お彼岸だったので二人の叔母とお墓参りに行きました。
帰りに姉叔母の家でお茶していると
当然のように二人の子供時代の話になりました。
妹叔母は小学生のころ盲腸を誤診されて
腸が化膿してしまい40度の熱が何日も下がらず
死ぬ思いをしたとのこと。
妹叔母のお腹には大きな傷があり
その話は何回か聞いたことがありました。
姉叔母はすごく心配して学校が終わると
遠く離れた病院まで見舞いに通っていたそう。
するとふと妹叔母が言いました。
「あの時はお花畑を見たのよ」
えっ? どゆこと?
「ものっすごくきれいなお花畑が見えて
手前にすごくきれいな川が流れていたのよ」
えっ、それって三途の川ってこと?そんな話は初めて聞きました。
川の向こうに亡くなったお祖父さんと叔母さんだかがいて
そちらへ行こうとするのだが
どうしてもうまく船に乗れない。
それをうわごとで言ったらしく
ふっと目を覚ますと祖母が必至でほっぺたを叩いて
「行っちゃだめっ! 目を覚ましてっ!」
と叫んでたんだそうだ。
私は立花隆さんの『証言・臨死体験』を読んで
あちら側の世界に興味を持ち
木内鶴彦さんの講演を聞きに行ったりしてた人ですが
まさかこんな近くに臨死体験者がいたとはね。
でも、なんか「すごいきれいだったの?」と
ありきたりな質問しかできませんでした。
「すごくきれいだった」と答える妹叔母の目の中には
その映像がしっかり残っているんでしょう。
天寿を全うするときは
あの日「行っちゃだめっ!」って叫んでた祖母が
川の向こうで「おいで」って船に乗せてくれるのかもしれません。