装丁も、
書家で俳人の佐孝石画氏。
(1970年生。福井市在住。)
俳句もいいが、書がとても素敵。
私の第一句集をお送りした2014年だったか
選句された句を5枚の書道紙にしたためた
お手紙をくださったのを覚えている。
(実は、パネルにして、飾ってあるのでしたー)
裏表紙には、自選10句!
『青草』より17句抄 BY知青
15,梅咲けり銃身のごとき夜を抜けて
15,囀りの一つ二つは壊しに来る
29,いくまいも空を剥がして蝶交かる
37,桜とは矢吹丈なのだな明日へ
44,老犬が見せる驟雨のような眼差し
58,紫陽花に火のさみしさを見ておりぬ
75,自転車漕いであの夕焼けを殴りに行く
81,にんげんを剥がして緑雨の貌でいる
86,いちまいは月に叱られているガラス
101,放心と思う秋夜の白茶碗
106,冬の野の落下速度を見ておりぬ
119,完璧な逃走でありかいつぶり
128,雪原に嗚咽を捨てに来た鴉
148,草のごと笑うこの子を妻は産みし
152,手足とはこんなにさびしい昆虫図鑑
154,雨垂れの一つを軽い捨身と見る
162,手触りというにはかなし夢に鳥
一番好きだった句は
手足とはこんなにさびしい昆虫図鑑
「序に代えて」は、
『海程』の「秀作鑑賞」より転載された、
5句についての兜太氏の評。
跋文は、松本勇二氏と石川青狼氏。
久しぶりに海程の句群を
堪能させていただきました。
ありがとうございました。
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私もいま、
第4句集の準備をしているところ。
やはり、句集っていいなあ~
が好きです。卑近なものに近づけていて詩になっているところが好きです。
この句が好きでしたか。
放心と白茶碗のそれぞれ取り合わせでは
他に
白磁器に夜の縁あり秋の雨
放心って強いんだなあ枯野
がありました。
が、
私には
放心と白茶碗の取り合わせが
フィットしました。