ご講話を頂いた後も、私はしばらく御影堂内
に居続けました。
観光客は次から次へと来るものの、先程まで
に比べると堂内の人の数はだいぶ減りまし
た。
改めて見回してみると、天井は高く、横幅も
あり、柱以外に遮るものもない。
たくさんの人々を受け入れてくれるとても大
きな空間。
敷かれている畳は、927枚にも及ぶそうで
す。
講話中は後ろの方に座っていたので、親鸞聖
人の御真影を一番近い場所で真正面から拝み
たいと思い、前に移動しました。
しばらくの間、その黒い姿を眺めていまし
た。
途中から、ほとんど瞑想をしていたように思
います。
すーっと心が満足したので、立ち上がりまし
た。
御影堂の隣には、阿弥陀堂があります。
この二つのお堂は外廊下で繋がっています。
毎日磨かれているであろう重厚な木の廊下を
靴を脱いだ状態で一歩一歩踏みしめながら、
時代を超えてどれだけ多くの人々がここを行
き来したのだろうか…と思いを馳せました。
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阿弥陀堂は、「仏説阿弥陀経」の世界が表現
されているそうで、天井から柱にいたるまで
金色で飾られていました。
このお堂でも、前の方に座り、阿弥陀如来像
を前にしばらく瞑想するような時間を持ちま
した。
先程と同様に心がすっと満足した時に立ち上
がりました。
なぜ東本願寺だったのかはわかりませんが、
自分の内面と静かに向き合える時間を与えら
れたらように思います。
仏教を何も知らない私が、ただ一つわかった
こと。
それは、仏様の教えと、神様の世界は同じな
んだということです。