セレンディピティ ダイアリー

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アアルト型で 北欧風シナモンキャラメルクッキー

2019年02月28日 | 料理

アルヴァ・アアルトを代表するデザインといえば、サヴォイ・ベースというガラスの花瓶。もとは、ヘルシンキにあるサヴォイというレストランからの依頼で作ったことから、この名がついたそうです。

アアルト・ベースとよばれるくらい、この形はアアルトのトレードマークとなっていますが、デザインはフィンランドにたくさんある湖をイメージしているとも、オーロラをイメージしているともいわれています。

アアルト・ベースを取り扱っている Iittala (イッタラ) のお店で見つけたクッキー型を使って、北欧風のシナモンキャラメルクッキーを焼きました。

あらかじめ作っておいたカラメルソースと、シナモンを入れて焼きました。どことなく北欧のシナモンクッキーに似た味です。

型抜きクッキーは生地に余白ができるので、隙間はより小さい型で抜き、さらに生地を練り直し...と、いろいろな形のクッキーができました。蝶々とお花と...子どものお絵描きみたいですね。

家にあるクッキー型いろいろ。実はこの倍くらいあります。最近はあまりクッキーを焼く機会がなくなったのでこんなに必要ないのですが、どれも思い出があってとても処分する気になれません。><

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アアルト展を見た東京ステーションギャラリーは、東京駅丸の内駅舎の中にあって、古い建築をそのまま生かした造りとなっています。

階段ホールは駅のドームと同じ八角形です。吹き抜けの天井にはクラシックな吊り照明。円い窓には愛らしいステンドグラス。

階段の壁は、摩耗した煉瓦やさび付いた鉄骨がそのまま生かされていて、駅の歴史を物語っているようです。

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アルヴァ・アアルト もうひとつの自然

2019年02月27日 | アート

東京ステーションギャラリーで開催中の「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展を見に行きました。

昨年秋に、葉山で開催されていた時から気になっていた本展。その後、東京に巡回すると知って楽しみにしていました。フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトの生誕120年を記念して世界5か国で開催される巡回展で、日本では20年ぶりに開かれる個展です。

アアルトといえば、日本では家具や照明、ガラス器などでおなじみですが、肝心の建築に関しては、多くがフィンランドにあるために、なかなか見る機会がありません。本展では、写真、設計図、模型、映像など、さまざまな資料をもとに、アアルトの建築家としての足跡をたどることができました。

また、アアルトが建築に合わせてデザインした、アームチェアやスツール、照明器具なども展示されています。これらの製品は、おそらく誰もがどこかで見たことのあるおなじみのデザインですが、半世紀以上経た今もなお、多くの人々に支持され、生産が続けられているのはすごいことだと思います。

アアルトのデザインは機能的でシンプルですが、それらはフィンランドの豊かな自然の中にある有機的なフォルムを取り入れているのだそうです。自然界にあるものはすべて、その色や形に道理があるからなのでしょうね。アアルトのデザインに安らぎを覚えるのも、自然との調和があるからかもしれません。

ヴィーブリ(ヴィーボルク)の図書館 ロシア 1927-35

バイミオのサナトリウム フィンランド 1928-33

バイミオのサナトリウム フィンランド 1928‐33

ステーションギャラリーの八角形の小部屋に、病室の再現展示がありました。白とミントグリーンで統一された、清潔でシンプルな空間でした。

ルイ・カレ邸 フランス 1956-59

フィンランディア・ホール フィンランド 1962-71

ニューヨーク万博フィンランド館 1939

サヴォイ・ベース(アアルトの代表的な花瓶)を思わせる曲線ですが、オーロラをイメージしているそうです。

家具や日用品の展示室。ティ・トローリーやアームチェアなど。合板を曲げる過程を紹介する映像もありました。

サヴォイ・ベースを作る過程も映像で紹介されていました。ふくらませた柔らかいガラスを型に入れて作っていました。写真は1937年頃使われていた木製の型。

展示室を出たところには、アアルトが設立したインテリアブランドArtekさんの展示コーナーも。ステーションギャラリーの赤レンガの壁によくマッチして、プライベートな空間のようですね。

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The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ / 白い肌の異常な夜

2019年02月25日 | 映画

同じ「The Beguiled」を原作とする映画、新旧2作品を見ました。

舞台は、南北戦争期のバージニア。人里離れた寄宿学校で7人の女性たちが密やかに暮らしていました。ある日、生徒の一人がけがを負った北軍兵士を見つけ、学園に連れて帰ります。女性たちはとまどいながらもキリスト教の教えに従い、この敵軍兵士を匿い介抱しますが、やがて兵士に心奪われるようになり、互いに嫉妬を募らせていく...というストーリーです。

1971年にドン・シーゲル監督×クリント・イーストウッド主演で映画化されましたが、2017年にはソフィア・コッポラ監督がニコール・キッドマン主演で再映画化しました。前者が男性兵士の視点、後者が寄宿学校の女性たちの視点で描かれているので、比較しながら楽しめました。

The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ (The Beguiled) 2017

ソフィア・コッポラ監督の女の子テイストが実は好きで、作品は全部見ています。本作は気になりながら、シアターで見逃してしまった作品。負傷した兵士をコリン・ファレル、校長をニコール・キッドマン、教師をキルスティン・ダンスト、最年長の生徒をエル・ファニングが演じています。

森の中の白い洋館で、肩寄せ合いながら学び暮らす美少女たちの様子は、いかにもソフィア・コッポラの世界といった感じ。少し明るさを落とした映像も美しく幻想的でした。ただ、気になったのは戦争中にもかかわらず、戦闘シーンがまったく出てこないこと。女性たちもふわふわのドレスを着ていて、戦時らしい緊張感、現実感がありません。

あと一番違和感を覚えたのは、南部のバージニアが舞台なのにもかかわらず、黒人が一人も登場しないこと。これは後からイーストウッド版を見て、ソフィアがあえて出さなかったのだと確信を強めました。ソフィアとしては、あくまで兵士をめぐって牽制しあう女性たちの物語にフォーカスしたかったのかもしれませんが...。

女性たちは互いに美しさを競い、兵士に気に入られようと思わせぶりな態度をとりますが、あくまで控えめ。兵士は誘惑に抗えずに、とうとうある女性と夜をともにしますが、それだけで学園の女子全員を敵に回し、こんなひどい目に合わなければならないなんて~とちょっと気の毒になりました。^^;

とはいえ映画はおもしろかったです。ニコール・キッドマンの校長が怖くて適役でした。

白い肌の異常な夜 (The Beguiled) 1971

邦題にちょっと引きますが^^; 人気絶頂だったクリント・イーストウッドが、ハンサムな肉食系の兵士をエネルギッシュに演じています。ストーリーはソフィア版とほぼ同じですが、こちらは女性たちも積極的に兵士を誘惑していきますし、南北戦争の戦闘シーンも出てくるので

兵士が戦場にもどりたくないばかりに女性たちの恋心を利用しようとし、それがかえって彼を困難に陥れ、ドツボにはまっていく様子がリアルに伝わってきてよかったです。まあ、気の毒なことは気の毒なのですが...。

こちらには学園で働く黒人のメイドさんが出てきます。「風と共に去りぬ」に出てくるスカーレットのメイドさんのように、毅然としていて、兵士に対してもびしっと物申す姿がかっこよかった。どちらもおもしろかったですが、新旧対決はイーストウッド版に軍配を上げたいと思います。^^

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重ね煮料理いろいろ アクアパッツァなど

2019年02月24日 | 料理

最近はスマホでレシピを検索することが多いので、お料理本はすっかり買わなくなりましたが、昨年たまたま見つけて衝動買いし、今でもすごく役になっているのがこちら。

牛尾理恵「重ねて煮るだけ!おいしいおかず」

以前ご紹介した巻かないロールキャベツも、この本にのっていたものです。他にもいろいろ作っているので、本のご紹介をかねて、いくつかまとめてアップしようと思います。

重ね煮は、お鍋に材料を重ね入れ、調味料を加えて蒸し煮にする(ふたをして火にかける)という調理法です。厚手のお鍋がお勧めですが、ふたつきのフライパンでも作れます。簡単、ヘルシーでおいしくできることが注目されているようで、似たタイトルの本がたくさん出ていました。

例えばこれは「鶏肉と豆苗のごま油煮」を作るところ。お鍋に豆苗1パックと鶏むね肉、にんにくみじん切りを重ね、酒・ごま油・塩こしょうを回し入れ、ふたをして中火で7分蒸し煮にします。

お鍋いっぱいの豆苗があっという間に縮んで、たっぷり食べられます。豆苗をクレソンに、ごま油をオリーブ油に代えるなど、応用も自由自在です。

アクアパッツァ。お鍋にトマト、塩こしょうした白身魚、にんにく、アンチョビ、あさり、黒オリーブを重ね入れ、オリーブ油、白ワインを回し入れて蒸し煮にしました。私はトマトはプチトマト、魚は真鯛を使いました。簡単ながら華やかな一品。魚介と野菜から出るスープもおいしいです。

鶏肉と根菜のバルサミコ煮。お鍋にごぼう、れんこん、鶏肉、プルーン、ローズマリーを重ね入れ、酒・オリーブ油を回し入れて塩こしょう。蒸し煮にしたあとバルサミコ酢を混ぜます。こっくりとした旨味があって、お気に入りの一品です。

鶏肉のおろしオイスター煮。お鍋に大根おろしと鶏もも肉を重ね入れ、オイスターソース・しょうゆ・みりんなどで作った合わせ調味料を回し入れて蒸し煮にします。青じそをたっぷりのせていただきます。味としては和風ですが、オイスターソースのコクがプラスされ、滋味深い一品です。

本の表紙になっているお料理です。「骨付きチキンとトマトの重ね煮」とありましたが、これは鶏肉のバスク風ですね。私は骨付きでない鶏もも肉を使い、あらかじめ塩こしょうして焼いておきました。お鍋にトマト、たまねぎ、鶏肉、黒オリーブ、にんにく、ローズマリーを重ね入れ、蒸し煮にして味を調えました。

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THE GUILTY ギルティ

2019年02月23日 | 映画

警察の緊急通報指令室にかかってきた一本の電話から発覚した誘拐事件を、電話の音声だけをたよりに解決するデンマークのサスペンス映画。スウェーデン出身グスタフ・モーラー監督の長編デビュー作です。

THE GUILTY ギルティ (Den Skyldige / The Guilty)

警察の緊急通報指令室でオペレーターをしているアスガーは、ある日、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受けます。彼女からの電話ごしに聞こえてくる音声だけを頼りに、アスガーはこの事件を解決しようと奮闘しますが...。

電話の音声だけを頼りに誘拐事件を解決。舞台は警察の緊急通報指令室のみ。映画に登場するのはほぼ主人公のアスガー(ヤコブ・セーダーグレン)だけ、という実験的要素に満ちた異色サスペンスです。上映館が少ないのと、前評判が高かったこともあって、シアターはほぼ満席でした。

斬新なアイデアと予想外の結末。音声だけでストーリーが展開していくので、映像的にどうしても地味になってしまうのは否めませんが、主人公のアスガーと同じく、私たちも限られた情報だけをたよりに推理をはたらかせるのは、集中力を要するスリリングな体験でした。

今どきは、誘拐されたらまず犯人から携帯電話を取り上げられて、外界との接触を断たれるでしょうから、最初からどうもおかしい...とは思っていましたが、それはともかく、本件とは全く関係のないアスガーの過去が彼の行動に影響を与え、深みのある物語となっていたのが見事でした。タイトルのギルティについても、あれこれ考えさせられました。

映画を見ていくうちに、アスガーは実はもと警官で、過去の過ちからこの部署に左遷されてきたらしい、ということがわかってきます。最初はオペレーターの仕事に熱意がもてずに、同僚にも高飛車な態度だったアスガーですが、突然の誘拐事件に遭遇し、なんとか彼女を助けようと奮闘していくうちに、彼の中に警官としての情熱がもどってきます。

それはすなわち自分自身と向き合うことであり、ある意味自分の首を絞めることにもつながるのですが...。

ジェイク・ギレンホール主演でハリウッドでリメイクされることが決まっているそうですが、結末を知っていても楽しめるかな? でも見てみたい気もします。

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NINE pizza pasta :西小山のイタリア料理

2019年02月22日 | グルメ

西小山に用事があったので、ここでお昼をいただくことに。Google Maps でさくっと調べてNINE pizza pasta  (ナイン ピッツァ パスタ) さんに入りましたが、一見 町の食堂といった感じの小さなお店ながら、本格的な薪窯があり、焼きたてのピッツァもパスタもどちらもおいしくて感激しました。

ランチセットはいろいろありますが、私たちはピッツァかパスタに、サラダ・スープ・ドリンクがつく一番ベーシックなセットにして、ピッツァとパスタをシェアしていただきました。

食べかけで失礼します。グリーンサラダとミネストローネ。スープはシンプルながら野菜のおだしが滋味深く、とてもおいしかった。昼間だけど飲んじゃおうか、ということでスパークリングワインもいただいてしまいました。

名前は忘れましたが、シラス・プチトマト・ブラックオリーブののったビアンカピッツァ。もちもちも生地、薪窯ならではの香ばしさがあってとてもおいしい。シラスはすごく大きくてびっくりしました。

揚げナスのトマトソース・スパゲティ。こちらも全体がひとつの世界を作り出しているといった感じで、感動のおいしさでした。パスタのゆで加減もパーフェクトでした。

ランチはピッツァとパスタですが、夜は本格的なイタリア料理がいただたけるようで、黒板に書かれた前菜やお肉料理など、どれもおいしそうでした。たまたま見つけたお店ですが、今度改めてまた訪れたいです。

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西小山には業務スーパーがあるので、帰りにのぞいてみました。日常使いには少々遠いので、ふだんはめったに行きませんが、ここにはハラルチキン(イスラムの戒律にのっとった鶏肉)があるので、留学生のイベントの時にはいつもお世話になっています。

お店をひと回りしたら、おもしろいものを見つけました。

冷凍のエッグタルトです。ポルトガルでポピュラーなお菓子ですが、以前作ろうとしてうまくできなかった苦い思い出が...。^^; これもポルトガルからの輸入品でした。すでに焼き目はついていて、冷凍したままオーブントースターで軽く温めるだけでおいしくいただけます。

いい感じに焼けました。壊れないようアルミのカップに入っているので、食べる時には外します。

プレーンなエッグタルトはパイ皮にカスタードクリームが入ったものですが、これは底にチョコレートクリームも入っています。ナイフを入れるとチョコクリームがとろ~りと。おいしくいただきました。

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お寺の参道沿いに紅梅が咲いていました。満開は過ぎていましたが、華やかな愛らしさに顔がほころびました。白梅はようやく咲き始めたところでした。寒い中にも春の訪れを感じる今日この頃です。

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女王陛下のお気に入り

2019年02月21日 | 映画

18世紀のイングランド王室を舞台に、アン王女と彼女に仕える2人の女官の間の愛憎劇を、ブラックな笑いをからませて描いた歴史ドラマ。オリビア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズが共演しています。

女王陛下のお気に入り (The Favourite)

18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。アン女王(オリビア・コールマン)に仕える女官サラ(レイチェル・ワイズ)は、女王を意のままに動かし、絶大な権力を握っていました。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイル(エマ・ストーン)が宮廷に入り、ひょんなことからアン女王の侍女を務めることに。

サラはアビゲイルを牽制しますが、アビゲイルは再び貴族の地位を得て、サラの立場に取って代わろうと女王に積極的に近づきます...。

予告を見た時には、女王の傲慢ぶりや女同士の鞘当てに、私が苦手そうな作品だな~と警戒していたのですが、批評家たちの評価が軒並み高く、アカデミー賞にも多くの部門でノミネートされているので、つい気になって見に行きました。大好きなレイチェル・ワイズが出ているというのにも背中を押されました。

でも結論からいうと、私には合わなかった。もともと人間の悪意を描いた小説や映画が苦手というのもあるし、単純な人間なのでブラックユーモアはどちらかというと苦手。本作も、エログロナンセンスのどぎつい笑いについていけませんでした。この笑いが受け入れられるかどうかが、本作の好き嫌いの分かれ道になるかと思います。

監督は、ここ数年ヨーロッパの映画賞を総なめにしているギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督。どの作品もクセが強そうで、これまでなんとなく敬遠してきたので、見たのは本作が初めてです。

お下劣なイギリス王室がこれでもかと描かれていますが、Wikipediaをいろいろチェックしてみると、登場人物と関係性、戦争をめぐる両党の駆け引きなど、意外と史実に基づいていることに驚きました。^^; イギリス王室はこの映画を見てよく怒らなかったなーと思いますが、そういえばこれまでも映画には寛容でしたね。

私好みの映画ではないけれど、アン、サラ、アビゲイルの3人の女性たちの駆け引きはスリリングで見応えがありました。そしてそれは演じる3人のオスカー俳優たちによる演技バトル?でもありました。俳優たちのプロ根性、役者魂に圧倒されました。

この映画を見て、女は怖いというコメントもちらほら見ましたが、それは違うと思いました。愚かなリーダーに気に入られたくて、なりふり構わず取り入ろうとする側近の姿、というのは今の時代にもよく見る光景。ラストはちょっぴりほろ苦く、シェイクスピアのリア王を思い出したりもしました。

歴史劇に現代の要素を織り交ぜた演出ですが、それは衣装にも表れていて、ウエストをぎゅっと絞ったクラシックなドレスながら、黒と白をシャープに生かしたデザインというのが斬新。サラのパンツ姿もかっこよかった。不安を掻き立てるような通奏低音は、映画「セヴン」のクライマックスを思い出しました。

それから、ニコラス・ホルトくんがマッド・マックスばりの白塗りで出ていました。^^ 最初は気がつかなかったですが、瞳の色でわかりました。エンドロールのデザインも凝っていましたが、均等割付になっていてすごく読みづらかったです。^^;

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cafe SINGAPURA :六本木のシンガポール料理

2019年02月18日 | グルメ

六本木ヒルズの近くにあるシンガポール料理レストラン cafe SINGAPURA (カフェシンガプーラ) にお昼を食べに行きました。けやき坂を下りると正面に見えて、以前から気になっていたお店です。

東南アジアの交易の要で、古くから各国の文化が集まっていたシンガポール。お料理も、中国風、マレーシア風、インドネシア風とバラエティ豊かなラインナップでした。お昼のセットは特に用意されていなかったので、アラカルトのメニューから3品選んでシェアしていただきました。

キャロットケーキ 大根餅の卵炒め。おもしろい名前に惹かれてオーダーしてみました。キャロットケーキといってもスイーツではありません。大根餅といえば点心にあって私も大好きですが、これはそれをダイスにカットして、卵といっしょに炒めたお料理です。大根餅チャンプルーといったところでしょうか。

私はこのお料理、とっても気に入りました。添えてあるサンバルをつけて食べてもおいしいです。サンバルはインドネシア料理やマレー料理で使われるピリ辛調味料で、食べるラー油に似ています。いろいろ種類があるようですが、これは海老の風味がしました。

シンガポール・サテー。シンガポール風焼鳥です。鶏はもも肉で、卵をくぐらせて焼いてありました。こちらのサンバルは、肉味噌風のちょっと甘みのあるお味でした。

クレイポット・ライス 鶏肉と腸詰の土鍋ごはん。シンガポールのごはん料理といえば海南鶏飯がよく知られていますが、ちょっと変わったものが食べたくてこちらに。土鍋に入ったジャスミンライスの上に甘辛く味付けた鶏肉、腸詰肉、青菜がのっていて、お店の人が目の前で全体を混ぜてくださいました。

ごはんはおこげがなかったので、たぶん炊いてから土鍋に入れたのかな?と思いましたが、ごはんに鶏肉の甘辛ソースが移ってとてもおいしかったです。こういう食べ方、どことなく石焼ビビンパに似ていますね。サンバルもどことなくコチュジャン風でした。

(お店のHPよりお借りしました)

店内もアジアンテイストで、旅の気分が味わえました。この後、映画を見に行こうか~ということになりましたが、それについてはまた次回。

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Restaurant Perfumes :東五反田のフランス料理

2019年02月16日 | グルメ

東五反田にあるフランス料理 Restaurant Perfumes (レストランパフューム) さんでランチのコースをいただきました。車の方が早いですが、この日はアルコールもいただくつもりだったのでバスで行きました。電車の場合は五反田と高輪台の間、桜田通り沿いにあります。

お店はアットホームで飾らない雰囲気ですが、お料理は本格的でとてもおいしかったです。アンティーク家具と現代アートが不思議とマッチしてすてきでしたが、後でお店のHPを見たら、アーティストはシェフの小学生時代のお友達とのことです。

スパークリングワインで乾杯して... 最初の小さな一皿はフォアグラのムースです。フォアグラは重くて少々苦手ですが、これはクリームチーズのようになめらかで、軽やかな口当たりでした。ちょこんとのったいちごと、ラズベリーのソースがよく合いました。バターの香り豊かなテーブルロールもおいしかった。

前菜は2種類から選びます。これは「ヤリイカと牡蠣のソテー パセリバターソース」。シンプルながらバターのコクがプラスされ、むっくりとした素材のおいしさが楽しめました。

私は「真鱈白子のパン粉焼き オニオンコンフィソース」をいただきました。白子は食べ慣れない食材なので迷いましたが、これは正解。白子がとろりと溶けて、まるでクリームコロッケのようでした。限界まで炒めてコンソメでのばした玉ねぎのソース、寒締めほうれん草、トマトソース、初物のたけのこ、すべてが最高でした。

お魚料理は、北海道の真鱈のソテーとアスパラガス。2種類のソースとともにおいしくいただきました。

お口直しは、信州産のりんごと白ワインのグラニテ。さっぱりとした一品。

メインのお料理は2種類から選びます。こちらは「オーストラリア産牛肉の低温ロースト 森のベリーソース」。いわゆるローストビーフですが、柔らかくて素直なおいしさでした。

私は「北海道産エゾジカのロースト ソースグランブヌール」をいただきました。先日エゾジカが気に入ったので、また食べたくなりました。生命の力強さを感じるお味です。菜の花・ブロッコリー・かぼちゃ・きのこ・黒大根。野菜たちも美しい。

デザートです。ピスタチオのアイスクリームと、ふわっとした食感のパウンド風のケーキ。フルーツはいちご、キウイ、キンカンのコンポート、パイナップルはローズマリーの香り。

最後に深煎りのコーヒーを、フィナンシェ、ギモーヴ(マシュマロ)とともに楽しみました。

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帰りは池田山の住宅街を通って目黒まで歩きました。

皇后陛下 美智子様のご実家・正田邸の跡地が「ねむの木の庭」という公園に整備されています。美智子様がお歌に詠まれたねむの木をはじめ、ゆかりの樹木・草花が植えられているそうです。今は冬枯れの時期で残念ですが、バラがたくさん植わっていたので、花が咲いたら見事でしょうね。門も美智子様のご成婚時そのままの形で残されています。

その後は池田山公園へ。高低差を利用した地形の変化に富んだ公園で、裾には見事な日本庭園がありました。すぐ近くにある八芳園に少し作りが似ています。鯉もたくさんいましたが、エサをねだることなく優雅に泳いでいました。

花の季節でないのが残念ですが、唯一 蝋梅(ろうばい)がちょうど見頃で香りがすばらしかったです。目黒までの道の途中には、ベラルーシ、インドネシア、タイと大使館も多く、古めかしい大きな洋館をそのまま生かした重厚な官舎が、趣があってすてきでした。

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ミシェル・ルグランに捧げる

2019年02月15日 | +映画のよもやま

1月26日にフランスの作曲家、ミシェル・ルグランが亡くなったというニュースを目にしました。1960年代から、数多くのミュージカルや映画音楽を手掛けてこられ、ジャズ・ピアニストとしても活躍されたミシェル・ルグラン。

私は一番好きな映画音楽家は誰か?と問われれば、最初に頭に浮かぶ作曲家です。特に「シェルブールの雨傘」と「ロシュフォールの恋人たち」が好きで、この2つの映画が組みになった2枚組のCDは大のお気に入り。2つともセリフがすべて歌になっているという画期的なミュージカルで、音楽を聴けば映画を”聴く”ことができます。

ハリウッドのミュージカル映画ももちろん好きなのですが、ヨーロッパならではの哀愁を帯びたメロディに心が震えます。ひとつ心残りなのは、ミシェル・ルグランは何度も来日しているのに、ライブを見逃してしまったこと。チャンスもあったのに、今となっては残念です。

さて、ミシェル・ルグランへの哀悼の気持ちを込めて、好きな3曲を映画のシーンとともにご紹介させていただきますね。どれも代表曲といえる作品です。

The Umbrellas of Cherbourg: opening credits

「シェルブールの雨傘」より 主題歌 (1963)

港町シェルブールを舞台に、戦争によって引き裂かれた恋人たちの物語。2人はのちにそれぞれ幸せになるのですが、完全なハッピーエンドといえないところにフランス映画らしい余韻を残します。名優カトリーヌ・ドヌーヴの出世作ですが、ドヌーヴはじめ歌はすべてプロの歌手が吹き替えをしています。

有名な主題歌は、アルジェリア戦争に出征するギイとジュヌヴィエーブの、シェルブール駅での別れの場面で歌われますが、私はオープニングのインストゥルメンタル・バージョンをご紹介します。石畳の上、クレジットに合わせて色とりどりの雨傘が上下左右に行き来するのが、なんともおしゃれですてきです。

LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT - La Chanson des Jumelles

「ロシュフォールの恋人たち」より 双子姉妹の歌 (1967)

シェルブール~と同じく、ジャック・ドゥミ監督・ミシェル・ルグラン音楽・カトリーヌ・ドヌーヴ主演のミュージカル。田舎町ロシュフォールに住み、パリに憧れている双子姉妹の物語で、カトリーヌ・ドヌーヴと実の姉が双子姉妹を演じているほか、ミュージカルスターのジーン・ケリー、ジョージ・チャキリスも出演しています。

オープニングの「キャラバンの到着」は車のCMに使われたこともあるので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私が今回ご紹介したいのは「双子姉妹の歌」。フランスのエスプリが存分に味わえる一曲です。

Thomas Crown Affair opening sequence

華麗なる賭け」より 風のささやき (1968)

こちらはアメリカ映画。スティーブ・マックイーンが大泥棒の大富豪を演じ、彼の正体を暴こうと近づく保険調査員をフェイ・ダナウェイが演じています。スティーブ・マックイーンもかっこいいですが、フェイ・ダナウェイがとにかくゴージャスでしびれます。2人の駆け引きに魅了されました。

主題歌の「風のささやき」(The Windmills of Your Mind) のシャンソンのような憂いのあるメロディにも惹かれます。劇中にも登場しますが、ご紹介するのはオープニング。スプリットスクリーンがかっこいい。

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