日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
今月4日にDVDリリースされた作品ですが
先月と今月、日本映画専門チャンネルでもリピートOAされてる作品です。
元プロボクサー小笠原恵子さんの自伝『負けないで!』を原案に、三宅唱氏と酒井雅秋氏とが共同で脚本を書き、三宅唱氏が自ら監督した作品
このデジタル時代になんと16mmのフィルムで撮影した作品
耳の聞こえないヒロインの様々な感情の間(はざま)で揺れながらもひたむきに生きる姿勢と、彼女に寄り添う人々の姿を丁寧に描き出している作品だった
これほど丁寧に作られてる邦画は最近では稀有だとも言えるかなぁ
“目を澄ませて”は普通だったら”耳を澄ませて“ですよね
主人公は先天性の聾者ですからある意味喉から音声は出せてもそれは言葉にならないから啞者でもある
ただこの時代多分に義務教育は受けているから筆談も手話もできるから
朝は多分ラブホだと思うホテルの清掃員として働き、昼夜はボクシングジムでプロライセンス選手として汗を流しており
実家を離れてミュージシャン志望の弟さんと家賃をシェアして東京で生活しており
弟さんには彼女さんがいるようで・・・
まぁ耳が聞こえないからこのタイトルつけたということでこのタイトルもうまいなぁって思っていたんですが
まぁ耳が聞こえないからこのタイトルつけたということでこのタイトルもうまいなぁって思っていたんですが
なんと惹句に
<耳が聞こえない彼女の心は”雑音“だらけ>
ってあってなんと見終わって見たならば、この映画の全てをこの一行のコピーで表していたんですね
ってあってなんと見終わって見たならば、この映画の全てをこの一行のコピーで表していたんですね
誰だこれを書いた人は・・・
色んな意味で見る前にこの映画の情報が散りばめられていたんですねぇ
なまじ健常者だと聞こえることで、嫌な思いをしたりすることもあるけど、逆もまた然りでして、聞こえないから健常者は障害者への心ない言葉や態度を図らずもであったり意図的に表したりもする
なまじ健常者だと聞こえることで、嫌な思いをしたりすることもあるけど、逆もまた然りでして、聞こえないから健常者は障害者への心ない言葉や態度を図らずもであったり意図的に表したりもする
そんな健常者との出会いを極力自ら避けるようにして生きているケイコを岸井ゆきのさんが実に上手に演技されてるなぁって
ジムの会長やトレーナーの方々が実にこまめにそして丁寧に育てられてるとことか
ラブホ従業員たちのケイコとの接し方
そしてしまいには弟さんの彼女さんまでが手話を習ったりしていたりと
この映画に出てくる人で悪人というか障害者差別してくる人はだれもいない
誰もいないからこそケイコの心には雑音が始終こだましているわけで・・・
その聞こえない雑音で揺れるケイコの心情をしっかり映画という絵で表して見せてくれる三宅唱さんの手腕と岸井ゆきのさんの演技力にはつきた作品だったと言える
多分に機動力から言ってもデジタルで撮影した方が楽なんだろうけども
画面に現れるザラつき感さえもヒロインの心情として表したかったからあえて16mmでの撮影に拘ったんだろうって見終わって納得させられた
三浦友和さんの存在感って・・・
2022年製作、日本映画、映画「ケイコ目を澄ませて」製作委員会作品
三宅唱共同脚本・監督作品
出演:岸井ゆきの、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、中原ナナ、足立智充、清水優、丈太郎、安光隆太郎、渡辺真起子、中村優子、中島ひろ子、仙道敦子、三浦友和