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裏磐梯・会津若松の旅 猪苗代湖~諸橋近代美術館

2022年09月25日 | +福島

2週間前の週末、夫の出張後に合流して、福島県の裏磐梯・会津若松を旅行してきました。昨年の島根旅行記もまだ途中なのに恐縮ですが (年内には必ず仕上げますね) 先にこちらの旅行について書き残していきたいと思います。

金曜日に仕事を終えた後、東北新幹線に乗って福島県・郡山へ。この日は郡山駅近くのホテルにひとりで泊まり、翌朝夫と落ち合いました。(彼は今回の旅行のために新幹線ではなく、車で出張していました)

車に乗って、まずは五色沼を中心としたリゾート地で知られる裏磐梯を目指します。途中、猪苗代湖を通りました。

志田浜というところに車を留めて、しばし美しい猪苗代湖の風景を眺めました。湖畔には砂浜があり、水ははるか先まで透き通っています。穏やかに水をたたえた青い湖のなんと美しいこと。白鳥が飛来する ”白鳥の湖” としても知られているそうです。

日本で4番目に広い湖で、地図でもよく目立つので子どもの頃から知っていましたが、美しい緑の森に囲まれた湖は、それほど観光地化されていなくて、静かで神秘的な佇まいを見せていました。

志田浜を出て、一路裏磐梯へと向かいます。正面に見えるのは磐梯山 (たぶん)。福島を代表する山です。山肌にスキー場があるのがわかりますね。米どころでもある福島は、周囲の水田風景も美しかったです。

磐梯山を東側からぐるりとまわり、訪れたのは諸橋近代美術館です。サルバドール・ダリのコレクションにおいて、世界第4位の規模を誇るこちらの美術館は、いつか訪れたいと思っていました。

裏磐梯の美しい自然の中、1999年に創設された美術館です。川の流れる広大な敷地にたたずむ建物は ”中世の馬小屋” をイメージしているそうです。西洋的な建物ながら周囲の景観にみごとに調和し、またダリのイメージにも合うすてきな美術館でした。

美術館の敷地を流れる美しい清流。

美術館の前にはモネを思わせる水連の池。

向こうに見えるのは吾妻山でしょうか。美術館の敷地全体がみごとな庭園となっているとともに、周囲の雄大な自然が借景となっているのがすばらしかったです。

美術館については次回に続きます。

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マリッジ・ストーリー

2022年09月23日 | 映画

アダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソン主演。夫婦の危機を描いたヒューマンドラマです。

マリッジ・ストーリー (Marriage Story)

2019年のNetflixオリジナル作品です。アダム・ドライバー主演作なので楽しみにしていました。監督は「イカとクジラ」「フランシス・ハ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック。

バームバックのこれらの作品、クセがあるけれどどれも好きです。ニューヨークが舞台で、さりげない日常や不器用に生きる人たちが描かれていて、映像や台詞にセンスを感じます。どこかジム・ジャームッシュにも通じる世界があって

私はこういう作品につくづく弱いんだなーと思います。そしてアダム・ドライバーは、こういう作品にぴたりとはまる役者さんなのですよね。本作のアダム・ドライバー、私はとっても好きです。

(未見ですが) ミュージカル映画「アネット」にも出演している彼は、本作で歌を披露しています。この歌もまた、すごくよかったですよ。

本作は、チャーリー (アダム・ドライバー) とニコール (スカーレット・ヨハンソン) が互いの長所を話すところからはじまります。それはまさに ”私だけが知っている彼/彼女のいいところ” で、二人がどれほど相手を愛しているかが伝わってきて「パターソン」みたい!

と私は思ったのですが、実はこれは離婚を考えている二人をなんとか思い留まらせよう、というカウンセリングで、結局二人はその手紙を相手に読み聞かせることなく、離婚への道をまっしぐらに進むことになるのでした。

夫婦の危機を描いた作品といえば、古くは「クレイマー、クレイマー」少し前だと「レボリューショナリー・ロード」「ブルー・バレンタイン」などが思い出されます。いずれも夫婦が相手を激しくののしる場面を見るのがつらくて

どちらかというと苦手なタイプの映画なのですが、(激しく言い争う場面があるのにもかかわらず) 本作のことはなぜか嫌いになれなかったのです。それは二人が相手のことを心から憎んでいるわけではないことが伝わってくるから。

結婚という形ではなくても、新しい形でのパートナーとして、そしてひとり息子の親として、これから支え合っていくことになるのではないかしら...? こういう関係もありかも?と思えるラストでした。

それからニコールの凄腕弁護士ノラを演じるローラ・ダーンが最高でした。チャーリーとニコールは最初は二人だけの話し合いで穏便に離婚するつもりだったのですが、ニコールが雇ったノラが、少しでも離婚をニコールに優位に進めようとがんがん攻めるので

思いがけない熾烈な戦いとなります。ノラの情け容赦ない攻撃に、ニコールもさすがにチャーリーに対して申し訳ない気持ちになったりして? ノラの、パワーを感じさせる攻めのファッションもすてきでした。

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水のかたち 《源平合戦図》から千住博の「滝」まで

2022年09月18日 | アート

招待券をいただいて、山種美術館で開催中の「水のかたち 《源平合戦図》から千住博の「滝」まで」を見に行ってまいりました。

過去に何度か書いているかもしれませんが、広尾にある山種美術館は、私にとって ”小さな宝石箱”と呼ぶのにふさわしいお気に入りの美術館です。山種美術館は山種証券の創業者、山崎種二さんが創設された日本画の美術館ですが

山種氏は巨匠の日本美術を収集するだけでなく「山崎美術鑑賞」を創設して、若い日本画家たちの芸術活動を支援してこられました。そのような経緯もあって、近代日本画作品が充実していることも、私の好みに合っているのかもしれません。

今は孫の山崎妙子さんが館長をされていますが、着物の着こなしが華やかなすてきな方です。Twitterでの情報発信や、趣向を凝らした企画展、カフェでいただける企画展にあわせた和菓子。自前の所蔵品だけで魅力的な展覧会を毎回開催できるのもすばらしい。

今回の企画展は 「水のかたち」。2016年にも「水を描く」という同じテーマの作品展を拝見しましたが、過去記事を見ると、私はやっぱり同じ作品に心惹かれていて、自分でも驚きました。人の好みは意外と変わらないものなのですね。

奥村土牛 「鳴門」 1959年

最初に私たちを出迎えるのはこの作品。山種美術館を代表する所蔵作品のひとつで、私も何度か拝見していますが、何度見てもすばらしい。実はこの作品にあわせて、この日はミントグリーンのスカートで出かけたのでした。

歌川広重 「阿波鳴門之風景」 1857年

今回、鳴門を題材にした作品が3点ありました。こちらは広重の描いた鳴門です。空の上から俯瞰した構図で、鳴門という自然現象を淡々と記録しているような印象も受けました。

石田武 「鳴門海峡」 1992年 (美術館のサイトからお借りしました)

もうひとつの鳴門は石田武さんの作品。石田武さんは以前拝見した「千鳥ヶ淵」という作品もお気に入りです。石田さんの作品の色使いや構図がとても好きです。この作品は群緑という一色の岩絵具を使って描かれているとあり、表現の豊かさに感嘆しました。

渦を巻く瞬間の水の厚みがリアルで、見ていると吸い込まれそうです。昔、ナイアガラ滝を見た時に、滝が流れ落ちる瞬間に、まさにこのような水の厚みがあって、吸い込まれそうになったことを思い出しました。

川端龍子 「黒潮」 1932年

「水を描く」展では、川端龍子の「鳴門」が展示されていましたが、今回は「黒潮」が展示されていました。龍子の「鳴門」と同じく群青を大胆に使った作品です。群れを成して跳ぶトビウオの目がいきいきと輝き、生命力を感じました。

千住博 「ウォーターフォール」 1995年

千住さんのウォーターフォールシリーズは、直島の家プロジェクトや、軽井沢の千住博美術館、本作品も「水を描く」展で見ていますが、何度見ても引き込まれ、圧倒されます。

無駄をそぎ落としたシンプルな作品に見えますが、上から流れ落ちる水と、それを受け止める滝つぼ、下から跳ね上がる水しぶき、とそれぞれどのように描き分けているのだろうかと想像力を掻き立てられます。

5色の滝を並べた「フォーリングカラーズ」も展示されていましたが、ウォーホルみたいな趣向が感じられ、こちらも好きな作品です。

中村正義 「日」 1969年

今回の展覧会では水のかたちを、雨と霧、川、滝、海、雪に分けて展示していました。本作は雪のコーナーにあった作品ですが、大雪のあとの晴れ渡った翌日、しんと静まり返った一面の雪の情景が頭に浮かび、心が洗われるような感動を覚えました。

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荒野に希望の灯をともす

2022年09月16日 | 映画

1984年から医療活動と用水路建設によって、アフガニスタンを支え続けてきた医師 中村哲さんの活動を追ったドキュメンタリー映画です。

荒野に希望の灯をともす

中村哲さんのことを初めて知ったのは、私が再就職する前に通っていた大学の、国際関係の授業でです。授業で中村哲さんが取り上げられ、このような尊い活動を長年地道に続けてきた日本人の方がいることを知り、感銘を受けました。

今回、中村哲さんのドキュメンタリー映画が上映されると知り、当時のクラスのグループLINEにメッセージを送ったところ、声を掛けてくれたクラスメートがいて、いっしょに見に行くことになりました。

場所は、主にドキュメンタリー映画を上映している小さなシアター、ポレポレ東中野です。渋谷のアップリンクが閉館してしまった今、こういうシアターはとても貴重です。

Twitterでもじわじわ話題になっていた本作。小さなシアターがほぼ満席という盛況ぶりで、うれしくなりました。しかも、若い方たちが多く足を運ばれていたことが意外でもあり、希望を感じました。

中村哲さんは海外協力チームの医師として、パキスタンとアフガニスタンで20年以上の間、ハンセン病患者の治療にあたってきました。十分とはいえない医療環境の中、重病患者たちを診療し続けてきた原動力は何だったのか。

中村哲さんの背中を押したのは、このまま放っておくわけにはいかない、という医師として、人間としての使命感だったのだと思います。そして、このような病気を引き起こす原因は貧困にあると確信し

この地に住む人たちが農業に糧を得て、豊かな生活が送れるよう、遠く離れたクナール川から乾燥した荒野まで、用水路を建設するという途方もない事業を始めます。そのために中村医師は、医学とはまったく畑違いの、土木の勉強をはじめるのです。

挑戦が実を結び、荒野に草が芽吹き、作物が育ち、何年もかけて緑の大地となりました。私は大好きなジャン・ジオノの「木を植えた男」を思い出し、このようなことがほんとうに起こるのだと心を打たれました。

事業は必ずしも順調に行ったわけではなく、干ばつや洪水によって、豊かな大地があっという間に荒野にもどることもありました。それでも中村哲さんは決してあきらめず、逃げ出さず、再び用水路を建設するのでした。

映画の中で、中村哲さんがすべての苦難を受け入れ、神に導かれるように前向きに生きる姿に、私はこの方はクリスチャンではないかと確信しながら見ていましたが、はたして後からそのことを知って、深く納得しました。

アフガニスタンの人たちから絶大な信頼を得ていた中村哲さんですが、2019年12月4日、仲間とともに車で移動中、何者かに襲撃され、命を絶たれてしまいます。私がまさに授業で中村哲さんの活動を知ったばかりの時で、あまりのことに言葉を失いました。

それでも希望を感じたのは、中村哲さんが用水路建設を進めるにあたって、このノウハウを現地の方たちに伝えていたことです。この先、災害によってすべてが無に帰したとしても、現地の方たちは再び用水路を建設することができるのです。

中村哲さんが残した非暴力による防衛と不屈の精神は、これからも人々の中に生き続けることと思います。

***

映画の後、神楽坂に住む友人が連れて行ってくれたのは インド料理 想いの木。ほのかなアロマとゆらめく灯りの中、静かにお酒とインド料理を楽しむ大人の空間です。あれやこれやと話がはずみ、久しぶりに夜遅い帰宅となりました。

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レディー・ガガ @ベルーナ・ドーム

2022年09月09日 | 舞台・音楽会

先週末、レディー・ガガの来日公演に行ってまいりました。

レディー・ガガの最新アルバムを冠した The Chromatica Ball というワールドツアー。場所は埼玉・所沢にあるベルーナ・ドーム (西武ドーム) です。初めて訪れましたが、ドームでありながら解放感があってすてきな球場でした。

ガガは楽曲のすばらしさもさることながら、稀代のエンターティナーでもあるので、生のステージをとってもとっても楽しみにしていました。そして期待以上に楽しかったです! パワフルでゴージャスなガガの魅力を堪能しました。

私たちの席はステージからは離れていますが、真正面のボックス席だったので、ゆったりしていて快適でした。これはコンサートが始まる前のステージの様子です。アルバムのイメージにあわせて、ハードでゴシックな雰囲気です。

Bad Romance からコンサートはスタート。コンサートはACT 1・2・3・4と舞台形式になっていてそれぞれテーマがあるのですが、ダークで背徳的なイメージ。黒の女王様風ファッションがかっこいい! ヒットナンバーの数々に酔いしれました。

そして時々ぶおっ!と炎が噴き出します。私の写真だと迫力が伝わらないですが、天井まで届くほどに火柱が上がって、会場の熱気に火がつくような勢いです。

アリーナ席に座るファンの中を縫うように練り歩いて、中央のステージへ。ゴールドの衣装に身を包んだガガが、ピアノを弾きながら歌い始めたのは映画「アリー スター誕生」(A Star Is Born) の Shallow、Always Remember Us This Way と続くスローナンバー。

ガガのノリノリのダンスナンバーも大好きですが、ピアノ好きの私はこの ACT に心を奪われました。音楽が好き、ピアノが好きというガガの原点のようにも感じられて。そして、時々「東京!愛してます!」とファンサービスも忘れない。^^

パープル&ブラックの昆虫風の衣装。ハデハデのファッションに目が釘付けになりました。この日は観客の中にも、全身黒に網や、黒のシースルーといったガガ風のファッションでキメている人がいましたよ。

アリーナ席の人は手首にLEDライトをつけていて、曲に合わせていろいろなカラーに変わるようコントロールされているようです。手首の動きにあわせてゆらゆら揺れるのが幻想的でとってもきれいでした。

ピアノ好きの私が、もうひとつ楽しみにしていたのは、ガガのステージで使われる Piano Arc という円形のピアノ。(ステージの奥に小さく写っています) ガガのキーボード奏者である Brockett Parsons さんが生み出したピアノなんですよ。

FINAL ステージのあと、アンコールで歌ってくれたのは映画「トップガン マーヴェリック」の主題歌 Hold My Hand。心憎いエンディングでした。

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