40年間サラリーマンとして移り変わる役職をこなしてきた方と
お話をする機会があった
彼の会社は松下幸之助さんの思いを引き継いだ会社さんで
松下幸之助さんが亡くなった後もその種は生き続けている
彼の悩みはこうだった
「今の僕の仕事、使命は部下が仕事をするにあたり、こういう問題があるから改善してほしいと上に告げる役であり、
部下には、自分の使命を達成させていけるように人間的にも成長していけるようにすることだが、僕自身、葛藤がある
なんだか自分がいい人すぎてしまい、上司と部下の間を取り持つのに50%くらいのところの妥協策で動くことしかできないことが、なんだか消化不良で、それが何年も続いている
もっと突き抜けたいし、思いっきり白黒はっきりさせて、100%で突き抜けて、これが自分だーって頑張っている人のようになりたい」
これを聞いた私の中に下りてきたものは
「置かれた場所で咲きなさい」というフレーズだった
これは渡辺和子さんの本の題名である
彼の使命は上司と部下の間での意思のバランスをとること
部下には、すべてを肯定し受容する母親のようなカウンセラー役をし
時には、彼らのやる気や使命に向けて挑発者役になり、叱咤、激励をし啓発をする
中間管理職で求められる役割は
カウンセラー、挑発者、交渉人という3つの役割をこなすことを要求される
彼がそれをこなすには、旗を掲げるリーダーでもなく
思いっきり自分の世界に浸かる職人でもない
人間関係の潤滑油になることなのだ
自分が置かれた場所で役割を果たすことが重要で
違う役割をしたいならば、その場所を出なくてはならないだろう
潤滑油は、それぞれの立場の人がそこで仕事がしやすいように
整えること
彼が100%これが正しいと思うことを貫いてしまえば
潤滑油ではなくなってしまう
カウンセラーでいる時、カウンセラーは完全な肯定の中で彼らを受容し続ける
声に耳を傾け、何に怯えているのかを素早く察知し、安心をもたらす者であるが
この時に出てくるエネルギーの影(シャドー)は
彼らが自分により依存してくるように
ありとあらゆることを保護してしまう
お母さんが子供が転ぶことをさせないように障害物をとってしまうのに似ている
そしていかに自分がその人にとって重要であるかを分からせるような意識を持つ
彼の中にはこのシャドーは存在していなかった
彼は仕事で息詰まると、自分ができなくて困っていると周りに言い
どうする?どうする?と慌てふためくそうだ
すると、周りの社員は僕に任せてくださいと
あっという間に問題が解決してしまうという
僕がすばらしい部長なのではなく
みんながしてくれるから、みんながすごいのだと言っている
これはすごい
彼の「依存」というテーマがクリアされていることが分かる
では一体彼の葛藤から分かるテーマは何だろう?
そう、潤滑油は人を生かしていく仕事でありフォーカスは常に人である
思いっきり自分の意見を言えば
いきなり強いエネルギーで歯車を回してしまうことになる
すると疲れてしまってついてこれなくなるか
又は反発する者が出てくるだろう
反発者が出れば会社を辞める人が続出する
こうして彼は自分のありあまる力を相手に合わせ
調整し、少しづつ注がねばならない
それを無意識は知っていて行っている
あなたが置かれた場所であなたが求められること
これが集合意識におけるあなたの使命であり
あなたにしかできない役割である
エネルギーを少しづつ調整しながら
注ぎ、壊れないように、止まらないように
彼らを生かしていくことが
彼の使命だ
それらを告げると彼は
何事もなかったように笑った