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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

黒の試走車(テストカー)

2023-10-18 20:08:11 | 邦画
CS衛星劇場で今月集中OAされてる大映の社会派サスペンスミステリー映画“黒シリーズ”の第一作にあたる作品
梶山季之さんが原作なのね、こう言った作品は高度経済成長の日本の暗部っていうか、裏側を描いており
”産業スパイ“なる言葉も新語大賞がこの時代に有れば、当然”大賞“を受賞していたんだろうな
って思わせられるような作品でした。
 
一応田宮二郎さんが第一クレジットではあるものの
この映画の実際の主役は高松英郎さんだと言っても過言では無い作品
ちゅうか彼と船越英二さんで持ってる作品
田宮二郎さんはさほど目立たない役でしたねぇ
 
時代的に戦後日本の経済発展を支えてきた基幹産業である自動車業界での新車発売をめぐる産業スパイ合戦
何せセリフとしても元関東軍だのって出てくるわけで
やっぱ昭和30年代後半の日本は未だ戦後を引きずっているのも事実なんでしょうね
 
先ほど田宮二郎さんは目立たない役所って書きましたが
イケイケどんどんの高松英郎に煽られて恋人で結婚まで考えてるホステスの恋人を
敵のスパイの大将である菅井一郎の通うバーに移転させるだけでなく
重要な情報を得るために高松英郎に唆されっていうか、昇進を餌にしてその肉体までの提供を求められて実行にうつす
会社のために恋人まで売るって言う非情な世界観を描かせる梶山季之原作も見事なプロットで構成されていたんでしょうね
今は文庫でも梶山季之作品はあまり読めないようですね
 
内部のスパイをもあぶり出すためとか二重スパイとか本当にすごい世界観で描かれたこの作品
会社のためなら人殺しもしかねない世界観でしたねぇ
社会派サスペンスシリーズの第一話には完全にふさわしい作品となって
これでシリーズ化っていうとこまではわかるんですが
第二作に宇津井健さんをキャスティングしたことによってイケイケどんどんの方向性がサラリーマンが犯人を追い詰めていくっていう方向に引っ張られて
ちょっとモタついてしまったのは仕方ないんですが
 
第六作から再び田宮二郎さんを迎えて第十一作まで田宮さん主演で作られたんですね
っていうことで
ここからは田宮作品を見ていきましょうかね
 
1962年製作、日本映画、大映作品
増村保造監督作品
出演:田宮二郎、叶順子、船越英二、高松英郎、見明凡太郎、竹村洋介、菅井一郎、上田吉二郎、長谷川季子、中条静夫、早川雄三、目黒幸子、町田博子
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ウィ、シェフ!!

2023-10-18 05:05:29 | 洋画
私はほとんどジャケットもあんまりみない人ですから黄色い色に誘われたのと、
今月作品が足りているのかいないのかって言う時のためとの兼ね合いで他に借りられる作品がなかったてのもあって、セットレンタルに組み込んだだけの作品でしたが、
なんと返却日が明日に迫ったとこでようやっと見ただけの作品でしたが、まさかこんなフランスが直面してる社会問題に真正面から取り組んだ作品だとは予想だにしてなかった。
大方超有名レストランの厨房で起きる騒動をコメディタッチで見せる作品だとばっか思っていた私が恥ずかしい。
 
いやオープニングからそんな雰囲気で始まり、超売れっ子でTVショーではもてはやされまくってるオーナーシェフと自分が作る料理の見てくれさとソースの味付けの点で一歩も譲れないスーシェフのカティではあるものの、そこは立場の違いで
自分のこと意思が通らないことから意地でその日にレストランを退職
“私の腕ならどこでも二つ返事で雇ってくれる”からって思っていたら
 
なんとどこも雇ってくれずに、新聞広告で美味しい言葉が並んでいたレストランに応募してみたら
なんとそこは移民支援施設で、収容者の食事担当
何人収容してるかわからぬままにシェフとしての自負ではいわゆる賄いの仕事を始めるもののそこは料理人としてのは自負があるから
料理が出るまでに2時間以上かかるは一人盛り付けにこだわったりと
最初は色々あるんだけれどって言うギャップの差が前半の面白さ
 
後半は移民の子たちがそれぞれの問題を抱えており
なんというか自分の置かれた立場もだんだんわかってきて
移民の子たちの職業訓練を兼ねて厨房で彼らに調理師としてのイロハを教える事になり
彼らとの交流を深める中で彼らの置かれている微妙で危うい状況とか立場を知ることとなり、
 
彼らの支援に動き出すカティの姿はなんとあの喧嘩別れしたオーナーシェフが審査するフランス版“料理の鉄人”みたいな番組に出場し勝ち抜いて最終の三人に残り
なんとTVショーの最終決戦で移民たちの子の現状をいろんな形で訴えるという荒業
 
オープニングでの一流レストランのは厨房での“ウィ、シェフ”って言うとおりいっぺんな返答ではなく
中盤からカティによって未来に展望が見えるようになった移民の子たちのが言う“ウィ、シェフ!!”って言う返事の意味合いの違いを鮮明にさせてるとこなど実に上手いプロットでしたねぇ。
それがこの作品の主題であり、タイトルでもあったのね
給料が1420ユーロってかなり安いよね
まぁカティ自身両親のいない施設育ちだったからスーシェフという自負心よりも
自分の過去をもう一度見て自分と同じ運命の子たちを育ててみたくなったってことなのか
見終わって調べていたら実話ベースのお話だったとか・・・
 
たまにはこんな作品を見るのもいいもんですね
 
2022年製作、フランス映画
ルイ=ジュリアン・プティ共同脚本・監督作品
出演:オドレイ・ラミー、フランソワ・クリュゼ、シャンタル・ヌーヴィル、ファトゥ・カバ、ヤニック・カロンボ
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