素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

伊坂幸太郎『死神の精度』を読み直す

2011年04月19日 | 日記
 義姉の四十九日の法要がが今週末にある。この間、東日本大震災による“生”と“死”のドラマは新聞・テレビで連日見聞きしてきた。生死の分かれ目は本当に一瞬の差であるということをあらためて強く感じた。加えて昨日、栃木県鹿沼市の国道で登校中の児童6人が突然中央線をはみ出し突っ込んできたクレーン車の下敷きになって死亡するという事故のニュースに、居た堪れない気持ちで一杯になってしまった。

 現実逃避ではないが、今日は新聞やテレビを見るのを避けた。そして、なぜか伊坂幸太郎さんの書いた『死神の精度』を読みふけった。寿命の来る前に突発的な事故とか、思いもよらない事件とかで死ぬ対象として選ばれた人間の最終調査をすることを仕事としている“死神”が主人公。7日間その人物と接して、『可』もしくは『見送り』を上司に送り、『可』と送れば8日目に選ばれた人は不慮の死を迎える。それを見届けて1つの仕事を終える。ほとんどの場合『可』と送られるということを前提に、6人の人間とのかかわりあいが描かれている。伊坂さんにかかると“死”という重いテーマも肩の力が抜ける感じで、物語を楽しむことができる。

 体と同様に心も休養日が必要である。おかげで元気が出て来た。
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