セレンディピティ ダイアリー

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ヒラリー・ハーン & アンドレアス・ヘフリガー デュオ・リサイタル2024

2024年05月26日 | 舞台・音楽会

5月16日、東京オペラシティ コンサートホールにヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンさんのコンサートに行ってまいりました。

ヒラリー・ハーン & アンドレアス・ヘフリガー デュオ・リサイタル2024

会場は初台の東京オペラシティ コンサートホールです。石造りの円形広場は、写真には写っていませんが、座れるように石の階段が設えられ、古代イタリアの円形劇場を思わせる雰囲気です。

そういえば、以前オペラシティの新国立劇場で、シチリアオペラの「カヴァレリア・ルスティカーナ」を見たことを思い出しました。

木目を生かした美しいコンサートホール。モダンなデザインのパイプオルガンがすてきです。天井には採光窓があり、マチネの時は自然光の中で音楽が楽しめるのでしょうか。

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ヒラリー・ハーンは、クラシック音楽界の第一線で活躍するドイツ系アメリカ人のヴァイオリニスト。かつて住んでいたヴァージニア出身ということもあり、親近感を覚えていました。この日のプログラムは

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.78 「雨の歌」
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.100
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108

ブラームスが作曲したヴァイオリン・ソナタ全3曲です。ハーンは、チラシの写真では若手の新鋭ヴァイオリニストといった感じに見えますが、実際にはグレイヘアの落ち着いた雰囲気で、円熟味を増した柔らかくまろやかな音楽といった印象を受けました。

アンコールは、ハーン自ら日本語でご紹介。アメリカの作曲家ウィリアム・グラント・スティルの「マザー&チャイルド」という曲でした。初めて名前を聞く作曲家、初めて聴く曲でしたが、ハーンの演奏には母親の限りない優しさと愛情が感じられ、心を打たれました。

後からスティルは黒人の作曲家であると知りましたが、当時多くの苦難を強いられていたであろう黒人の作曲家が、こんなにも愛にあふれる曲を作ったことに感銘を受けました。

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コンサートの後に、先ほどの円形広場に面したブリティッシュパブで、ビールと軽食をいただきました。写真を撮るのを忘れましたが、お店の雰囲気もよかったし、ビールもおいしかった! でもふだん飲み慣れていないので、帰りはふらふらになりました。^^;

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近代の日本画展 @五島美術館

2024年05月25日 | アート

招待券を持っている友人が誘ってくれて、いっしょに世田谷区上野毛にある五島美術館に行ってきました。

[館蔵] 近代の日本画展(6月16日まで開催)

五島美術館は、東急電鉄の創業者である五島慶太氏が、事業のかたわら自ら蒐集してきた古文書や日本画などの貴重な美術品の数々を収蔵、公開している美術館です。以前から訪れたいと思っていたので、思いがけないうれしい機会となりました。

そして本展のテーマは、私の好きな近代日本画。館蔵の近代日本画コレクションから、花鳥画を中心とした約40点を鑑賞しました。この他、古文書、古記録、墨・硯など、貴重な歴史資料も見ることができました。

游鶴図 橋本雅邦筆 明治29年(1896)頃

鴨鷄図 川端玉章筆 明治時代・20世紀

啄木 小杉放菴筆 昭和時代・20世紀

葉っぱが葉脈まで精密に描き込まれていて、まるでボタニカルアートのようでした。

紅梅 山口蓬春筆 昭和30(1955)年

冨貴盤 川端龍子筆 昭和21(1946)年

今回、私が一番気に入った作品です。大好きな芍薬の花が大胆に描かれていて、西洋画のような華やかさがありました。

館内で作品を鑑賞した後は、そのままお庭に出られます。高低差のある地形を生かした広大な庭園には、古墳、2つのお茶室、菖蒲池などあり、変化に富んで散策が楽しめました。

皇太子様(現天皇陛下でしょうか)によるお手植えの松

すぐ近くに二子玉川の街。天気がよいと遠くに富士山が見えるそうです。

赤門と、ユーモラスな表情の石仏。

庭園を出ると、二子玉川までは歩いてすぐ。週末の二子玉川はファミリーで大賑わいですが、ようやく中華のお店に空きを見つけて、ランチをいただきながらおしゃべりを楽しみました。

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洋食ムチュ

2024年05月24日 | グルメ

学芸大学高架下にこの春新しく洋食屋さんがオープンしたのを見つけて、洋食好きの夫と早速訪れたところ、とても気に入ったので、GWに息子が帰省した際にいっしょに再訪しました。

お店の名前は「洋食ムチュ」。食べる時の音を表現したオノマトペのようですが、語感がかわいい。洋食屋さんにしてはめずらしくガラス張りの開放的な空間。クラシックな食器や、カフェ風のインテリアもすてきです。

シェフは男性の方ですが、キッチンで働いている女性たちは調理学校を卒業したばかり?(あくまで私の想像です)若くて、きびきびと働いていて、とても気持ちがいい。洋食屋さんの定番のお料理はどれもおいしくて、すっかりファンになりました。

ランチセットについてくるスープとサラダ。サイドディッシュといえども、どちらも手を抜いていなくて、これだけで大満足でした。サラダのガラス器のレトロ感がすてきです。

ハンバーグ、エビフライ、コロッケ、チキン南蛮がのったスペシャルプレート。添えられたナポリタンが泣かせます。

ポークジンジャー。分厚いポークソテーにジンジャーソースがからみ、和風のしょうが焼きとはひと味違った逸品。ごはんに合うお味です。

私は、メニューにのっていない限定のオムライス タンシチュー添えをいただきました。ごろごろお肉がのっていてボリュームたっぷり。牛タンは私にはそれほどなじみのある食材ではないのですが、こういう食べ方もあるんだーと発見でした。

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フジコ・ヘミングさんに捧げる

2024年05月09日 | 日々のこと

60代後半で奇跡のピアニストとして見出され、その後世界各地で演奏活動を続けてこられたフジコ・ヘミングさんが、2024年4月21日に92年の生涯を閉じ、永眠されました。5月2日フジコさんの公式ホームページで発表されました。


私のフジコさんとの出会いについては、以前ブログに書いているので再掲いたします。

フジコさんが1999年にNHKのドキュメンタリー番組で紹介され、一夜にして有名になった時、私はアメリカにいてしばらくその熱気を知りませんでした。ところがその後、フジコさんがニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを開くことになり、聴きに行く機会を得たのです。

フジコさんのコンサートは、それまでに聴いたどのピアニストとも違っていました。まずクラシックのコンサートにはめずらしく、プログラムがありません。一曲ずつ、客席の方を向いて曲名を告げ、弾き始めるところは音楽ライブといった感じ。そして客の反応を見て、次の曲を決めていらっしゃるような印象を受けました。

独特の重ね着ファッション。佇まいにただならぬ迫力があり、圧倒されました。演奏も個性的で、曲に自分を近づけるのではなく、曲を自分の世界にぐいっと引き寄せるようなパワーを感じました。

以上 過去記事「フジコ・ヘミングの時間」より

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そして 5月6日Eテレで、フジコさんを追悼して、フジコさんが脚光を浴びるきっかけとなった1999年放映のドキュメンタリー番組「フジコ~あるピアニストの軌跡~」が再放送され、25年目にしてようやく見ることができました。

下北沢の演劇のお稽古場を改装したというご自宅での日常。ヨーロッパ調のアンティーク家具やインテリア、猫ちゃんたちがごろりと寝転がるお部屋、フリルやレース、ご自身の刺繍を加えたお洋服など、どれもフジコさんのぶれない生き方が感じられ

自分の好きなもの、似合うもの、誰とも違う世界を持ったすごい方だなーと改めて感動しました。これまでの苦難の道を悲観することなく、不運や誰かを恨むことなく、淡々と語るその姿に、ほんとうに強い方だなーと感嘆せずにはいられませんでした。

そして、リストやショパン、ベートーベンなど、ピアノの演奏もすばらしかった。フジコさんのピアノには魂の叫びのようなすごみを感じます。今は天国でピアノを弾いていらっしゃるでしょうか。ご冥福をお祈りいたします。

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BLUE SIX COFFEE テラスでいただくカフェランチ

2024年05月05日 | グルメ

ゴールデンウィーク後半前にお休みが取れたので、まだ~むさんをお誘いして、ランチをごいっしょしました。まだ~むさんが選んでくださったお店の中から、この日訪れたのは外苑の国立競技場前にある BLUE SIX COFFEE というカフェ。

国立競技場周辺が再開発ですっかり様子が変わっていて驚きましたが、まだ~むさんのお話では日本青年館や都立明治公園の跡地だとか。2020東京オリンピックを機に、マンションやオリンピックミュージアム、カフェ等を擁する明るい公園に生まれ変わっていました。

BLUE SIX COFFEE は、国立競技場と同じテイストの、ナチュラルウッドを使った明るいカフェで、テラス席にすわると高原のリゾートにいるような心地よさ。お料理もコーヒーもおいしかったです。

ランチのメニューの中から2種類選んで、半分ずつシェアしていただきました。


チキンときのこの香草バターソテーは、バターの風味を生かしたこっくりとしたおいしさ。Green Thumb さんという渋谷のベーカリーのパンに、チーズ風?の白いほんわかしたペーストをつけていただきました。


ツナメルトのサンド。グリルでかりっと焼いたホットサンドウィッチで、ツナにとろ~りと溶けたチーズがからみ、こちらも大好きなお味。からりと揚がったフレンチフライ、固めにゆでたブロッコリーもおいしかったです。

コーヒーのお店とあって、大きなマグでたっぷりいただくコーヒーも大満足。ランチの後はまだ~むさんの案内で、周辺をぶらぶらお散歩しました。


競技場に向かう少し高いところから公園を見下ろしたところです。タープの下では、だれもがゆったりとくつろいでいて、GWらしいのどかな風景でした。


国立競技場。計画中にすったもんだありましたが、こうして改めて見ると、景観に配慮した、今の日本にふさわしい競技場だなーと感慨深く思いました。


<国立競技場の周りをぐるりと歩くと、1964東京オリンピックの時の聖火台が展示されていました。シンプルながら英知を感じるデザインで、重厚感があってかっこいい。


こちらは2020東京オリンピックの聖火台。軽やかで、動きがあって、こちらもすてきです。炎か、はたまた開きかけの芍薬の花びらのようにも見えますが、太陽をモチーフに、エネルギーと生命力を表現しているそうです。


水辺に紫の花が群生していて、とてもきれいでした。蘭の仲間かな~?と後で調べたところ 紫蘭 (シラン) とわかりました。都会の中にあって里山のようなほっとする風景です。


滝の流れとせせらぎが、清涼感たっぷり。


ここのところ、ストレスでかなりまいっていたのですが、この日はまだ~むさんにたっぷりお話を聞いていただいて、すっかり生き返りました。わがままにつきあっていただいて、申し訳ないと思いつつも感謝の気持ちでいっぱいです。

まだ~むさんから高知のおみやげに "モネの庭" の和三盆を使ったお干菓子をいただきました。優しいお色と甘さのお干菓子、そしてお箱には大好きなモネの絵が描かれています。高知のモネの庭、いつか訪れたいと夢がふくらみました。

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あしかがフラワーパーク(続き)~ 佐野ラーメン いってつ

2024年05月03日 | おでかけ

少し間が開いてしまいましたが、あしかがフラワーパークの続きです。前回の記事はこちら。

あしかがフラワーパーク ふじのはな物語 2024 (2024-04-21)

名物の藤はもちろんすばらしかったですが、それ以外の花々もすてきでした。


オオデマリの大木がありました。おそらく咲き始めだと思いますが、黄緑色のポンポンがこんな風にたわわに咲いているのは初めて見ました。


私の中でオオデマリといえばこんなイメージ。これは7年前に都内某所で撮った写真です。

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園内に4色に色分けされた花壇があって圧巻でした。


白いお花ばかりを集めた花壇。


こちらは黄色いお花の花壇です。


ブルーのお花の花壇。濃淡のあるブルーがすてきです。


ピンクのお花の花壇。右端に藤の木がちらりと見えていますが、ピンクの濃淡、赤みがかったピンク、紫がかったピンク、白とニュアンスのある色味がとてもきれいでした。


少しずつ咲き始めていく姿が美しい。水辺を背景に咲く、大人色の藤でした。



最後はやっぱり満開の藤で締めて。名残惜しくパークを後にしました。

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帰りは足利市の隣の佐野市のご当地ラーメン、佐野ラーメンをいただくことにしました。


佐野市を中心に何十軒もの佐野ラーメンのお店がありますが、有名店のひとつ「佐野ラーメン いってつ」さんを訪れました。

佐野ラーメンは、おしょうゆ味の澄んだスープに、中細の平麺、チャーシュー、白ねぎ、なると、メンマ、青みの貝割れがのっていて、東京ラーメンに近く、あっさりとしていて私好みのお味でした。

特徴といえば「青竹手打ち」を謳っているお店が多いこと。これは麺を青竹を使って延ばしていく製法だそうですが、つるんとして口当たりがよかったです。

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