セレンディピティ ダイアリー

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gicca 池田山

2022年07月30日 | グルメ

先週末、東五反田にあるレストラン・カフェ gicca (ジッカ) 池田山 にお昼を食べにいきました。

都道418号線 (外苑西通り) 沿い、目黒駅と五反田駅のちょうど中間にあり、交通は不便ですが、日曜日でしたら外苑西通り沿いに有料で車が停められます。このあたりは、池田山という古くからある美しい住宅街です。

こちらのお店は2年ほど前にガソリンスタンドの跡地にできた建物だそうで、1階がデリ、スイーツ、グロッサリー、2階がレストラン・カフェ、3階がイベントスペースとなっています。

2階のレストラン・カフェでは、オーガニック志向の家庭料理やイタリアン、サンドウィッチ等がいただけます。この日は、いろいろなお惣菜が楽しめる gicca ピアット という定食風のセットをいただきました。

この日のメインのお料理は仔牛のシュニッツェルでした。プチトマトとルッコラ、レモンが添えられています。お料理は、右から反時計回りに、キャロットロペ、ラタトゥイユ、枝豆?グリーンピース?の冷たいスープ。

ガーデンサラダ、フォカッチャ、ラズベリーとローズのサブレ、ズッキーニの肉詰め焼き、レモンクリームのファルファッレ。一部は、1階のデリで取り扱っているお料理と思います。

どれも家庭的な、ほっとした味わいのお料理でした。仔牛肉は日本ではなかなか手に入りにくいので、うれしかったです。後から気がついたのですが、店名の gicca は ”実家” から来ているのかもしれませんね。

食後にセットについていたローズとラズベリーのサブレを、カフェラテとともにいただきました。2階のレストラン・カフェは天井の高い開放的な空間で、北欧風のシンプルなインテリアも落ち着けました。ゆっくりくつろげるお店です。

食事の後は、1階のグロッサリーストアでお買い物。全国からおいしいものを集めた食のセレクトショップです。この日は買わなかったのですが、ケーキもとってもおいしそうだったので、機会があったらまた寄りたいと思います。

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久しぶりにコスメの話です。

ヘイリー・ベネットに影響されて最近買ったチークは、ADDICTION の So Emotional という色です。わずかにパールが入っていて、さりげなくキラッと仕上がるのが気に入っています。

今まではチークに付属しているブラシを使っていましたが、今回はじめてチーク用のちゃんとしたブラシを購入しました。毛が柔らかく、ぽんぽんと軽くたたいた時の感触が気に入っています。

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7月4日に生まれて

2022年07月29日 | 映画

トム・クルーズ主演、オリバー・ストーン監督のベトナム戦争を題材にした戦争映画。1989年に公開された作品です。

7月4日に生まれて (Born on the Fourth of July)

1946年7月4日ロングアイランドーアメリカの独立記念日に生を受けたロン・コービックは、高校卒業後、強い愛国心と将来への希望を胸に海兵隊へ入隊し、ベトナムへと旅立つ。だが戦場は、彼の想像を遥かに超えた、凄惨たるものだった。(Amazon Prime Videoより抜粋)

Amazon Primeで鑑賞しました。タイトルは知っていましたが、ベトナム戦争を描いた作品だとは知らなかった...。暴力描写が苦手で避けてしまう私も、戦争映画は深いメッセージがあるので例外です。ベトナム戦争をテーマにした作品もこれまでたくさん見てきましたが

本作は、その中でも私にとってベストというべきすばらしい作品でした。主人公ロン (トム・クルーズ) の生い立ちにはじまり、戦地のシーンももちろんあるのですが、どちらかというと帰還してからの人生にフォーカスした作品と思いました。

戦争ごっこが大好きで、敬虔なキリスト教徒の家庭で育った、スポーツ大好き、腕っぷしにも自信のある愛国少年が、なんのためらいもなく、共産主義を滅ぼすという名目のために海兵隊に志願して戦地に向かう。

典型的なアメリカ人の姿や、リアルなアメリカが描かれていて、アメリカを知るための教科書のような作品だとも思いました。

ロン (トム・クルーズ) がロングアイランドのマサピークア (Massapequa) 出身というのも懐かしかった。NYにいた頃、訪れたことはありませんが、住んでいたところから比較的近く、当時習っていたキルトの先生がこの町の出身でした。

話はそれますが、メグ・ライアン&ヒュー・ジャックマンの「ニューヨークの恋人」(Kate & Leopold) のラスト近く、貴族のヒューと、過去にタイムワープしたメグが舞踏会でダンスを踊るシーンで「どちらのご出身ですか?」と尋ねられたメグが

「マサピークア!」と答えて、尋ねた人がポカンとするシーンを思い出しました。ネイティブアメリカンの言葉からきている地名ですが、当時ヨーロッパから来た貴族には、魔法の呪文のように聞こえたかもしれませんね。

さて、話はもどりますが、7月4日のアメリカ独立記念日の日に、アメリカのどの町でも開催される ”独立記念日パレード” のシーンが懐かしかったです。私が住んでいた町でもパレードがあり、当時小学生だった息子が学校のマーチングバンドに参加するのを見に行きましたが

パレードの最後の方に登場する退役軍人の方たちの姿に、幼い頃のロンが複雑な表情を浮かべていたのと同じ気持ちになったことを思い出しました。

いつもとは違う、かっこいいだけではないトムもとてもよかったです。戦場ではロンの部隊が民間人を誤って皆殺しにしてしまったり、ロンが誤って仲間を撃ち殺してしまったり。自らも重症を負って下半身が一生動けなくなってしまいます。

そして命からがら故郷にもどると、アメリカは反戦運動の真っただ中。国を守るために軍に入って前線で戦い、そのために重症を負ったロンは、自分が信じた道を否定されたように感じ、自分のやったことは正しかったのか、苦悩します。

心も体もぼろぼろになって、もがき、苦しみ、のたうち回るロン。そのぼろぼろのロンを演じるトムがとても魅力的でした。心に残る一作となりました。

 

 

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Swallow スワロウ

2022年07月17日 | 映画

ヘイリー・ベネットが、極度のストレスから異物を飲み込まずにはいられない女性を演じる、スリラー映画です。

Swallow スワロウ (Swallow)

公開時に見たいと思いながら、痛そう... と躊躇して見逃してしまった本作。Amazon Primeに上がっていたので勇気を出して見てみました。正直主人公にはなかなか共感できなかったのですが、映画としてはスリリングでおもしろかったです。

監督は本作が長編デビュー作となるカーロ・ミラベラ=デイヴィス。ニューヨーク郊外のハドソン川を見下ろす、生活感のない豪邸。ヘイリー・ベネットの、お人形さんのようなメイクとファッション。ヒロインの空虚な心を思わせる、パステルトーンの映像が印象的でした。

大富豪の御曹司と結婚したハンター (ヘイリー・ベネット) は、仕事に忙しい夫とほとんど会話がなく、義父母とも話が合わない。孤独を深める中で、氷、ビー玉...と異物を飲み込むことで、達成感や自己肯定感を覚えるようになっていく、というストーリーです。

そもそも私は、夫や義父母がそんなに問題あり、とは思えなかったのです。夫は妻であるハンターにいつも感謝していたし、お義母さんはハンターを何かと気遣っていたし。妊娠がわかった時は、みんな心から祝福してくれたではないですか。

ハンターにしても、あれだけのお屋敷を維持して、自身もいつもきれいにしていて、大勢のお客様を招く自宅でのパーティを切り盛りして。それってすごいことですよ。十分胸を張っていいことだと思うのですが。

夫に不満やこうして欲しいという要望があったら、そのことを話していっしょに解決すればいいのに。わからないことがあったら、夫に相談すればいいと思うのです。彼はきっとハンターの話に耳を傾けてくれると思う。

気軽に自分の気持ちを吐き出せる人が、そばにいたらよかったのかもしれませんね。シリア出身のルエイが言うように、戦争が身近にある環境だったら、ハンターも異食症にはならなかったかも。一種の贅沢病なのかもしれません。

あ、いっそのことルエイと仲良くなって話を聞いてもらったら、ハンターも気持ちが楽になって病気が治ったかもしれないな... なんてことばかり考えてしまいました。これでは映画になりませんね。^^;

ハンターが欲しかった自由って、いったい何だったのだろう? あの結末が彼女が求めていたことなのかな? ふと考えてしまいました。

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TRATTORIA DAL BIRBANTE GIOCONDO

2022年07月15日 | グルメ

白金台の、東京都庭園美術館の向かいにあるイタリアン TRATTORIA DAL BIRBANTE GIOCONDO (トラットリア ダル・ビルバンテ・ジョコンド) にお昼を食べに行きました。

(写真はランチタイムの終わり頃、人がすっかりいなくなったところをパチリ)

目黒通りにあって、かれこれ10年以上?前を通るたびに気になっていたお店にようやく足を運ぶことができました。外のTRATTORIAという縦書きの看板、お店の前には椅子が並べられ、いかにもイタリアの食堂といった佇まいに惹かれていました。

中に入ると、入口付近にローマ建国のロムルスとレムスのおなじみの像があって、はるか昔のイタリア旅行を懐かしく思い出しました。こちらでは本場イタリアのトラットリアの雰囲気の中、伝統的なローマ料理がいただけます。

メニューはアラカルトです。私たちは前菜とパスタを2種類選び、シェアしていただきました。

最初に運ばれてきたフォカッチャは手作りでしょうか。弾力がありますが、バゲットのようなカリッとした食感でした。

前菜に、鮮魚のカルパッチョをいただこうとしたら、この日はもう売り切れとのことだったので、代わりにポルケッタにしました。いわゆるローストポークなのですが、運ばれてきたとたん焼き豚を思い出しました。^^

スパイスの香りがしましたが、ひょっとしたらスターアニス (八角) を使っていたのかもしれません。お肉がジューシーで柔らかく、皮がほんのり甘辛く味付けされていて、まさしくイタリア版焼き豚といった味わいでした。

3種の貝を使ったラグーのスパゲティです。貝のラグーってめずらしい。初めていただくお味でした。貝の旨みたっぷりのラグーソースがやや太めのスパゲティによくからみ、お皿に残ったソースもフォカッチャで拭って残らずいただきました。

トンナレッリ ”カーチョ・エ・ペペ” (ペコリーノロマーノ・黒胡椒)。見た目もお味もカルボナーラによく似ていますが、お店のスタッフにお聞きしたところ、卵とパンチェッタは入れず、チーズと黒胡椒だけで作るのだそうです。ローマの名物パスタ料理です。

ちなみにカーチョはチーズ、ペペは黒胡椒。トンナレッリというのは後で調べたところ、卵のパスタだそうで、全体としてカルボナーラによく似ているのも納得です。ペコリーノロマーノ (チーズ) がからんで濃厚な風味ですが、重すぎずいくらでもいただけるおいしさでした。

たっぷり入った挽き立ての黒胡椒が香ばしく、ピリッと大人のお味でした。

食後にコーヒー (カフェラテ) とデザートをいただくことにしました。この日のデザート2種類のうち、カラメルプリンをシェアしていただきました。ソースだけでなく生地にもカラメルが入った濃厚なお味。やや硬めのプリンが私好みでした。

カフェラテとともにおいしくいただきました。

帰り道、道路の向かい側からお店の前をパチリ。このTRATTORIAのサインに惹かれていました。テラコッタの壁に、こげ茶のひさしがよく合います。。

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リコリス・ピザ

2022年07月10日 | 映画

ポール・トーマス・アンダーソン監督の、70年代のカルフォルニアを舞台にした青春映画です。

リコリス・ピザ (Licorice Pizza)

リアルなアメリカを描いた作品が好きなので、楽しみにしていた本作。アンダーソン監督の作品は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「ファントム・スレッド」と見ていますが、今回はどちらともテイストの違う青春映画でした。

主演の2人の新人俳優が、フレッシュでみずみずしく、おもちゃ箱をひっくり返したように次々と話が展開していくこの作品を、ぐいぐいとパワフルに引っ張っていました。

ちなみにリコリスというのは真っ黒いひものようなグミで、ちょっとクセのあるお菓子です。リコリス・ピザは黒い円盤=LPレコードのことだとすぐにわかりましたが、Wikiによると、70~80年代にカルフォルニアに実在したレコードチェーンだそうです。

高校生のゲイリーを演じるクーパー・ホフマンは、なんとフィリップ・シーモア・ホフマンの息子さんだそうですが、そうえばぽっちゃりしたところがどことなく似ているでしょうか。

ゲイリーが一目惚れする10歳年上のアラナを演じるアラナ・ハイムは3姉妹のポップスバンドHAIMのメンバーで、本作にはバンドの姉妹3人で出演しています。

ゲイリーは高校生ながら俳優をしていて、他にも自分のアイデアで次々と事業を始めてしまうような行動力のある男の子。ユダヤ系の堅い家庭で育ったアラナにとって、ゲイリーは自分を見知らぬ広い世界へと連れて行ってくれる刺激的な存在なのだと思います。

ゲイリーもアラナも、相手に対して年齢ゆえの引け目のようなものを感じていて、素直になれず、ほんとうは気になってしかたがないのに、押したり引いたりすれ違ってしまうのがもどかしい。

スター誕生や、タクシードライバーを思わせる映画ネタ。幅広のネクタイやミニスカートなどの70年代のファッション。当時のアメリカンカルチャーがノスタルジーたっぷりに描かれた愛すべき作品でした。

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17歳の瞳に映る世界

2022年07月02日 | 映画

新鋭エリザ・ヒットマン監督の3作目となる長編映画。望まない妊娠をした女子高生の苦悩を描いたヒューマンドラマです。

17歳の瞳に映る世界 (Never Rarely Sometimes Always)

公開時に気になりながら見逃してしまった本作が、Amazon Primeに上がっていたので見てみました。ドキュメンタリー映画のような淡々とした展開と、感情を抑えた描写がみごとで、静かに心揺さぶるすばらしい作品でした。

折しも先週の6月24日アメリカ最高裁が、女性の人工中絶を合憲とする1973年の歴史的判決を覆す判断をしたことが、女性の権利を揺るがし、時代に逆行する判決として、大きな議論となっている今、タイムリーな鑑賞となりました。

米連邦最高裁、人工中絶権の合憲性認めず 重要判決を半世紀ぶりに覆す (BBC.com)

歌うことが好きな孤独な女子高生のオータムは、体調の変化を覚えて受診し、妊娠10週目であることを告げられます。しかしオータムが住むペンシルベニア州では、未成年は両親の同意なく中絶手術を受けることができません。

オータムは唯一の親友であるスカイラーに支えられ、いっしょに長距離バスに乗って、(両親の許可なく)手術を受けられるニューヨークへと向かいます。

本作、ことばで多くを語らず、淡々とした描写を通じて見る者に想像させ、考えさせるところがとてもよかったです。エモーショナルにあおられることもなく、真摯に作品と向き合うことができました。

オータムの妊娠の相手やきっかけについても、一切語られませんが、オータムが歌う自作の歌や、家族とのやりとりを通じて、母親が再婚相手と作った家庭に自分の居場所はなく、ボーイフレンドに愛を求めては裏切られる彼女の孤独と苦悩を想像しました。

妊娠を知って、最初は自力で中絶しようとおなかをげんこつでたたいていたオータム。ニューヨークの病院で、さりげなく映し出された彼女のあざだらけのおなかに、胸がしめつけられるような痛みを覚えました。

唯一の救いは、オータムにスカイラーという親友がいたこと。明るくて、優しくて、勇気も行動力もあるスカイラーは、オータムにとって絶対的な味方となってくれる存在。帰りのバス代が足りなくなって絶対ピンチとなった時にスカイラーがとった行動に泣けました。

それにしても、オータムやスカイラーの行く先々で現れる不快な男たちを見ていると、女の子が生きていくことは、かくもたいへんなことなのか、と思わずにはいられませんでした。

ニューヨークの病院でのカウンセラーによる問診は、忘れられないシーンとなりました。是非多くの方に見ていただきたい作品です。

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