ふわり・舞う・毎日

気持ちに余裕がないと、心の泉が枯れちゃうもんね。

肩の巣

2009年04月25日 | オカメインコ
我が家のオカメインコたちにとって「小さな怪獣」「得体の知れない生物」=娘、がやってきて3週間。
オカメたちには本当に申し訳ないと思いながらも、前のようには自由に放鳥してあげられないし、かまってあげる時間も減ってしまった。
最初の数日は、ケージから見える位置で泣き叫ぶ小さな怪獣にビビり、私の姿が目の前にあるのに出してもらえない理不尽に騒ぎ続けていたオカメーズ。
やがて騒ぐのにも飽きたのか、暇つぶし(?)に春の発情が始まって、2羽揃ってウキョウキョと鳴き声を上げ始めた。

そしてえいみが寝室に上がった隙を見計らって出してやると、チョコはまっすぐに本棚の「スピーカーの巣」へと直行した。
考えてみたら3月初旬にもこもっていたばかりなのに。
1ヶ月強しか間が開いていないのは、あまりにも身体への負担が大きい気がする。
とは思っても、産んでしまってからではどうしようもない。

もう一方のアトラ。
こちらは出してやればとにかく近寄ってきて、撫でて、と頭を下げる。
ウチへ来てからはずっと「かまってチャン」の女王様だったのにね、ごめんね、と謝りつつ撫でてあげる。
そして昨日の夜、仕事から帰り夕食も終わってリビングのソファーの上でウトウトとしていた穂和のところへも、撫でてと頭を下げに行ったアトラ。
私がえいみの世話をしてリビングに戻ると、穂和が重いまぶたを無理やり持ち上げて、肩に止まったアトラの相手をしていた。
「今までなら俺にはちょこっと撫でさせて、すぐどこかへ行っちゃってたのにな。
今日はずいぶん長いこと大人しく撫でられてるし、何だか聞きなれないプシュプシュって音を立ててるんだ。
でも俺からはどんな格好をしてるのかが全く見えないんだよね」
私が近付くと、アトラは今にも墜落しそうな弱々しい飛び方で穂和のヒザに飛び移った。
と、穂和の肩の上にごく薄いピンク色の丸い物体が。

……卵。

今まで片手で余るくらいしか産んだことのないアトラが、よりによって穂和の肩の上で卵を産んでしまった。
穂和も私も一瞬あっけに取られた。
卵を持ち上げようとすると、まだ殻が柔らかくて壊れてしまいそう。
アトラの両肩(翼)と尾羽は力なく落ち、体もげっそりと細くなっている。
まさに出産直後、だったのだろう。
ケージに戻してやろうにも、しばらくは穂和の側にいたそうだったので、無理には引きはがさずに様子をみていた。

30分もしないうちに、アトラはすっかりいつもの姿に戻って夢中でエサをついばんでいた。
肩からテーブルに移した生み立ての卵には目もくれずに。
つい3週間前に出産を経験したばかりの私としては、その復活力のすごさに驚くしかない。
力の弱い、鳥という生物にとっては、いかに早く通常の状態に戻れるかが生死の鍵を握りかねないということなのだろう。
それにしても巣作りもせず、産んだ卵に見向きもしないアトラ。
いつも丹念な巣作りから始めて、産めば取り上げるまで卵を温め続けるチョコとは対照的で面白い。
さて、今回のチョコの卵は、いつまで抱かせておくことにしようかな?
(チョコの卵はいつ見ても鶏卵と同じように白い。
アトラの卵がほんのりピンク色に見えたのは、生み立てだからかと思っていたのだけど、2日経った現在でもまだ色付いて見えるのは、殻が薄いからなのか?)


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