ナベットNavettesは、フランス語で「小船」という意味。
13世紀にマルセイユの沖に聖母マリアの木像をのせた小舟が流れ着き、人々がその木像をサン・ヴィクトール修道院に祭ったという伝説。
この伝説を風化させぬよう、1781年から小舟の形をしたナヴェット(船を模して細長い棒状の中央に切れ目を入れた)を焼いているのが、修道院のすぐそばにある老舗ベーカリー<フール・デ・ナヴェット:Four des Navettes>です。
毎年2月2日Chandeleur シャンドルール(聖母お清めの祝日)には、大司教がベーカリーに出向いて祈りを捧げオーブンからナヴェットを取り出す という儀式も行われています。


今ではナベットはプロヴァンス地方各地で年中売られていて、土地や店によっても様々あるので、食べ歩くととても楽しいお菓子です。








大きさ・味・形も様々ですが、共通しているのは、甘さが控えめで硬いところ。
オリーブオイルやオレンジの花水の香りもしたりして、(酪農が盛んで年中気温も低めな)フランス北部で作るバターたっぷりなサブレとは、かなり違うのが特徴です。
他のクッキーに比べると、暑い中でも作りやすく賞味期限も長いので、当教室では 聖霊降臨祭=Pentecôte(パンコート)(5~6月.毎年違う祭日)に南仏で食べられているコロンビエColombiér と一緒に教えています。