今回の旅行では、関西のうなぎを食べてみたい!と思っていました。私は生まれてこの方、関東のうなぎしか食べたことがなく、うなぎが関東と関西とで違うということも、つい最近まで知りませんでした。関東で、関西風のうなぎにお目にかかることは、まずないですものね。
さて、関東のうなぎと関西のうなぎ、どこが違うかといいますと...
まずはさばき方。関東は背開き、関西は腹開きとなっています。関東は武士の文化なので、腹開きは切腹を意味するために縁起が悪い。それで背開きになりましたが、これは腹の脂を逃さない調理法でもあるそうです。対して、関西は商人の文化。腹を割って話すことをよしとし、腹開きとなったということです。
また焼き方も、関東では素焼きしてから蒸し、それからたれをつけて焼いて、皮まで柔らかく仕上げるのに対し、関西では蒸さずに直接焼いて、パリッと仕上げるのが特徴だそうです。
うかがったのは、大阪のうなぎの老舗「魚伊」さん。本店は高殿という少し離れた場所にあるので、天神橋商店街にある天五店を訪れました。JR天満駅から歩いて5分。間口は小さいですが、意外と奥行があり、まさにうなぎの寝床? 外の販売コーナーでは、頭付きの蒲焼もあり、これも関西ならではだなーとめずらしかったです。
入口に3組ほど待っていましたが、ほどなく2階に案内されました。お食事というより、まずはうなぎ料理を肴にお酒を楽しんでいるグループが多く、わいわいとにぎわっていました。
うな重と、私は大好きな”うざく”もいっしょにいただきました。見たところは関東のうなぎと変わりませんが、自分で竹串を抜くのがおもしろい。うざくも、さっぱりとしておいしかったです。
さて、うなぎのお味はというと、身はふっくらと柔らかく、関東のうなぎとほとんど変わらないですが、皮がパリッとして香ばしく、食感の違いが楽しめました。関東のうなぎは皮まで柔らかくほぐれるので、知らないと皮がかたいと感じるかもしれませんが、あぶった焼き目がまたおいしかったです。
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ところで、関東のうなぎと関西のうなぎ、境界線はどこにあるの?とあれこれググって情報をつなぎ合わせると、どうやら静岡県と愛知県の県境付近にあるようです。うなぎが名物の浜松でも、半数以上が関東風ということです。
このあと、大阪(9)大阪の夜景とヘルシーな朝食 に続きます。