今月の衛星劇場では60年代に“黒の・・・”というミステリー映画が作られて
今では“黒のシリーズ”として括られているが
作品に関連性がなく一話完結の作品となっており、現在ではパッケージ化されていますよね
一応シリーズ一作目は見逃したものの再放送もあるようなのでなんとか今月はこのシリーズ作品をコンプリートしてるみたい
っていうことでこれは第二作目っていうことになるのかな
佐賀潜原作の作品
主演配給宇津井健さん、架空の河を挟んで東京都と隣接する地方住宅都市河東市で
食品会社社長の殺害事件が起きる
警察捜査の主導をとるのは東京への転勤をほのめかされてる出世前の一地方検事
何せ出世前なので警察を主導して捜査指揮をとっていく姿がちょうど出世と正義に燃える若き検察官を宇津井健が具現化していて
前半の聴取から証拠集めとテキパキと警察を主導して犯人を突き止めていく宇津井健の姿が実に頼もしいものの
ここまで検察官が捜査主導はしないだろうって思いつつも宇津井健の行動力にかなりな説得性があり犯人は簡単に突き止められて盤石の証拠と証言が集めたれるものの
後半の公判部分から百戦錬磨の悪徳弁護士の小沢栄太郎が現れてから
裏で金とか地位とかの資金力で証人たちを次々に買収していくことで、
見てるこっちも犯人はこいつやってわかってるものの
小沢栄太郎の古狸ぶりな魅力に見入ってしまう
そうこの作品は正義が悪に負けるっていうお話、裁判シーンでどんどん検事の提出する証拠や証人が否定され偽証によって犯人の無罪が確定していく様がこの作品野肝になっていたんですね
必ずしも正義が勝つって言うセオリーを見事なまでに覆すという映画
最後に決定的な目撃証人まで探し出すものの
そして金に転んで虚偽証言まで法廷でしてしまった叶順子さんが偽証を認めるって言っても毛あとの祭り
宇津井健は青森には飛ばされてしまうとこで映画は終わる
まだ一本だけしか見てはいませんがこの時代必ずしも世の中とは勧善懲悪ではない非合理的な社会であるという映画が作られていたんですね
そう言ったコンセプトで作られたシリーズだったのかを見ていくことになるのかな
1963年製作、日本映画、大映作品
増村保造監督作品
出演:宇津井健、叶順子、殿山泰司、高松英郎、見明凡太郎、神山茂、上田吉次郎、弓恵子、早川雄三、近藤美恵子、緋桜陽子、中条静雄