ピーク・ディストリクトのウェイリーブリッジ Whaley Bridge という小さな町に行ってみました。
夫が念願の、グレーター・マンチェスター内に限ってバス電車に乗り放題(無料)の年金受給者パスを受け取ったので、パンデミック以来(マンチェスターや、お葬式に出席したケントは除くと)初めて2人そろっての遠出をしてみました。
遠出と言っても最寄駅から20分ぐらいですが。
夫が無料で電車に乗ってみたかったためです。
ストックポート日報ではすっかりおなじみの鉱泉の湧く町、バクストン Buxton が終点のこの路線は、ランカシャー Lancashire、グレーター・マンチェスター Greater Manchester 、ダービシャー Derbyshire の三つの州を通過しています。ややこしいことにグレーター・マンチェスターを出た時点で、無料乗車の権利が無効になるのです。
最寄り駅(無人駅)の自動切符売り場は故障していないのにいつも使用不可能(説明は長くなるから省きます!)なので、車内を巡回する車掌さんから切符を買いました。
年金受給者パスの他、いくつもの割引制度がありますし、乗り降りする時間帯や、片道/往復(乗り降りする時刻も絡みます)にもよって運賃が複雑に違うのです!車掌さんが首から下げているコンピューター仕様の券売機で正確に料金を換算して切符を売ってもらいました。乗車駅も降車駅も無改札なので不正をしようと思ったら簡単にできるのですが、できるとなると絶対にやりたくないものなのです。
ストックポートはすぐ、ピークディストリクトのあるダービシャーに接しているので、夫が無料乗車できたのはたったの2駅。たったの1ポンド80ペンスちょっとの節約でしたが、夫は大満足でした。
お相伴の私はまだその年齢に達していないので全額払いました。
ウェイリー・ブリッジは、運河沿いの散歩道が知る人ぞ知る...という程度に有名だそうです。
プラットフォームを下りたところの眺めです。
近頃改札をもうける町の中の利用客の多い駅が増えてきていますが、田舎ではあいかわらず無改札の、駅舎すらなくプラットフォームを下りたらすぐ道になっている駅が多いですね。
「無人改札」ですらありません。
プラットフォームをまたぐフットブリッジ foot bridge からの眺めがなかなかけっこうでした。
駅前の、宿を兼ねた古いパブは大改装工事中でした。
フットブリッジのまんなかあたりから、バクストンに向かう方角を撮った写真です。
こちらは、ストックポート、マンチェスター、ブラックプール Blackpool (ランカシャーの海岸地)方面行きの方角です(うっ、あまり変わり映えがしませんね)
2本のプラットフォームどちらにも、英国の田舎らしいセレクションの花がみごとな、よく手入れされている花壇がありました。
花壇は全て枕木の廃材でできています。
帰りの電車に乗るためにフットブリッジを渡ってたどり着いた、マンチェスター、ストックポート行きのプラットフォームの、地元の名勝看板の...
トッドブルック・レザボア (貯水池)Toddbrook Reservor の美しいイラストを見た私たちは、「これはサギだ~」と叫びました。
この場所に行ってきたところだったのです。
老朽化したダム dam (堤防堰)が決壊寸前で大工事中でした。
この話の続きは次回に。
駅の丘を下りたところです。
駅前に広がるあまり長くもない町の中心地です。
この道路のこのあたりの部分はけっこう無理やり平らにしているようなのですが、道路に面した建物の裏はどちらの側もすごい坂...ピークディストリクトならではのこっち側から見たら一階だけど裏にまわれば2階、3階...だという驚きの構造の興味深い建物がいっぱいです。
ギラギラと太陽が照りつける気温が30℃近い真夏日でした。
駅前をトラクターが通る町。
the white hart(鹿?)なんて 呑み屋が
山鯨?whale(y)の街にあるなんて 見てるだけで 遊べそうですね
アーサー王伝説か何かに出てくるんじゃなかったかしら。白い牡シカはダービーシャーの紋章だったとも思います。
Whaley Bridge の由来は...わかりません!
「道路の向こうから先を一掃する」を表現する古代アングロ・サクソン語に近い響きの英単語に無理やり置き換えたのが「ウェイリーブリッジ」なだけでクジラとはまったく関係ありません。ありがちな地名にちゃんとなっています…こういう古代語由来の古い地名は英国の古い町にけっこうありそうです