@上司の命令は拒否できないが、拒否すれば自分の立場が無くなる。この書での立場は奉行所同心の与力の密命で恋に落ちた娘の父親を殺害する命が下った。それは与力の立場を守るがための家臣を捨て身の命にした、選択肢に悩む生き様だった。 現代風であれば上司の命令に背き、結果的に会社を辞める。という内容かもしれない。昔の上司は「成功の経験」を基に考えが古く市場の流れに適合していない場合も多々ある。強引に進める上司も中にはあるが、今は「提言」として進める必要が必要だ。それには必ず必須な条件と内容が伴わなければ拒否される。世間には多くのノウハウがあるが、その一つ、それは1、課題・問題点を明確に、2、その理由を付け、3、対処方法が理解・納得できること。それには3つ位の選択肢を提言し、自分が選ぶ選択理由を述べること。 これで上司を納得させれば・・・迷う事は無い。
『乱れ舞』藤井邦夫
- 「乱れ舞」
- 薬種問屋の主が惨殺され、娘が身投げをした。老人に手篭めにされ、強請られていたのが原因だという。そこで浮かび上がったの浪人・宗方慎之助は、元は直参旗本、そして秋山久蔵の幼馴染だった。追い詰められ、「公儀に恨みを晴らす」とい言い残して死んだともの無念に、久蔵は隠された悪を暴くことを誓う。
- 宗方は金奉行で御金蔵の火事騒ぎを起こした失態で当時の勘定奉行の加納播磨守に汚名を着せられた。浪人となった宗方は他の浪人と一緒に金目当てで薬問屋の主人を殺害。が実は「毒薬」(眠り薬)も盗まれていた。「金」「毒薬」で謎だらけで真相がつかめない。
- 幕府の御三家、田安家、一橋家、清水家の清水家家臣の伊沢家の跡取りが博打で失態、それを知った宗方が親を脅していた。それは江戸城へ入る鑑札を手に入れることだった。
- ところが久蔵との捕り物で殺害容疑の宗方は自刀し、果てたが「恨みは晴らす」と遺言を残した。死んで恨みを果たすとは、と疑問が浮かび探索する。それは、宗方の妻が、宗方が書いた江戸城の金蔵の場所の地図を持っており、盗賊の仲間と組んで江戸城の御金蔵を狙うことがわかる。毒薬は門番等を眠らせるためのものであったと判った。
- 久蔵は盗人の盗賊を捉え、全ての計画を加納播磨守に明かすと加納播磨守は幕府に秘密にできないことを悟り切腹、宗方の妻は江戸払いとなり尼となった。
- 「腐れ縁」「なごり雪」
- 「思案橋」
- 「思案橋」とは、昔吉原に行くか、立ち止まって思案したところから付けられた小舟町と堀江町の橋。
- 大名・旗本の屋敷ばかり狙って忍び込み、奪った金を貧乏人に分け与える盗賊「仏の文平」と名乗る義賊がいた。その党首が思案橋のたもとに蕎麦屋を2足の草鞋を営む父親五郎八は娘と暮らしていた。そこに隠密探索で奉行所同心の高村竜之進が偽証指南役になるまで仮住まいをすることになった。ある時久蔵に旗本稲葉家の榎本左内が訪れご先祖の銀の香炉が盗まれたとの話を受ける。香炉が売りだされれば稲葉家はお取潰しの上、切腹の命になると探索を願い出た。実は高村は万年与力の野田嘉門から過去の盗賊との関係が公儀にバレると立場が最悪となると考え即刻盗賊を惨殺するように命を下していた。
- 久蔵は盗賊一味を捉え、五郎八には娘を幸せにしたければ、自刀を進め、遺言を叶えることにした。「仏の文平」の所業を調べれば嘉門もただでは済まされないが黙秘し、娘には父親が盗賊の党首だとは名乗らず行方不明として高村に侍を辞めいい夫婦になることを進めた。