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ちょっと踏み込んだか!?『グラスホッパー』by伊坂幸太郎氏

2014年11月22日 | 小説レビュー
『グラスホッパー』by伊坂幸太郎氏

~「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。「BOOK」データベースより)


伊坂幸太郎の5作目は「グラスホッパー」です。

僕の読んだ、伊坂作品4作をトータルで考えてみると、うまく形容できませんが、「ドライ&フンワリ」、「キャッチー&ポップ」、「テンポよく&淡々と」etc・・・とした世界観を持っていると思います。

読んでいても、「もう少し踏み込んだら?」、「もうちょっと残酷でもいいのかも?」と、「もっとハラハラドキドキを!」と、問いかけたくなるような気持ちを少なからず持ってました。でも、あえてそこまで踏み込まない所こそ、僕が色んな人に伊坂幸太郎作品を勧めている理由の最たるもんなんですがね・・・

この『グラスホッパー』は、そういう要望に少し伊坂さんが応えようとしてくれたのか?少しダークサイドに足を踏み入れて、「殺し」・「血」・「拷問」など、バイオレンス情景が頻繁に出てきます。

エンディングも、「爽やかに」、「そうね・・・そうなって欲しいと思ってたよ」と、心地よいため息が出るような終わり方をしてくれる作品が多いのですが、今回は、「んっ!?むむむっ!?」と、少し考えさせられます。

それにしても、全体を通して、すごい疾走感というかスピード感、そして「どうなんのよ!?」という緊張感がありましたし、クライマックスでは「おおっ!そうくるかぁ!」の連続でした

すごい数の伏線が、色んな所に散りばめてあって、最後に一つの模様としてつながっていく・・・。伊坂さんは、本当に頭がいいですね!天才です!素晴らしいです!

★★★★4つです。


そしてやはり、この名作も、来年公開予定で映画化がすすめられています。↓

生田斗真主演で伊坂幸太郎の小説「グラスホッパー」が映画に!

主人公の鈴木を生田斗真、鯨を浅野忠信、蝉を山田涼介(Hey! Say! JUMP)が、演じるようです。山田涼介君の演技力は知りませんが、生田斗真、浅野忠信とくれば、楽しみですね。 

槿と比与子、この二人をを誰が演じるのか!?(比与子は、菜々緒との噂)、上の3人よりも、ある意味では非常に重要なキャストですよね。僕の中では槿(あさがおと読む)は、西島秀俊、大沢たかお、渡部篤郎あたりにやってほしいですね。