CS衛星劇場で今月集中OAされてる大映の社会派サスペンスミステリー映画“黒シリーズ”の第一作にあたる作品
梶山季之さんが原作なのね、こう言った作品は高度経済成長の日本の暗部っていうか、裏側を描いており
”産業スパイ“なる言葉も新語大賞がこの時代に有れば、当然”大賞“を受賞していたんだろうな
って思わせられるような作品でした。
一応田宮二郎さんが第一クレジットではあるものの
この映画の実際の主役は高松英郎さんだと言っても過言では無い作品
ちゅうか彼と船越英二さんで持ってる作品
田宮二郎さんはさほど目立たない役でしたねぇ
時代的に戦後日本の経済発展を支えてきた基幹産業である自動車業界での新車発売をめぐる産業スパイ合戦
何せセリフとしても元関東軍だのって出てくるわけで
やっぱ昭和30年代後半の日本は未だ戦後を引きずっているのも事実なんでしょうね
先ほど田宮二郎さんは目立たない役所って書きましたが
イケイケどんどんの高松英郎に煽られて恋人で結婚まで考えてるホステスの恋人を
敵のスパイの大将である菅井一郎の通うバーに移転させるだけでなく
重要な情報を得るために高松英郎に唆されっていうか、昇進を餌にしてその肉体までの提供を求められて実行にうつす
会社のために恋人まで売るって言う非情な世界観を描かせる梶山季之原作も見事なプロットで構成されていたんでしょうね
今は文庫でも梶山季之作品はあまり読めないようですね
内部のスパイをもあぶり出すためとか二重スパイとか本当にすごい世界観で描かれたこの作品
会社のためなら人殺しもしかねない世界観でしたねぇ
社会派サスペンスシリーズの第一話には完全にふさわしい作品となって
これでシリーズ化っていうとこまではわかるんですが
第二作に宇津井健さんをキャスティングしたことによってイケイケどんどんの方向性がサラリーマンが犯人を追い詰めていくっていう方向に引っ張られて
ちょっとモタついてしまったのは仕方ないんですが
第六作から再び田宮二郎さんを迎えて第十一作まで田宮さん主演で作られたんですね
っていうことで
ここからは田宮作品を見ていきましょうかね
1962年製作、日本映画、大映作品
増村保造監督作品
出演:田宮二郎、叶順子、船越英二、高松英郎、見明凡太郎、竹村洋介、菅井一郎、上田吉二郎、長谷川季子、中条静夫、早川雄三、目黒幸子、町田博子