前回のつづき。
2日前、方南町のうどん店『御利益』さんを訪問したところ、先月末で閉店していたことを知った。
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廃業のショックもさることながら、高円寺駅から炎天下を30分ほど歩いて向かったため、心身へのダメージが大きい。
いまさら気付いたけど、ウォーキングは健康にいいというが、日中35度超での徒歩は死を招くな。
仕方なく、再び高円寺駅へ引き返すべく、暑さでボーっとしながらも、環七をとぼとぼ歩き始める。
青梅街道との交差地点に到着したときは、もはや歩道橋の階段をのぼる気になれず、あてもなく左折。
すると、和食レストラン『華屋与平衛』を過ぎたあたりの歩道にて、写真の看板を発見。
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「高円寺に昼だけやってるカレー屋がある」との噂は知っていたが、ここのことだろうか。
せっかくなので入ってみるかと、看板から少し歩くと、お目当てのお店らしいアバンギャルドな(?)建物を発見。
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おっ、やっぱりここだ。カレー屋さん『平日昼だけ』。
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「外観が怪しい」とは聞いていたが、ここまでとは…。普通は店内に入るの、ためらうよね。
いざ入店してみると、目の前には広がるのは、外観以上にカオスな空間!
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まるで江戸川乱歩の世界のようなこちらの店舗、本来は骨董品屋兼カフェバーらしいが、
店名通り、平日の昼間だけ場所を借りて、カレー屋さんを営んでいるそうだ。
そんな、白昼夢のような光景から現実に戻してくれたのが、女性店員の「いらっしゃいませ」の声。
お店の怪しさに反比例するかのように、丁寧な応対をする、チャーミングな女性であった。
「どこでもお好きなお席に…こちらはどうですか」と案内してもらったのが写真の席。
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念のため繰り返すが、ここはカレー店であり、江戸川乱歩の「妖気蠢く洋館」ではない。
とはいえ、黒いソファの座り心地は、なかなかよかったよ。
テーブルには、メニューのほか、こちらのお店について説明したマニュアル(?)が置いてある。
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それらを眺めていると、さきほどのお姉さんが「クリスタルガイザー」のペットボトルを持ってきた。
クソ暑い中を歩いてきたので、一気に飲み干そうかとも思ったが、2本目からは有料なので自重(セコイ)。
でも、こういう飲料水の提供の仕方は珍しくてユニークだね。
珍しいといえば、こちらのメニューは、写真のように「和だしそぼろカレー」980円のみ。
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トッピングはカツやコロッケなどはなく、オクラ、納豆、みょうがなど、和だしに合わせた和風食材が多い。
私はとりあえず、トッピングなしのノーマルを選択。なお、ご飯の量は240グラムとのこと。
しばらくすると、カレーが運ばれてきた。水分多めで、スープカレーみたい。
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ソースの具材は玉ネギのみ。ご飯の上にはそぼろ肉、竹の子、大葉、揚げ玉、梅干し、鰹節などが盛られている。
「お好みで山椒をお使いください」とのことだが、まずはカレーだけひと口。
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ムム、この味わいは…カレーうどんのツユのようだ。
「カツオ、コブ、どんこ、いりこで出汁をひき、そば屋の醤油(私注:かえしのことだろう)を使う」
と、メニューに記載されていた通り、まさに「和だし」のカレーソース。
この日は、御利益でカレーうどんを食べる予定だったので、ちょうどよかった。
一方、ご飯の上に盛られた、各種食材も個性的。
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大葉はさわやかだし、揚げ玉や竹の子は食感が面白く、梅干しはかなり熟成されたタイプで、酸味がすごい。
パクパクと食べ進み、あっという間に完食。温玉つけて大盛りにするべきだったな。
それにしても、複数のスパイスを組み合わせて作る、いわゆるインド風のカレー屋さんが増えている今、
あえて和風カレーで勝負している、店主の思い切りの良さに拍手を送りたい。
できることならば、あのカレーのご飯を、うどんに変えて食べてみたいな。
お会計時、「お持ち帰りのコーヒーもいかがですか」と声をかけられたので、ありがたく頂戴することにする。
普段の私は、コーヒーはブラックでなくブラウンに限ると豪語し、
砂糖とミルクがたっぷり入った、コーヒー牛乳しか飲まない(←子供かよ)のだが、かわいいお姉さんが勧めてくれたのでね。
最後、厨房の店主らしき方にも「ごちそうさまです」と告げて、お店を出た。
外は相変わらず異常な暑さのため、もらったアイスコーヒーにさっそく口をつける。
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クリスタルガイザーとコーヒーで水分を補給し、和の食材とダシを使用したカレーで栄養も補給し、
お姉さんの丁寧な接客に癒される、素晴らしいランチであった。
御利益の閉店で落ち込んでいたのが、少し和らいだ気がしたよ。
平日昼だけ
東京都杉並区梅里1-21-21
地下鉄東高円寺駅から徒歩約5分、新高円寺駅からは約9分、JR高円寺駅からは約13分
営業時間 11時半~15時
定休日 土、日、祝日
※カレー完売次第閉店、夜のお店の都合による臨休あり
追記:2020年に、東京都杉並区上荻1-4-3に移転したようです
2日前、方南町のうどん店『御利益』さんを訪問したところ、先月末で閉店していたことを知った。
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廃業のショックもさることながら、高円寺駅から炎天下を30分ほど歩いて向かったため、心身へのダメージが大きい。
いまさら気付いたけど、ウォーキングは健康にいいというが、日中35度超での徒歩は死を招くな。
仕方なく、再び高円寺駅へ引き返すべく、暑さでボーっとしながらも、環七をとぼとぼ歩き始める。
青梅街道との交差地点に到着したときは、もはや歩道橋の階段をのぼる気になれず、あてもなく左折。
すると、和食レストラン『華屋与平衛』を過ぎたあたりの歩道にて、写真の看板を発見。
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「高円寺に昼だけやってるカレー屋がある」との噂は知っていたが、ここのことだろうか。
せっかくなので入ってみるかと、看板から少し歩くと、お目当てのお店らしいアバンギャルドな(?)建物を発見。
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おっ、やっぱりここだ。カレー屋さん『平日昼だけ』。
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「外観が怪しい」とは聞いていたが、ここまでとは…。普通は店内に入るの、ためらうよね。
いざ入店してみると、目の前には広がるのは、外観以上にカオスな空間!
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まるで江戸川乱歩の世界のようなこちらの店舗、本来は骨董品屋兼カフェバーらしいが、
店名通り、平日の昼間だけ場所を借りて、カレー屋さんを営んでいるそうだ。
そんな、白昼夢のような光景から現実に戻してくれたのが、女性店員の「いらっしゃいませ」の声。
お店の怪しさに反比例するかのように、丁寧な応対をする、チャーミングな女性であった。
「どこでもお好きなお席に…こちらはどうですか」と案内してもらったのが写真の席。
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念のため繰り返すが、ここはカレー店であり、江戸川乱歩の「妖気蠢く洋館」ではない。
とはいえ、黒いソファの座り心地は、なかなかよかったよ。
テーブルには、メニューのほか、こちらのお店について説明したマニュアル(?)が置いてある。
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それらを眺めていると、さきほどのお姉さんが「クリスタルガイザー」のペットボトルを持ってきた。
クソ暑い中を歩いてきたので、一気に飲み干そうかとも思ったが、2本目からは有料なので自重(セコイ)。
でも、こういう飲料水の提供の仕方は珍しくてユニークだね。
珍しいといえば、こちらのメニューは、写真のように「和だしそぼろカレー」980円のみ。
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トッピングはカツやコロッケなどはなく、オクラ、納豆、みょうがなど、和だしに合わせた和風食材が多い。
私はとりあえず、トッピングなしのノーマルを選択。なお、ご飯の量は240グラムとのこと。
しばらくすると、カレーが運ばれてきた。水分多めで、スープカレーみたい。
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ソースの具材は玉ネギのみ。ご飯の上にはそぼろ肉、竹の子、大葉、揚げ玉、梅干し、鰹節などが盛られている。
「お好みで山椒をお使いください」とのことだが、まずはカレーだけひと口。
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ムム、この味わいは…カレーうどんのツユのようだ。
「カツオ、コブ、どんこ、いりこで出汁をひき、そば屋の醤油(私注:かえしのことだろう)を使う」
と、メニューに記載されていた通り、まさに「和だし」のカレーソース。
この日は、御利益でカレーうどんを食べる予定だったので、ちょうどよかった。
一方、ご飯の上に盛られた、各種食材も個性的。
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大葉はさわやかだし、揚げ玉や竹の子は食感が面白く、梅干しはかなり熟成されたタイプで、酸味がすごい。
パクパクと食べ進み、あっという間に完食。温玉つけて大盛りにするべきだったな。
それにしても、複数のスパイスを組み合わせて作る、いわゆるインド風のカレー屋さんが増えている今、
あえて和風カレーで勝負している、店主の思い切りの良さに拍手を送りたい。
できることならば、あのカレーのご飯を、うどんに変えて食べてみたいな。
お会計時、「お持ち帰りのコーヒーもいかがですか」と声をかけられたので、ありがたく頂戴することにする。
普段の私は、コーヒーはブラックでなくブラウンに限ると豪語し、
砂糖とミルクがたっぷり入った、コーヒー牛乳しか飲まない(←子供かよ)のだが、かわいいお姉さんが勧めてくれたのでね。
最後、厨房の店主らしき方にも「ごちそうさまです」と告げて、お店を出た。
外は相変わらず異常な暑さのため、もらったアイスコーヒーにさっそく口をつける。
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クリスタルガイザーとコーヒーで水分を補給し、和の食材とダシを使用したカレーで栄養も補給し、
お姉さんの丁寧な接客に癒される、素晴らしいランチであった。
御利益の閉店で落ち込んでいたのが、少し和らいだ気がしたよ。
平日昼だけ
東京都杉並区梅里1-21-21
地下鉄東高円寺駅から徒歩約5分、新高円寺駅からは約9分、JR高円寺駅からは約13分
営業時間 11時半~15時
定休日 土、日、祝日
※カレー完売次第閉店、夜のお店の都合による臨休あり
追記:2020年に、東京都杉並区上荻1-4-3に移転したようです