イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

水面がキラキラ反射する公園の池で見かけた水鳥の母と赤剥けハゲの生まれたてのヒナ、仲良し親子もいまのうちだけ?

2021年04月20日 05時53分50秒 | 英国の動物


晴天続きです。
段階的なロックダウンの緩和ですが、なんだかすっかり通常に戻った気分です。
ブラモル・パークを通って散歩に行きました。

いえいえ、まだまだ昨日は国内で3,000人近くの新感染者を出しています。
気のゆるみは禁物です。

人がいっぱい(大半の人はイヌ連れでした)の公園の、小さめの人工池に.....


いたいた....


クート coot の親子が!


クートは池や川や運河や、その他いろいろな場所でよく目にする小型の水鳥です。

このブラモル・パークの池でもカモ(mallard duck)、オシドリ(Mandarin duck) 、カナダガン(Canadian goose) とともに常連です。
日本にいるのかな、日本語でなんというのかな?と思って、ウィッキピーデアで調べてみました。

驚いたことに、日本語版も韓国、中国語版も記載がありませんでした。
日本など東アジアにはいないのかな....と思っていたら.....

(投稿後、1日たってこの一文を付け加えています)
日本にもいる、と読者の方にコメントで教えていただきました!

日本語で「オオバン」というそうです。
クイナ rail のグループに属します。

クートのこんな小さなヒナを見たのは初めてです。
カラフルなフワフワの羽毛!
ズル剥けハゲの小さな赤い頭!
クートぼうずとでも呼びたいかわいらしさ!
キュイキュイにぎやかな鳴き声をあげていました。
お腹がすいていたんですね。

両親がそろって卵をあたため、ヒナを育てるハクチョウやカモと違って、クートはシングル・マザー子育てをします。

水に潜っては何かをくわえて上がって来てヒナに口移しで食べさせています。


オスのカモ(マラード)がそばを泳ぎながらちょっかいを出していました。
そのたびに小さな体のクートのお母さんがキッキッと鋭い声をあげて威嚇していました。
いったん遠くへ下がったマラードおじさんは何度も戻って来てヒナたちに近づいてきてはお母さんに追い立てられていました。
(何が目的なんだろう、変態かな)

私と並んでクートの親子を観察していた若いお母さんが「ほら、ああやってマミーが赤ちゃんを守っているのよ」とまだよくわかっていないような小さい男の子に説明していました。
クートって子煩悩なイメージがとても強いのです。
母性本能に裏打ちされた勇敢な行動に胸を打たれました。

もう少したってヒナが黒いフワフワした羽毛に全身おおわれたミニサイズのクートに成長すれば、池に投げ込まれたパンくずを拾ってヒナに口移しで食べさせるクートの母親がみられます。
カモの両親なんか、子供にやらずに自分だけ食べちゃうことが多いのですが。



ウィッキペーディアでクートの習性についてショックなことを知りました。
クートの母親は、ヒナが孵化して3日ほどたつとエサを欲しがる自分のヒナを攻撃し始めるのだそうです。弱いヒナはエサをねだるのをやめ、飢え死にします。
孵化した9羽ほどのうち、生き残った強い2~3羽だけ育てるのだそうです。
この時見かけたヒナたちは、すべてじゅうぶんに母クートの愛情を受けてのびのびとふるまっているように見えました。

.....そのうち、母クートが子育てのプレッシャーに耐え切れなくなり虐待母に変貌するのでしょうか。

そんなにたくさん育てられないのなら産まなきゃいいのに!

....なんていう人間の価値観は通じない厳しい自然のおきてです。

多めに産んでおけばより生存率が高い丈夫な個体が選別できて、手をかけて育てる甲斐もあるということなのでしょうか。
そう言えばパンダもたいてい2匹産んで、弱い方を育児放棄して衰弱死させちゃうんでしたね。



クートの足が好きです。
泳ぐ母クートの足が水の下に見え隠れしていたのですが、写真には撮れませんでした。

この世のものとも思われないスゴい足をお目にかけたくて、よそのウェッブサイトから写真を無断で借用してしまいました。


同じ池で撮ったカモのご夫婦です。








コメント (7)
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