雄大な山岳風景と放牧されたヒツジが草を食む、イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、私が住むストックポートのすぐ近くです。
湖水地方やコッツウォルズに比べると日本での認知度は今ひとつ...残念です。
日本人(と中国人)に大人気の湖水地方やコッツウォルズと違い、日本人(と中国人)の受け入れ態勢は整っていません。日本語で書かれた案内資料が少なく日本人に特化したガイドツアーもおそらく限られているでしょう。
それでも、大都市マンチェスターを拠点に、余裕のある日程でイングランド旅行する機会があれば、日本人(と中国人)あふれる観光地を避けてのんびり田舎と自然を満喫してみたいと思いませんか。
ピーク・ディストリクトに電車で行けるおススメの場所があります。
日帰りプランの提案です。行き先は、イーデル Edale 。
1時間に1本運行しているマンチェスター・ピカディリーManchester Piccadilly 駅とシェフィールド Shefield 駅を結ぶ電車がイーデル駅にとまります。
先日、天気のいい日に電車で行ってきました。マンチェスター・ピカディリーから、41分。
私たちは、自宅の最寄り駅からひとつ目のヘーゼルグローブ駅から乗車しました。マンチェスター・ピカディリー発の1時間に1本の路線とチンリーという辺鄙な場所の駅で合流します。ヘーゼルグローブからは2駅目、たったの20分。
イングランド北部有数の二大都市(マンチェスター、シェフィールド)を結ぶ鉄道路線の駅があるイーデルは、最も行きやすいピーク・ディストリクト散策の拠点です。
山に囲まれたイーデル駅の利用者はけっこう多かったのですが、無人駅です。切符売り場も改札もありません。車中の検札もありませんでした!
プラットフォームの下のハイテク電光掲示板で帰りの電車の時刻を確認する夫です。
線路のこちら側が(乗って来て下りたところの)シェフィールド行きの、線路の下をくぐった向こう側がマンチェスター行きのプラットフォームです。
村の中心に向かうー本道に出てすぐ左手に、ランブラー・イン the Rambler Inn という大きなパブがあります。
クルマで来る時はいつもまずこのパブの駐車場にクルマを停めてドリンクを1杯。5ポンドのデポジットを払ってクルマを駐車させてもらいます。散策後、戻って来て食事をすれば5ポンドは払い戻してくれる仕組みです。
5分ほど歩くと左手に見えてくるヒツジの放牧地の向こうには...
村の教会が...
その斜め向かいには、設備の整ったキャンプ場が併設されたビジター・センターがあります。
道路の左側には郵便局業務も兼ねた、食品やアイスクリームなどを売る小さな「コーナー・ショップ(何でも屋)」と小さなカフェがあります。
その向かいには、小学校の鐘楼のある小さな校舎が1棟。(写真右)
通りがかった時はちょうど休み時間でしたので、コンクリート舗装された狭い校庭で遊ぶ子供たちの元気な声がにぎやかでした。
まんなかの貸別荘のコテージをはさんで左側は、オールド・ナッグス・ヘッド the Old Nags Head という名物パブです。
16世紀建造の、鍛冶屋だった建物だそうです。
教会の向かいには小さな古い共同墓地があります。教会からオールド・ナッグス・ヘッドあたりまでの徒歩1分ぐらいの距離が村の中心でしょう。他には何もありません。
村はずれには規模の大きなキャンプ場とユースホステルもあります。
ハイキングの拠点で、夏のシーズンにはとてもたくさんの観光客が訪れるこの小さな町がお土産物屋や飲食店であふれかえらないのが不思議でしょう?景観をぶち壊す商業看板や「マナー表示ポスター」などもー切見かけません。
駅のプラットフォームでみつけた、気の利いたマナー啓蒙ポスター☟。
「写真以外何もとらないでね/思い出以外何も作らないでね/置いていくのは足跡だけ」
ゴミも、ラクガキも破壊行為もー切見かけませんでした。
イーデルを拠点としたハイキングルートは数限りなくあります。
留学中、1人で泊ったユースホステルで知り合った休暇中のイスラエル軍の女性兵士2人とカースルトンから山越えしてイーデルにたどり着いた元気な思い出があります。
若い頃は本格的にピーク・ディストリクトの山野を歩きまわったという夫とも、比較的らくなそれでも高低のあるハイキングを子供連れで何度か、そしてキャンプも2回したイーデルです。
今回は夫の希望で、上り下りがとてもおだやかで、集落や公道からはなれすぎないおなじみの、1時間で戻って来られる「らくちんコース」を歩きました。
同じ場所に何回行っても楽しいです。放牧されている動物や自然の景観...細かく言えば、牧草地のコンデションや短いサイクルで咲きかわる野の花の種類がいつもいつも違います。
ストックポート日報でも、この散策ルートについて数多くの記事を書いたのですが、同じ場所の写真の風景がやはり少しずつ違います。リンクをー番下に貼りましたので、くらべてみてくださいな。
パンデミック前に来て以来の久しぶりのイーデル散策、加齢による体力の衰え(特に7年上の夫の)を実感しました。
...それでも、楽しかったです。
次回からは、私たちのおなじみルートをちょっと解説します。
ピーク・ディストリクトの小さな村、イーデルを拠点にヒツジと景観を満喫するハイキング
絶景ピーク・ディストリクト、子ヒツジのいる牧場を抜けるお手軽ハイキングコース
ピーク・ディストリクトの小さな村、イーデルの放牧場で子ヒツジを見て癒される
ピーク・ディストリクトのイーデル再び、山歩きのあと見かけた日本の柴犬
ピーク・ディストリクトのイーデル再び、また子ヒツジを見る晴天の逆戻りハイキング
ピーク・ディストリクトのイーデル再び、怖がりのヒツジとのんびりのウシどちらも子連れ
ピークディストリクトの小さな町、イーデル、シーズン前の静かな散歩道で子ヒツジ見物(また?)
牧羊犬の活躍で、ヒツジの群れの大移動(イーデル続き)
うわ、たくさん...実はもっとあるんですけど。
、
楽しみにしています。
風景を見て あー涼しそう。
高原ですから20度ぐらいですか。
今 日本中が
33度から37度の気温に
恐れいなないています。
北海道ですら、33度ですから。
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放牧を見て 農家の収入は
どうしているのかと思いました。
EU離脱でも農家を守る政策は
強まったかなど。
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前に投稿された訪れられた町でも
土産物屋が有っても看板は控えめですね。
静かな町を守る
風土は中世から
当たり前のようですね。
頑固な英国のみなさんの気質でしょうか。
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わたしは 日本テレビ番組で
小さな村の物語を毎週のように
見ています。
イタリアの村を訪れ
普段の生活が見れます。
でも、収録から10年ぐらい経ち
今でも 農家や商店は
まだあるだろうかと。
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私は 山中の生まれで
兼業の少しの茶畑に苦労しておりますが、
山の緑や 青空は
救われます。
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これからも、珍しい風景を
楽しみにしております。
そもそも 外国が憧れですね。
長い纏まらぬ話ですみません。
写真に注目していただき、とても嬉しいです。日本人にはどんな写真や話題が喜ばれるのか気になっていますので、「街並み」のキーワード、参考になりました。
この日は25度ぐらいある暖かい日でした。30度に上がる真夏日もありますが、ヨーロッパ北西部で夏を過ごした多くの日本人が言うように湿度が低いので日本よりずっとすごしやすいです。
日本は篤いそうですね。お体にお気をつけください。
先進国はどこも同じ、店がどんどんつぶれています。必要なモノはオンラインで買えますものね。店が繁盛しているのは、お土産物屋に限らず、観光地だけみたいな気もします。
ただ、日本はイオンモールみたいな大型商業施設で1日過ごすのが娯楽になっていたりして事情が違うようですね。
>飛行機好きおじいさんです さんへ... への返信
お返事遅くなりました。
実は、初めてコロナ罹患しました。
やっと、仕事も生活も
まずまずです。
英国は湿度が低いのですね。
羨ましい。
お店は、どこも減少していますか。
私の田舎も何とかお年寄りが
小売店を守っておられます。
大きな店はやはり便利ですね。
それに、世の中 キャッシュレスとポイント獲得が
当たり前になり、カード会社に
払う手数料を3.4%が負担の店は
衰退してゆくと思います。
憂さは有りますが、憧れの
海外の緑いっぱいの風景には
癒されます。
これからのご投稿も
楽しみにしています。