみがなくて難しいだろうな~と思いましたが、こればかりはしかたがないですね...。最新の機種が並んでいる一方で、昔ながらの掃除機が健在なのも納得です。

コメント (4)

ミニミニ大作戦/セールスマンの死 他

2017年07月26日 | 映画

映画を見た後、同じ監督や俳優の過去作品を見たり、原作を読んでみたり...興味の幅を広げると、思わぬ発見があって楽しい。そんなきっかけで見た3作品です。

ミニミニ大作戦 (The Italian Job) 2003

先日公開された「ワイルド・スピード ICE BREAK」(The Fate of the Furious)に抜擢された、F・ゲイリー・グレイ監督の過去作品ということで見てみました。邦題はB級みたいですが、すごくおもしろかった! 1969年に公開された同名のイギリス映画のリメイクだそうです。ちなみにタイトルのミニはミニクーパーのこと。

金塊をひとり占めして逃げた裏切り者をやっつける泥棒チームの話ですが、活躍するのがごついアメリカ車でなく3台のミニクーパーというのが意外性があって楽しい。チームの絆や、メンバーそれぞれに得意分野があるところなど、ワイルド・スピードに通じる世界観がありますが、もっと洗練された雰囲気です。

マーク・ウォールバーグが若い! ジェイソン・ステイサムはあまり変わらない...。シャーリーズ・セロンがかわいかった♪

ユー・キャン・カウント・オン・ミー (You Can Count on Me) 2000

マンチェスター・バイ・ザ・シー」(Manchester by the Sea)のケネス・ロナーガン監督の過去作品です。舞台はニューヨーク州北西部の小さな町スコッツヴィル。子どもの時に両親を交通事故で亡くしたサミーとテリー。時は流れ、故郷で暮す姉のサミーのもとに、長らく音信不通だった弟のテリーが帰ってきます...。

マンチェスター~と同じく、こういうリアルなアメリカが描かれた作品が好きです。大きな事件が起こるわけではない地味な作品(日本では劇場未公開)ですが、さりげないユーモアを散りばめた軽妙な会話が楽しい。2人はそれぞれに問題を抱えていますが、ダメダメなところも含めて愛おしく感じられます。

演じるローラ・リニーとマーク・ラファロもとってもチャーミング。ロナーガン監督も牧師役で出演しています。タイトルは”頼っていいんだよ”といった意味です。

セールスマンの死 (Death of a Salesman) 1951

アスガー・ファルハディ監督の「セールスマン」(The Salesman)の劇中劇として登場した、アーサー・ミラーの「セールスマンの死」。1951年公開の映画がDISCASにあったので見てみました。(このほかにダスティン・ホフマン主演の1985年テレビ映画がありますがVHSのみ)

ウィリーはベテランセールスマンですが、60歳を過ぎてもはやかつての成績は上げられず、体力も気力も衰えていました。成人している2人の息子は定職をもたずにふらふらしていて、説教しても聞く耳を持ちません。仕事や借金、家族の問題を抱えて絶望したウィリーは、ある決断をします...。

最初は「セールスマン」との共通点を探しながら見ていましたが、だんだん既視感にとらわれて...あれ?これって先日見た「フェンス」じゃない!と気づいて鳥肌が立ちました。アカデミー賞関連で2作品も「セールスマンの死」にインスパイアされているという偶然に驚きましたが、それだけ現代を映したテーマといえるかもしれません。

実際、映画を見ながら、未来の希望が見えにくい今の時代、ちょっとしたボタンの掛け違いで誰にでも起こりうる悲劇のように感じられ、胸がしめつけられるような恐怖を覚えました。気が滅入る作品ではあるのですが、金縛りにあったように目が離せなくなる、不思議な磁力を感じました。

コメント (4)

京急油壷マリンパーク

2017年07月24日 | おでかけ

三連休の最終日、数十年ぶりに京急油壷マリンパークを訪れました。子どもの頃に行って以来で、すっかり記憶の彼方にありましたが、最近SNSで度々目にすることがあって気になっていたのです。ちょうどこの日の朝、公式アカウントの3割引クーポンを受取ったので、思い立ってでかけてみることにしました。

場所は三浦半島の南端、三崎港や城ケ島の近くです。都内から横浜横須賀道路・三浦縦貫道路を経由して、行きは渋滞で2時間近くかかりましたが、帰りは1時間ちょっとでもどってこれました。素朴な海と緑豊かな三浦の自然にほっとする、気持ちのよいドライヴになりました。

来年開園50周年を迎えるという油壷マリンパーク。レトロといっていい水族館ですが、とにかくたくさんのお客様でにぎわっていてびっくりしました。近くに八景島シーパラダイスや、新江ノ島水族館という強豪があるのに、なかなかの健闘ぶりです。その人気の秘密はハードの老朽化をカバーする、ソフト面での努力にあると訪れてみて感じました。

まずは一番目当てのペンギン島へ。日本の水族館はフンボルトペンギンが多いですが、ここにはめずらしいキタイワトビペンギンがいるのです。最初の9羽から繁殖に成功し、今は約40羽もいるそうです。目の上の黄色い羽飾りが個性的でかっこいい♪ 羽毛がまだらに残った子どもペンギンもかわいかったです。

さすがの暑さで、よしずの陰に隠れているペンギンが多かったですが、元気に泳ぐ活発なペンギンたちの姿を見ることができてよかったです。間にガラスがなく、間近で観察できました。

屋内大海洋劇場ファンタジアムでは、ミュージカル仕立てのイルカとアシカのショーを見ました。日本の昔話を取り入れた子ども向けのストーリーながら、脚本がうまく練られていてラストのオチもあり、感心しました。もちろん、息のぴったりあったイルカのパフォーマンスもすばらしかったです。

お話の進行役を務めるのは、ペンギンの着ぐるみをきたペン太郎。どことなく野球のヤクルトのマスコット、つば九郎に似ています。立ち見が出るほどの盛況で、子どもたちも大興奮でした。

DJアシカが登場♪ ピアノを上手に弾くアシカくんもいました。算数の得意なアシカくんは、最後の問題はどうやって答えがわかったのか...う~ん、不思議です。

展望台から鎌倉方面の眺め。この日は薄曇りでしたが、お天気がいいと富士山や伊豆諸島も見えるそうです。

水槽は、特にサメのコレクションがマニアの間で定評があるようです。沖縄の美ら海水族館から出張?異動?してきている魚たちもいました。上は美しいミノカサゴ。回遊水槽も大迫力でした。

かわうその森では、ビオトープが再現されているほか、泳いだり遊んだりするカワウソたちの姿をつぶさに観察することができました。動きや表情がかわいくて、いつまで見ていても飽きません。写真もたくさん撮っちゃいました。

じゃれ合うあずきちゃんと、あられちゃん(どちらもメス)。

予約制で、イルカやペンギンはじめ動物たちとのふれあい体験など、いろいろなプログラムが用意されているようです。詳細は公式サイトをチェックしてみてください。

 

コメント (6)

鶏肉のバスク風 & 鶏肉とじゃがいものタイム焼き

2017年07月23日 | 料理

最近作った鶏肉を使ったお料理から2品。まずはフランス人留学生から教えてもらった「鶏肉のバスク風」です。

フランスのスペインとの国境にまたがるバスク地方のお料理。鶏肉をトマトやパプリカといっしょに煮込んで作ります。いろいろなレシピがありますが、今回教えてもらったのは、鶏肉を別にフライパンで焼きつけて、野菜のお鍋に加えるというやり方で、こうすることで鶏肉の脂が入らず、さっぱりとした仕上がりになりました。

お鍋でにんにく・たまねぎ・パプリカを順にオリーブ油で炒め、そこにトマト・グリーンオリーブ・塩こしょうを加えて煮込みます。フライパンで表面を焼きつけた鶏肉を加えてさらに塩こしょう。

エルブドプロヴァンス(ハーブミックス)、ベイリーフ、白ワインを加えて、さらに煮込んででき上がり。

トマト缶を使うレシピもありますが、完熟の生のトマトを使う方が断然おいしい。煮込むうちにトマトは原形がなくなりますが、トマトの水分と旨味が凝縮された、夏にぴったりのシチューになります。

***

使いかけのタイムの枝があったので、全部入れて「鶏肉とじゃがいものタイム焼き」を作りました。ル・クルーゼのレシピ本にあるお気に入りのお料理です。

あらかじめ、塩を強めにふった鶏もも肉の皮側をフライパンで焼きつけておくと、香ばしい仕上がりになります。

ル・クルーゼに一口大に切ったじゃがいもを並べて塩こしょうし、オリーブ油をたら~り。その上に皮を焼きつけた鶏肉をのせ、タイムの枝をたっぷりのせて、お鍋ごとオーブンに入れます。お鍋にあらかじめオーブンペーパーを敷いておくと、焦げつく心配がありません。

200℃のオーブンで30分ほど焼いたらできあがり。

シンプルなフランス家庭料理ですが、お鍋ごとオーブンで焼くことで旨味が閉じ込められ、おいしくいただきました。

***

この日は冷蔵庫の野菜を整理。いつも残っている野菜に応じて、ラタトゥイユ、ミネストローネ、けんちん汁など作りますが、この日はピクルスやマリネを中心に作りました。

赤キャベツのマリネと、キャロットラぺ、セロリのピクルス、レモンのはちみつ漬け。サラダやつけあわせに加えたり、レモンはソーダで割ったりしていただきます。冷蔵庫にこういう常備菜が並んでいると、うれしくてにんまりしちゃいます。

コメント (4)

ジャコメッティ展

2017年07月20日 | アート

国立新美術館で開催中の「国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展」(~9月4日まで)を見に行きました。

スイスで生まれ、パリで活躍した20世紀を代表する彫刻家、アルベルト・ジャコメッティ(1901 - 1966年)。針金のように細い人物の彫刻の印象が強いですが、本展を見て、アーティストとしての出発点は絵画であったこと、彫刻作品においてもさまざまな変遷があったことを知りました。

本展は日本で11年ぶりに開催される回顧展。フランスのマーグ財団美術館のコレクションを中心に、初期から晩年までの作品132点(うち彫刻約50点)が展示されています。ギャラリーは広々として混雑なく、じっくり鑑賞できました。

女=スプーン 1926/27年

初期の頃の彫刻作品は、意外にも立体感、重量感があり驚きました。パリに出てきた頃のジャコメッティは、キュビズムやアフリカ、オセアニアのプリミティブ・アートの影響を受けたそうです。上はアフリカのダン族の女性を模したスプーンから着想を得た作品。丸くえぐれた女性の体は子宮を表しているように感じました。

鼻 1947年

30年代、ダリやブルトンらと交流し、一時的にシュルレアリスムの影響を受けました。枠は檻、頭は頭蓋骨を表しているのでしょうか。横からのシルエットは銃のようにも感じられました。”死”を連想させる作品です。

小像 1946(1980)年

シュルレアリスムと決別してからは、作品はどんどん小さくなり、しまいにはマッチ箱に入るほどのミニミニサイズの彫刻になりました。イコンのようにも感じられ、以前、東京都庭園美術館で見た内藤礼さんの小さな人形のインスタレーションを思い出しました。

3人の男のグループI(3人の歩く男たちI) 1948/49年

小像時代のあとは、反動するかのように1mを越える細長い女性立像を作る時代が続き、次に訪れたのは”群像”の時代です。3人、7人、9人...とありましたが、それぞれの人物には個性がなく、ピクトグラムのような印象を受けました。

ディエゴの胸像 1954年

共同でアトリエも構えた、弟ディエゴの胸像。弟といういことで特別の思い入れがあったのでしょうか。めずらしくモデルの個性を感じさせる作品でした。

犬 1951年

人物をモデルにした作品が続く中、「犬」と「猫」が目を引きました。どちらも骨組だけでそれぞれの特徴をとらえているのがおもしろい。エジプトの壁画にある象形文字を思い出しました。

圧巻だったのは、「ヴェネツィアの女」全9体。1956年、ヴェネツィア・ビエンナーレのために制作された作品で、ボウリングのピンのように3角形に配置され、大迫力でした。モデルは妻のアネットだそうです。

(手前) 頭部 1959年 (奥) 女性立像 1959年

チェース・マンハッタン銀行のプロジェクトから。3つの大型作品が展示され、ここだけ撮影可能でした。銀行前の広場のモニュメントとして制作依頼され、当初は針金の骨組に石膏をつけて削り取るという方法で作られましたが、できあがりに満足できず断念。広場への設置は実現しませんでしたが、その後ブロンズで鋳造され、数々の賞を受賞しました。

歩く男 1959年

ポスターにも使われているこの作品は、新たな一歩を踏み出そうとする、人間の勇気と力強さが感じられ、特に心に残りました。

コメント (4)

DAVID'S DELI

2017年07月18日 | グルメ

白金高輪にあるイスラエル・ユダヤ料理のお店、DAVID'S DELI(デビッドデリ)にお昼を食べに行きました。

国道1号沿いにあるこちらのお店は、店名がヘブライ風のフォントで書かれていたので、前を通るたびに気になっていました。というのも、ニューヨークではどの町にもこういうユダヤ系デリがあり、私もよくベーグルを買いに行ってたからです。

こちらのお店ではイスラエル料理のほか、NYのユダヤ系デリ料理、東ヨーロッパのユダヤ系移民の料理、ケバブなどの近隣諸国のお料理がありました。代表的なお料理からいくつか選んでいただきました。

ファラフェル(Falafel)。ひよこ豆のペーストとスパイスで作るコロッケのような揚げものです。かりっと香ばしく、スパイスがアクセントになっていました。タヒニ(胡麻)ドレッシングをかけ、さらに私は、フムスといっしょにピタにはさんでいただきました。

フムス(Hummus)。ひよこ豆のペーストです。ファラフェルといっしょにピタにたっぷりはさんでいただきました。ひよこ豆の優しい味わいで、そのまま食べてもおいしいですが、野菜やクラッカーが欲しくなりました。

奥に見えるのはピタ。右に見えるのはピクルスとオリーブの盛り合わせです。日本のお漬物みたいな感覚でポリポリといただきました。驚いたのはプラムのピクルス。日本の梅干によく似たお味でした。

タブリー(Tabouli)。穀物と野菜のサラダです。トマトときゅうり、レッドオニオンなど、穀物はたぶんキヌアでしょうか。さっぱりとしたおいしさでした。

マッツォボール(Matzo Ball)のチキンヌードルスープ。マッツォボールは小麦粉で作ったおだんごで、はんぺんのようにふわふわしています。チキンブロスはアメリカのダイナーなどでおなじみの懐かしい味でした。

マッツォボール&スープは、NYでは手軽に作れるミックスもよく見ました。

デザートにイスラエルから取り寄せているというバクラワ(Baklava)というお菓子が食べたかったのですが、ちょうど品切れとのことで、代わりにレモンパイをごちそうしてくださいました。アメリカンな懐かしいお味。お皿はユダヤ教の教えが描かれたシャガールのステンドグラスがデザインされています。

帰りは、レジの横のベーカリーでベーグルを買いました。カフェのようにカジュアルな雰囲気が心地よく、軽食やスイーツなど、また気軽に足を運んでみたいです。

コメント (2)

フェンス

2017年07月16日 | 映画

2010年にブロードウェイで上演された舞台劇を、デンゼル・ワシントンが映画化。デンゼルとヴィオラ・デイヴィスをはじめ、主要キャストを舞台と同じメンバーが演じています。デイヴィスがアカデミー賞助演女優賞を受賞したほか、数々の映画賞に輝きましたが、日本では劇場公開が見送られ、先月DVDがリリースされました。

フェンス (Fences)

1950年代、ペンシルヴェニア州ピッツバーグ。妻のローズ、息子のコーリーと暮らすトロイは、かつて黒人リーグで活躍した野球選手でしたが、メジャーリーグへの夢を絶たれ、今はごみ収集の仕事をして家族を養っていました。

ある日、コーリーがアメフトのスカウトの目に留まり、大学への推薦入学の話が舞い込みます。しかしトロイはコーリーに、黒人がNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)に入れるはずがない、夢を見ないで地道に働けと言い、スカウトの話を断ってしまいます...。

もとが舞台劇とあって、とにかくセリフ量が半端ない。たとえばトロイの生い立ちにしても、ふつうは映像で表されると思いますが、すべてセリフのみで語られるのです。そんなわけで序盤は集中力が必要でしたが、だんだんトロイの人となりがわかるにつれ、物語の世界に引き込まれました。

お話は、ほとんどトロイの家とその庭で展開されます。トロイはローズのために、家の周りにフェンスを建てようとしていて、コーリーにも手伝わせています。フェンスは自分のテリトリーを示すものですが、本作では家族の束縛、世代の垣根、人種の垣根を象徴する存在として描かれていると感じました。

デンゼル演じるトロイは、いわゆる昔気質の頑固爺で、時代は変わり、今や黒人もスポーツの世界で活躍しはじめているというのに、自分から垣根を作って、息子が活躍できるわけがない、傷つくだけだと決めつけ、将来の芽を摘んでしまいます。

最初は息子への愛情から心配しているのかと思っていましたが、彼の中には、自分がなしえなかった夢を息子がかなえようとしていることへの、複雑な嫉妬心もない交ぜになっているようです。ローズはトロイを説得しますが、彼は父権を振りかざし、聞く耳を持ちません。

さらにトロイは、一生懸命家庭を支えてきたローズに対しても、裏切り行為をしていたことが明らかになるのでした...。

黒人という枠を超え、今やハリウッドを代表する名優のひとりであるデンゼル・ワシントンが、被害者意識にとらわれ、自分のテリトリーを自分で狭めてしまっている、老害の黒人男性を演じている、というのがシニカルです。一方、ヴィオラ・デイヴィスの魂のこもった演技には、思わずもらい泣きをしてしまいました...。

ピューリッツァー賞受賞の原作を重んじるあまり、映画らしさが生かせてなかったのが残念ですが、普遍的なテーマと、俳優たちの重厚な演技が心に残る作品でした。

【関連記事】セールスマンの死 (2017-07-26) 本作に影響を与えたとされるアーサー・ミラーの戯曲

コメント (4)

スキレットを使って(3)ダッチベイビー・パンケーキ

2017年07月15日 | 料理

15㎝のスキレットを使って、ダッチベイビー・パンケーキ(Dutch Baby Pancake)を焼きました。ダッチベイビーは、ジャーマン・パンケーキともよばれ、スキレットに生地を流してオーブンで焼いて作るパンケーキです。

ここでいうダッチとはオランダではなく、ペンシルヴェニア州に移住したドイツ系移民(ドイツを意味するDutchがなまった)を指します。

ダッチベイビーは、オレゴン州のThe Original Pancake Houseというお店で人気が出たそうですが、私がアメリカにいた頃は見たことがないので、東海岸ではポピュラーではなかったのかもしれません。オリジナルパンケーキハウスはパンケーキブームに乗って、今は日本にも進出しているようです。

レシピはコチラを参照しました。

オリジナルレシピを1.5倍して3つ焼きました。焼いている間に縁が自然と立ち上がるのがおもしろい。

今回は定番のレモンをトッピングしました。レモンは最近手に入るようになった、ニュージーランド産のマイヤーレモンを使用。レモンとオレンジをかけあわせたもので、酸味が穏やか。皮ごと食べられます。

焼き上がったダッチベイビーに粉砂糖をたっぷりふるい、マイヤ―レモンのスライスをのせました。

もちっとした食感の、素朴なカントリーテイストのパンケーキです。りんごの甘煮をのせたり、アイスクリーム&ミックスベリーをのせたり、いろいろ試してみたいと思います。

【参考記事】
ダッチ・ベイビー・パンケーキ(Wikipedia)
オリジナルパンケーキハウス(日本・公式サイト)
簡単!気軽にカフェ気分♪ダッチベイビー(COOKPAD)

【関連記事】
スキレットを使って(1)ハンバーグ/ポテトのアンチョビ焼き (2017-04-25)
スキレットを使って(2)豚肉のバルサミコソテー/鶏肉のシチリア風/石焼ビビンパ (2017-04-30)
スキレットを使って(4)秋鮭のホイル焼き/りんごのケーキ (2017-11-19)
スキレットを使って(5)アヒージョ3種/ファーブルトン/焼きりんご (2018-02-02)

コメント (4)