先週、ランカシャーの海岸、モーカム湾 Morecombe Bay 沿いの小さな海辺の町、モーカム Morecombe に一泊しました。
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ホテルの直前予約サイトでホテルの部屋がとても安かったので!
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海の見えるダブル・ルームが2人で50ポンド(7470円)は破格です!シーズン・オフでもありましたから。
到着した日は霧雨の降る肌寒い天気でしたが、2日目は晴天で、海辺の散歩にうってつけでした。
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前日に予約して、木曜日の午後はやく到着して一泊、翌日午後帰宅しました。
車でストックポートから2時間弱、マンチェスターの北西、113㎞。
モーカム湾の向こう岸は、日本でも人気の、湖水地方 the Lake District です。
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湖水地方の山並みが、曇り空の下にはっきり見えます。
この、海岸沿いに建つブロンズの彫刻は、対岸の、湖水地方の山並みのシルエット。
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上の写真は逆光で見ずらいのですが、山の名前と地名が刻印されていてます。
アートの要素もあわせもつ、なかなかの工夫の観光案内表示ですね。
13年前の冬、テレビのニュースにうつっていた遠浅の海岸を見て、突然行ってみたくなりました。
その週の週末に思い立って行ってみた、モーカムは寒くて暗くて、冷たい風が吹きつける、寂しい街でした。
(写真は、すべて、今回行った時のものです)
テレビのニュースにとりあげられたモーカムの事件とは・・・
2004年2月5日深夜、遠浅の海岸で、コックル(珍味・ザルガイ)取りの作業中の中国人少なくとも23人が突然の満潮に身動きが取れず溺死するといういたましい大事件です。(2004 Morecambe Bay cockling disaster )
事件後10年の間に遺体が収容されたのは21人のみ。
当時、ほかにも大勢いたといわれる、ザルガイ採集の中国人は全員不法就労でした。
危険な重労働、無報酬に近い最悪の労働条件で就労する中国人労働者がイギリスにものすごくたくさんいる実態があきらかになった、社会的にも問題になった大事件です。
職にあぶれたり、生活に困ることはないと言われている共産主義国の中国から、そうまでして現金を稼ぎに来る人がたくさんいることが当時大変な驚きでした。
たったの13年前!
世界中で高価なブランド品を買いまくっている、今の中国人のイメージからは想像もできない悲しい話です。
不法就労をアレンジして、同胞を監禁同様に管理してこき使って、恐ろしい死に追いやった中国人の元締めは重過失致死(殺意のない殺人)罪で、懲役14年の刑を受けました。
このいたましい事件の直後、たびたびテレビのニュースで映しだされた遠浅の美しい海岸を見て、不謹慎にも行ってみたくなったのでした。
モーカムの濡れた砂地は、はまり込んだら足をとられて動けなくなる、もがけばどんどん沈み込む、恐ろしい「クイックサンドです」。
私もちょっぴり、ハマりました!
今回、カフェで見かけた怖い警告ポスター。
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中国人の違法就労はなくなったはずですが、ザルガイ採集は産業として今も健在です。
小規模なボートで職業漁師が、地元のレストランやパブにおろす魚や小エビを釣っています。
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もと、フェリーのり場と、鉄道の終着駅のあった突堤、ストーン・ジェッティ Stone Jetty での海釣りも人気だそうです。
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↑海に突き出ているのが、ストーン・ジェッティ。
60代のうちの夫が子供の頃、少年たちの超人気番組でコントが大うけだった漫才コンビの片割れ、エリック・モーカム Eric Morecombe(もちろん出身地にちなんだ芸名です)の出身地。
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BBCと民放2局しかテレビ局がなかったころの話だそうです。当時の子供たちに与えた影響は、「8時だよ!全員集合」よりよっぽど大きかったと思われます。
このわけのわからない、ウミウの現代彫刻、13年前にもありました。
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今は町中、鳥の彫刻だらけです。
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13年前、いってみたら、海岸はとても美しかったです。
寒かったのには閉口しましたが、静かで気持ちのいい場所でした。
さびれた印象は忘れられませんが・・・
モーカムは、1930年代にはファッショナブルな社交場でもある、大賑わいの海べの行楽地でした。
中流以上のお金持ち階級が滞在したのは、第一級保存指定建築の、ミッドランド・ホテル Midland Hotel。
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モーカムの栄華の時代を象徴する、1932年に完成した、イギリスのアール・デコ建築の代表例のひとつ。
13年前は、ボロボロ半壊状態の危険な空き家でした。
まだ、半戸おろした状態で営業していた1990年代の初めに、チェスの試合がここであったとか、うちの夫は参加して、泊まったそうです。
そのころからすでに内装が中途半端で痛々しかったということです。
イギリスの海辺は、海外旅行が手軽にできるようになった1970年代を境にさびれる一方。
スペイン、ポルトガル、ギリシャのような南欧で夏の休暇を過ごす人が増えています。
余裕のある人にはカリブ海や、北アフリカも人気です。
同じ、モーカム湾に面する大衆的な大観光地、ブラックプールと違って、ピア(海に突き出した遊歩道のある行楽用の桟橋)もタワーも遊園地もありません。
2006年、ミッドランド・ホテルの修復工事が始まりました。
2年後、2008年に完成後、テレビや雑誌で盛んに取り上げられ、モーカムを訪れる人はかなり増えたそうです。
完成したミッドランド・ホテルを見にまた、戻ってみたい・・・とずっと思っていたんです。
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長くなりましたが、以上、前置きです。
明日から、太字で書いた各事項を もうちょっと詳しく取り上げて書いてみますね。
今回はできるだけ、「みんなが行く湖水地方だけじゃちょっぴり物足りないな、ちょっと脚をのばして行ってみてもいい穴場はないのかな?」とも思っている日本の読者の皆さまの参考になりそうな、観光ブログにふさわしい記事を心がけます。
え、ストックポート日報 って、観光ブログだったの?
実はそうなんです。
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僕はウェーダーと言われる胸まである長靴を履いて海の中まで入って釣りをしますが、大抵は砂地でもしっかりと立てます。
ハマって死ぬ思いをするのはヘドロだと思っていました。
モーカムはその恐ろしい海以外に観光スポットはあるのでしょうか?
鳥の銅像などは、無くてもいいかも…。
普通の濡れた砂浜ももちろんあって夏には砂遊びにうってつけ。
…観光地としてはイマイチですが景観が素晴らしい。他の海辺の観光地ほど俗っぽくない。追っておつたえします。
それと、海釣りの名所らしいんです。あとでちょっと触れます。
砂に入って釣ってる人はいませんでした。釣りする人はわかってますね。危険な場所に敏感ですよね。