@死に対する専門家等生死観の意見書で、範囲は広く死に対する医学・哲学・倫理・葬儀・墓・遺品整理・芸術・生物学・霊柩車・死刑制度など、具体的には事件事故などの検視、解剖の現状から介護・遺品・送還など最後の葬儀までと現状を知ることは大切だ。気になった事は、日本は事件事故での解剖率が低く正当な死因を見出せていない事、無縁墓などから遺骨集約した永代納骨堂・樹木葬が急増しており、遺骨は指定された場所以外での散骨、土葬は法的に出来ないなどなど。現代一番の生前での課題は、デジタル遺品(暗号資産・決済アプリ・サブスクなど)への生前での対応、在宅介護で夜間セデーション(在宅介護でモルヒネ・睡眠薬で痛みや苦しみの緩和・夜は眠り朝目覚す)を利用できるなど時代に見合った技術・薬・介護サービスがあることなど知って得する事項が多い。
『死を考える』養老孟司ら
「概要」孤独死、絶望死、病死、事故死、自死、他殺……なぜ人は、年を取るごとに「死への恐怖」が高まっていくのか。人は必ず死ぬ。だからこそ、人は「どう生きるべきか」を、みな考えている。死から考える「人生の価値」、不死が人を幸せにしない理由、日本と諸外国との死生観の違い……医学・哲学・倫理・葬儀・墓・遺品整理・芸術・生物学・霊柩車・死刑制度などの専門家に、死への「正しい接し方」を聞く。
ー死を哲学する(養老孟司、香川知晶、鵜飼秀徳、内澤旬子、宮崎 学、永田憲史)
世界の墓事情・命の倫理観・供養心・屠る・生・死刑制度
染色体異常で9割中絶をする現代(倫理観)
日米のみが死刑制度を堅持・日本の絞首刑(14分~22分)、米国の薬物注射(3分)
ー死の科学(小林武彦、石 弘之、岩瀬博太郎、今泉忠明)
老い・感染症・解剖・動物の死
世界最年122歳、日本は田中かね119歳(3食しっかり食べる)
日本の多くは外見検視が主、解剖率は10%弱でフィンランド等は80%以上
解剖率が少ない日本の場合薬物での死亡は犯罪が見逃されるケースが多い
ー死の文化的考察(小池寿子、中村圭志、井出 明、山本聡美、坂上和弘、安村敏信、安田 登)
舞踏・死後の世界・記憶・九相図・ミイラ・幽霊・能
キリスト文化(メメント・モリ:死を記憶せよ)等の美術イメージが多い
ダークツーリズム(聖地の訪問:アウシュビッツ・原爆資料館など)
九相図(腐敗し白骨化した肢体の変化を9段階で表現した絵画:山口晃・松井冬子ら)
自らミイラになった本草学者(江戸時代の博物学者:国立科学博物館蔵)
幕末の不安を吹き飛ばした幽霊絵画(地獄極楽巡り図など)
「能」は死者(シテ)を主人公とする芸能:私が捨てた私(死んだ自分との再会)
ー死と儀礼と(山田慎也、長江曜子、小谷みどり、町田 忍)
葬儀・世界のお墓・日本のお墓・霊柩車
葬儀の変化(明治・大正・昭和と肥大化から自宅告別式へと変化)
火葬は1940年代に土葬用地不足から火葬に
火葬や供養が簡略化(関東では四九日百箇日法要も葬儀当日に納骨と合わせる)
墓石が変わったもの(夏目漱石・太宰治・岡本太郎など)
先祖代々のお墓(約三代位)無縁墓が増えている、納骨堂などに集約・樹木葬墓地
(散骨は法令で定められた場所のみ・墓以外に骨は埋めてはならない)
ー身近な人を葬る死の考現学(小笠原文雄、古田雄介、木村利惠、坂口幸弘、横尾将臣、田中幸子、武田 至)
在宅看護・デジタル遺品・送還・死別後・遺品整理・自死・火葬場
夜間セデーション(在宅介護でモルヒネ・睡眠薬で痛みや苦しみの緩和・夜は眠り朝目覚)
データ(日本基準)による診断で病気を作る(過剰処方箋)
デジタル遺品とはPC/スマホなどを利用した暗号資産(外部解読依頼で30~50万)
仮想通貨も相続税対象・決済アプリ・サブスクなどに注意(家族が知らない)
国際霊柩送還とは海外で亡くなった遺体を日本に送還する仕事(旅行・駐在・事故)
機内の気圧等で遺体の95%は体液漏れなど腐敗・感染症が問題
グリーフケアとは死別後の家族親族へのケア(空虚感、寂鬱感)支援
孤独死の遺品整理(死後一週間くらいで退役などコンクリートまで染み込む)
年間3万人の孤独死・セルフネグレクト(自己放任)
自死に向き合う団体(藍の会など)自殺で家族を亡くした人への支援
負の遺産苦悩なども含まれる(損害賠償被害)
火葬場の現状(家族葬・直葬など増加)
関西では一部の遺骨収集・関東では全部の骨を骨壷で回収
近年はガスバーナーを使用が増える
霊園・火葬場が一体化した施設増