MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

黒の挑戦者

2023-10-30 19:31:28 | 邦画
高度経済成長の日本の社会の暗部をえぐるというキャッチフレーズで衛星劇場ではこの“黒シリーズ”全作11本をOAしてきてるわけですが
ここまで見てきてる中でそのような作品って今まで3本くらいしかなく
あとは原作がある無しに関わらず犯罪を扱った作品に”黒の“のタイトルを適当に付けて公開してきているとしか思えない

今作は”黒シリーズ“.唯一のカラー作品でして、当時プログラムピクチャーとして二本立て興行している日本映画の興行システムの中でカラーで撮ってる作品はいわゆるAムービーと言って興行的にメインとなる作品と言うことになるんでしょうけども
今回の田宮二郎は弁護士そしてその助手に坪内ミキ子、それと弁護士と昵懇の刑事に山茶花究ということで
ある夜女性から田宮の元に電話があり
その女が死体で発見され、その女は妊娠中であったと言う自責の念から田宮が犯罪の匂いを嗅ぎつけて暴いていくという別に”黒シリーズ“、でなくても普通の犯罪映画の一本として公開しても良かった作品だし
わざわざ先に書いたカラー作品のAムービーだったことから推量して
 
多分に”黒シリーズ“作品として製作してなかったた作品をある意味タイトルに黒がついていたのと製作時期が重なって後世誰かが”黒シリーズ“にいれてそのまんまになってしまったんじゃないかって思うしかないような、なんのポリシーもない極々普通の探偵ものって言っていい内容の作品でしかなかった
 
仮面を付けた秘密パーティーとか悪の組織の女ボスには久保菜穂子さんとか
カラーのAムービーにふさわしい作品ですし
クライマックスでは拳銃まで悪党たちと撃ち合う田宮二郎のの役所は弁護士さんとか結構派手な作品ですが内容的にはさほどできのいい作品ともう言えませんが・・・
どこから見ても社会派サスペンス映画だと見えない作品でした
 
昨日見た白バイ警官の作品といいこれらはタイトルに黒がついてただけで後世の人が黒だけで黒シリーズものの仲間入りさせてしまったんじゃないんだろうか
っていうくらいある意味がっかりな作品でした・・・
 
1964年製作、日本映画、大映作品
村山三男監督作品
出演:田宮二郎、坪内ミキ子、藤原礼子、久保菜穂子、山茶花究、島田竜三、見明凡太郎、伊達三郎、毛利郁子、木村玄、
 
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パリタクシー

2023-10-30 05:05:54 | 洋画
今月最後の洋画リリース作品になるのかな
「バイオハザード」が有ると思ったら何とCGアニメだったので本作が今月ラストちゅうことかな
まぁまだ11月の新作リリース日まで作品が足らんちゅうことに・・・
なんとか埋めていかねばならないなぁ

さて今作ですがそんな作品が不足するからとレンタルしてきたんですが
そこはフランス映画、ある意味拾い物の人情コメディだった
っても役者さんはたった2名
それも尾羽うちからして明日の生活もままならないっていうかほんとお金で首が回らない、仕事は週休1日のみ、さらに今までの違反が溜まりに溜まって免停まで後2点の
タクシー運転手のシャルル
いつものようにタクシーで市内を流していると現時点でメーター回していいから郊外への迎車依頼
メーター回していいっていうだけでホイホイって迎えに行ったら、現在地の一人暮らしの家からパリ市内を横断する反対側の郊外の介護施設に転居する92歳の女性マドレーヌを乗せる羽目に

コリャえらいもん乗せてしまった、今日の稼ぎはこれだけやないかって不満からものも云わずに運転してるシャルルの気持ちを逆撫でするかのようにマドレーヌがなんと無遠慮に”私何才に見える?“って話しかけて来る
そんなタクシー空間の中で繰り広げられるシャルルとマドレーヌとの会話劇
ちゅうかある意味マドレーヌの92才までの第二次大戦前から現在に至るまでのマドレーヌの半生が、目的地に行く途中に色々と寄り道をさせられる中で語られていく
寄り道の場所は彼女の思い出が詰まった場所で、そうして少しずつマドレーヌの波乱の人生が明かされていくという仕組み

フランスでは 50年代はなんと男性中心の時代で、女性たちは多くの不条理の中に生きていたんですね、初めて知った“世の西洋はレディファーストの世界だ”と思い込んできましたが
それは私自身が昔数多く見てきた西部劇からの知識で未開の開拓地であるアメリカは新世界に渡って来る女性が少ないからレディファーストの社会であったってことなんですねぇ
そんな男社会の中で16才で米兵に恋して身篭ったまま捨てられて
未婚の母として工員と結婚して毎日DVを受けるものの子供のために我慢を重ねて
ついに爆発してなんと夫のあそこをバーナーで焼いて25年の刑期を務めて
その後は自分の生き方を貫いてきた彼女の思い出話を聞くうち、
シャルルのイライラいつしか消え、敬意の眼差しに変わっていき、己の信念を通して世渡りさえできない中年男が、この多様な時代を自分らしく生きた老婦人から人の生き方を教えられて心が変わっていくって言うハートフルな作品

原題は「UNE BELLE COURSE」劇中では“美しき旅路”って字幕化されていましたが、ここでいう旅路とは彼女の生きてきた人生であり、さらにパリ市街を走る今日一日のこのドライブの比喩でもあるのだろう。
さらにネタバレになるのだが
彼女を乗せたことで今後の人生がひらけたシャルルの余生でもあることがわかる

ある意味ベタに展開する人情噺の根幹をなすプロットでもあったわけで
「パリタクシー」などとわけ分からないような邦題にしたやつでこいや

2022年製作、フランス映画
クリスチャン・カリオン脚本・監督作品
出演:リーヌ・ルノー、ダニー・ブーン、アリス・イザーズ、ジェレミー・ラユルト、ジュリー・デラルム
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