素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

野田元首相の追悼演説

2022年10月26日 | 日記
 国会で昨日、安倍晋三元首相の追悼演説を立憲民主党の野田元首相が行なった。その事が決まった時、どんな演説になるのかな?と興味津々であった。私の頭の中には10年前の11月にあった党首討論が強く残っている。野党であった安倍さんが挑発的に野田首相に迫り、消費税増税を巡り丁々発止のやり取りの末、野田さんが「消費税増税」を担保に、突然の解散総選挙の約束を宣言した。聞いていた私は「アッと驚く為五郎」になった。「おいおい敵の挑発に乗っていいのか?無謀な勝負と違うか?」と思わずつぶやいた。

 その結果、政権可能な二大政党による政治というものが儚く散ってしまった。政治体制の大きな分岐点で主役を演じた2人が、追悼する側とされる側になったのだから運命の皮肉も感じた。

 さて、その演説だが久々に言葉の力を感じる格調の高いものだった。今日の朝刊で追悼演説詳報を改めて読み直したがよく練られた一語一語に魂の入った文章で長く残しておきたいと思った。

 合わせて、古賀攻さんのコラム「水説」の「追悼演説は誰のため」を読むとその価値がよくわかった。

 野田さんが演説の最後に議員に向けて発した言葉「政治家の握るマイクには、人々の暮らしや命がかかっています。暴力にひるまず、臆さず、街頭に立つ勇気を持ち続けようではありませんか。民主主義の基である、自由な言論を守り抜いていこうではありませんんか。」は政治の原点だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カイヅカイブキの剪定に着手

2022年10月25日 | 日記
 4月25日のブログに書いた、我が家の「成長し過ぎたカイヅカイブキ」の剪定、様々な前提条件が整った今日を外したら年内は無理かもしれないと思い着手した。


 周りに置かれている鉢植えをいためないようにすることに神経を使った。午前8時に妻が車で出かけたので駐車場に鉢植えを移動して9時過ぎから枝切りの作業を始めた。実際に取り掛かってみると思っていたよりもスムーズに事が運んだ。ただ脚立に上がっての作業は踏ん張りがきかず枝を切り取るスピードは鈍った。

 休憩を入れながらイメージしていたサンルームの高さにまでなるのに2時間余りを要した。足元には切り落とした1.5メートルほどの枝が積みあがっていたが、足と腕が限界に近かったので昼食とした。
 

 剪定作業は切る時間の1.5倍片づけにかかる。というのが経験上分かっている。幸い歩いて2分の所にある裏山の所有者の好意で、ちょっとした庭木の伐採で出たものを捨てさせてもらえるので助かっている。

 自分の背丈ほどのカイヅカイブキの枝を束にして抱えて6回ほど往復し、細かい葉を掃き集め、駐車場に避難させていた鉢植えを元に戻す作業に午後は没頭した。ジムは休館だったが、すべての作業が終わった時、腕や背中、足に同じくらいの疲労感を感じた。

 道路から見ると、先端部の枯れ枝が気になるが、それは後日ボチボチと修正していこうと思う。


 カイヅカイブキと格闘した1日だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みんなの広場・日曜版「駄菓子屋 世の中教わった」

2022年10月24日 | 日記
 毎日新聞の読者の投降欄「みんなの広場」、日曜日だけひとつのテーマにまつわる投稿が掲載される。今回は「駄菓子屋 世の中教わった」である。少年少女時代、なけなしの小遣いをにぎりしめ駄菓子屋に通った5人の方(66歳、67歳、71歳、75歳、80歳)の思い出を読んでいると私の小学校時代と重なるものがあり、所違えど昭和のあの時代、同じような日暮らしをしていたのだと思った。

 中で、福岡県の池田さん(67歳)の「我慢覚え手にした財布」は共感すること大であった。

 「子供の頃の小遣いは1日10円だった。母には「午前中5円、午後5円使いなさい」と言われた。10円でも結構使い道はあった。近所の駄菓子屋に行けば、より取り見取りの夢の世界。菓子パンや雑貨もあり、その中で、おしゃれな財布が目に留まった。100円だった。 高いの一言。1日10円を何回我慢すればいいのか。でもどうしても欲しい。2週間近くジッと耐えた。目標達成。100円の買い物は怖くて、父についてきてもらった。娘が小遣いをためていたことを父が伝えると、店の人に褒められたうえ、10円までもらった。  私の中では駄菓子とおしゃれ財布は分かちがたく結びついている。」

 私の小学校時代も、1日10円が相場だった。駄菓子屋は小学校の前にある「東京堂」という店が一軒。単価が1円~5円の品物を前に思案するのが楽しかった。1日10円といっても不定期なので1円しかない日もあるし0円の時は友人のおこぼれを期待するなどそれなりに頭を使って生活していた。

 駄菓子屋ではないが、当時の贅沢は肉屋の揚げたてコロッケであった。10円玉が手にある時「今日はコロッケを食べよう」と気分が高揚した。しかし、ここでまた思案が始まる。「牛虎」のコロッケは1個10円、「多良福」のコロッケは1個5円と2軒の肉屋で値段に格段の差があった。全部はたいて贅沢気分を味わうか、残り5円を駄菓子に使うかという選択であった。当時、床屋に行くと店のおじさんに終わると10円もらえた。それがコロッケの財源になることが多かった。月に1度ぐらいのことだったが懐かしく思い出される。
 
 池田さんは100円のおしゃれな財布の思い出を書いているが、私の場合は露店で売っていた「拡大器」と「ほくろをとる薬」が無性に欲しかった。どちらも池田さんのように2週間近く耐えて貯えるという意志の強さがなかったので願望のまま終わった。今思うと「ほくろをとる薬」は怪しさ極まりない代物だが、当時はおじさんの口上と実演にその気にさせられていたのである。

 確かに駄菓子屋、露店などを通して世の中を教えてもらっていたように思う。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮間俊樹さんの「芭蕉の道」が終わった

2022年10月23日 | 日記
 日曜日の楽しみ、宮間俊樹さんの「芭蕉の道・おくの細道」が終わった。岐阜県大垣市「奥の細道むすびの地」とされる船町港跡付近の写真が締めである。晩春に始まり、秋に終わる。美しい写真と共に紀行文を楽しませてもらった。

 旅立ちの時に江戸の門弟たちとの別れを惜しんだ「行く春や鳥啼魚の目は泪」の句と大垣のたくさんの門人たちとの別れを詠んだ句「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」を比べると「蛤の」句のほうが内容は重いが、言葉は軽々している。約150日間の旅で芭蕉が最終的に得た「かるみ」を感じることが出来る。

 長谷川 櫂さんは、「かるみ」とは悲惨な世界を軽々と生きてゆくことだと言う。芭蕉は尿前の関から市振の関の旅の中で不易流行という宇宙観にたどり着いた。宇宙は絶えず変化(流行)しながら、実は不変(不易)である。時の流れとともに花や鳥も移ろい、人も生まれて死んでゆく。その花や鳥や人もまた不易なるものが時とともに流行する姿ととらえる。

 人の世が出会いと別れを繰り返しながら、そのじつ何ひとつ変わらないのであれば、出会いや別れに一喜一憂することなく、不易に立って流行を楽しみながら軽々と生きていきたいというのが芭蕉の願いか。

 宮間さんの次の「芭蕉の道」は「おくのほそ道」の5年前になされた芭蕉初の俳諧紀行文「野ざらし紀行」の行程を旅するようだ。また、楽しみだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お世話になりたくない4つの車

2022年10月22日 | 日記
 夏休みなどの長期の休みに入る時、クラスの生徒に「休み中くれぐれも4つの車にお世話にならないように、元気で暮らしてください」とよく言ったものだ。4つの車とは消防自動車、パトカー、救急車、そして霊柩車。当時はまだ冗談半分だったが、近頃は、その心配が身近に迫っていると実感する。

 夏頃から家にいても朝、夜に救急車のサイレンを聞くことが多くなった。先日も、庭仕事をしていると救急車が段々と近づいてきた。「右に曲がります。右に曲がります。ご注意ください。」という声とともに我が家の1軒先で停車した。聞けば、台に乗って作業をしていてバランスを崩し、転んだ際に左ひじ付近を骨折したとのこと。心配して様子を見に集まった人たちも「明日は我が身、用心しないといけない」と気を引き締めた次第。

 救急車を見送った後、ポストを見ると浜島の極楽寺からの封書があった。父の七回忌の案内だった。父が亡くなる2か月前に生まれた孫がもうすぐ6歳、4月からは小学生になるので父の法要に時期はわかりやすい。そろそろ考えなければと思っていたところであった。

 夜、松阪の弟に七回忌のことで電話をしたら「実は」ときた。母親が施設の自分の部屋で転んで頭にこぶができ、足も少し切ったので救急車を呼んで診てもらったとのこと。幸い検査の結果は何事もなく大丈夫だったので私に知らせようかどうか思案していたところだったみたいで、そのタイミングの良さに驚いたという。

 2度ある事は3度ある。用心して生活をしなければとさらに気が引き締まった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする