ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

夫婦喧嘩は犬も食わない『寒梅』

2019-05-10 08:07:34 | 人生を「生かす」には

@この小説の内容は下記の通りの密偵の探索捕物だが、その背景にあるのは事件の背後にある人情。特に夫婦喧嘩でちょっとした思い違い事が原因で離縁したいとまで訴える。ところがお互いの思い込み相違があり、第3者がそれを説明するとあっさり仲良くなる。正に「夫婦喧嘩は犬も食わない」の場面もあり楽しい。現実夫婦喧嘩はやはり「余計なお節介はしなくとも良い」というのが世間の話。 だが最近はDVなどで極端な行動も多く、できる限り周りが見てあげる(意見を言う)方が良いのかもしれない。子供が犠牲になるのは絶対に避けるべき親・周り関係者の務めでもある。だから、子供に何か著しい変化が見えた場合は「気付き」・「出しゃばって」も早めに第3者に相談した方が良いのかもしれない。

『寒梅』藤原緋紗子

  • 「消息と絶った密偵を探して欲しい」縁切り寺慶光寺の御用宿「橘屋」の用心棒・塙十四郎は、元老中の楽翁こと松平定信から密命を受けた。早速、越後入りした十四郎の前に現れたのは、二分された藩の実態と貧困に喘ぐ民百姓の姿だった。藩政とは、弱き者への慈しみが溢れた著者の代表シリーズ。
  • 楽翁(定信)の密偵平蔵とともに商人姿で越後(秋山藩)に入り偵察をする。秋山藩は5万石の小藩で、藩主は水野幸忠、まだ18歳で徳川由の藩主で悪い噂があった。それは藩主を毒で病弱にし家老の戸田家関係する息子を藩主にするべく、また米問屋と組み、闇カネを作り搾取しているという噂だった。先の密偵は家老と米商人との密約商売した詳細が書かれた物を奪い戻す為に殺害されたと断定。その詳細は密偵の暗号化された片から解読され土の中から 発見、貴重な証拠を掴む。
  • 藩主幸忠は藩医に毒を徐々に守らせた事を知りながら芝居を続け、家老とその他の家臣の動きを観察していた。ついに最も信頼していた菊田家老も娘への脅迫で止もう得ず戸田家側に就く。多勢に無勢で成敗するきっかけが掴めず苦慮しているところへ楽翁の支えとして参上した十四郎に策を投げ、家老等の悪を一網打尽にする。が、藩主幸忠は菊田家老を信頼し、藩の立て直しに奮闘することになった。
  • 一件落着を見た十四郎はさらに柏崎へ別の密偵深井輝馬と殺害事件の真相を探るべく尋ねる。それは田舎に関東から逃げてきた盗賊三人が百姓の家々に押し入り、勘定人等を殺害するという事件であった。が地方の奉行所は剣術に疎く十四郎と輝馬に嘆願する。疑いをかれられたのが最近夫婦喧嘩をした夫がカネ欲しさに博打に手を出し、そこに居合わせた盗賊に脅されたことだった。それは佐渡からの御用金・金銀輸送で柏崎にその一部を倉に保管している事を打ち明けた事だった。夫は十四郎等に訳を説明し盗賊が押し入る日に取り囲み一網打尽にした。その際、勘定奉行で盗賊に殺された下手人の腕を切り落とし、髻を手に入れて仏前に報告するようにした。その後盗人たちは江戸での処罰を受けるように護送させた。