まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

お前のこれからの夢は買い物の計画だけだ/J-POP論・POP詩の宇宙

2017-03-21 07:03:38 | J-POP論/POP詩の宇宙

セックス・ピストルズの登場は衝撃的だった。私は1970年代前半の世代で、70年安保世代(世界規模のカウンター・カルチャー運動)に憧れ、彼らに続くべく上京した。ところが、あるのは彼らの残した精神の瓦礫だけだった。急激な経済成長と消費文化の進展の渦中で、私たちは【キリギリス世代】【モラトリアム世代】・・などと蔑まれ、街の片隅に追いやられた。そんな中で、いつしか70年代も終わりに近づくと、海の向こうから【パンク・ニューウェイブ】の波が押し寄せて来た。20歳代の後半に入り、シラケ切っていた同世代には、実に低次元のアナーキーなだけのけばけばしさだけしか目に留まらず、にもかかわらず一応ロックの形態を取っていただけに【ロックの徒花】としか映らなかった。しかし、彼らの行動や風俗を後に振り返ると、多くの点で的を得ており、もしかすると・・という期待感さえ抱かされた。街の片隅で縮こまっていた自分の胸ぐらを掴まれて、お前たちは本当に闘ったのか、本当に闘ったのなら、いまでも闘い続けているはずだ、そうだろう・・と吐き捨てられた思いがしたものだ。彼らは、彼らの紛れもない【現在】と闘っていた。そして、私たちもまた同じ様に闘っていたし、これから闘い続けると誓った。1980年代の本当に何も無い、スッカラカンの虚空に向かって秘かに拳を振り上げたのだった。・・・《続く》

 イメージ 1
 
アナーキズムを 英国に
いつか そんな時が来るぜ 多分な
メチャクチャになるぜ 交通を
遮断してやる
お前の これからの夢は
買い物の計画だけだ
この街で 俺は
アナーキストになりたいんだ
 
俺は アナーキストになりたいんだ
そうさ アナーキストに
わかるだろ
アナーキストになりたいんだ
俺は 酔っ払って 
ぶっ壊してやるのさ
 
 THE SEX PISTOLS 『ANARCHY IN UK』(英国にアナキズムを)  1976
 

【俳句の此岸】彼らは新たな《現在》と闘っていた!/私とは誰か~プレおたく世代の現在(15)

2017-03-21 03:48:10 | エッセー・評論

俺は酔っ払ってぶっ壊してやるのさ 春空   まほろば  

70年代の最後の1979年に、大学を卒業(中退。後に通信制に編入)するに当たって、裏学園祭という位置づけで、音楽イベントを開いた。それまでに方々で知り合った超ジャンルのミュージシャンたちを一堂に会して、何か新しいものをという試みであった。結局のところ大失敗だったが、その最大の理由が【統一テーマ】の不在と、当時、ロンドンから東京にも飛び火していた【パンク・ニューウェイブ】の2バンドを含めたからであった。まず、彼らは与えられた演奏時間を守らなかった。2バンド間の対立とメインのメジャー系バンドへの当て付けである。彼らは、前年にメジャーレーベルからオムニバス盤を出してはいたが、依然アンチ・メジャーを旗印としていた。驚くべきことに、1979年の《現在》にあって、彼らは何者かと闘っていたのだ。彼らは、私たち70年安保直後の世代に比べてわずか4、5年ほどしか歳の差はなく、大学でいえば一回り(入学と卒業)しか違わなかったはずなのにである。思えば、私たちは前の世代を踏襲して、資本主義と帝国主義に象徴される非人間性の満ち溢れた大きな世界と闘おうとして、敵を見失っていた。なのに、わずか数年後の彼らは確かに等身大の何かと闘おうとしていた。彼らはいったい何と闘っていたのか?彼らは何者だったのか?空虚という語とは別に【空無】という言葉がある。私たちにとっては、1979年も70年代であり、それに先立つ60年代末のあの巨大な闘いを背にしていたのではなかったのか?答えはノーであった。わずか5年ほどの断絶の後、彼らは私たちとは全く別の《空虚》と対面していたのだ。何ものも引き擦ることなく、本当の《いま・ここ》しかあり得ない【空無】としての《現在》の直中に実在していたのである。・・・《続く》

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THE SEX PISTOLS 『ANARCHY IN UK』  1976

https://www.youtube.com/watch?v=ICXdQR1VVhw&feature=player_embedded#t=61