熊本新老人の会には古文書の会の外にも多くのサークルがありますが、その中の俳句教室というのへ出てみました。出席人数6人というこじんまりとした会でしたが、なかなか気持ちのよい雰囲気の句会でした。以下にその報告をします。
句会日時 2016-2-19 10時
句会場 パレア 9F
出席人数 6人
指導者 山澄陽子(阿蘇同人)
出句要領 6句投句 6句選 兼題「野焼き」
世話人 近田綾子 096-352-6664 句会出席希望の方は左記へお電話ください。
次回兼題 「霞」
野火走り野火守走る野焼かな 茂 子 (…走り…走るという畳込む叙法の効果、句に躍動感が出た。)
思い出す芝焼く父の老姿 〃
霜焼けに苦しむ姉の手の赤き 〃
病む妻の食の進むや春近し 武 敬 (病妻へのいたわりと快復への希望が伝わる。季題の働き)
口論の決着つかず春寒し 〃
ぴょんぴょんと雪解けの道歩きけり 〃
枯蘆の枯れ極まれる姿かな 礁 舎 (自信作ですが、講評は控えます。)
大いなる闇に向かひて鬼は外 〃
花びらにしべの影濃し梅の花 〃
立春や開け放ちたる農具小屋 安月子 (立春と小屋とは関係があるようでないような、その距離感が絶妙)
白魚の潮の匂ひも啜りけり 〃
音たてて野を焼く炎走りけり 〃
寒風や青天一望鶴万羽 綾 子 (漢詩を読むような硬質の緊張感を季題寒風によって強めた。)
紅蓮の火勢子影走る野焼きかな 〃
独り居の夜半にアンカを引き寄せる 〃
山焼いて意気揚々と勢子帰る 陽 子 (ひと仕事終えた勢子たち、山焼きならではの達成感。意気揚々の
措辞が利いています。)
わたしの号は礁舎、亡父の号を引き継いで2世礁舎です。
さて、6句投句6句選というのは、この句会の出席者は6句を投句し投句された句の中から自分の句を除く6句を選抜して選句用紙に書き出して提出することをいいます。また兼題がある場合は投句6句の中に1句以上兼題の句をいれるという約束事もあります。選句が終わると披講に移り披講者が選抜された句を順に読み上げます。読み上げられた句の作者は名前を言って応え、披講者は句の下にその名前を書き入れます。
このようにして6人の句会ならば36句が読み上げられ、最も点の入った句はどれであるとか、1番多く採られた人はだれであるとか、そこに一喜一憂するのも句会の面白さです。最後に指導者から全体の講評と秀逸の句の発表があって句会は終了。上掲の句は1段目が秀逸2句はそれに次ぐ句です。
俳句を詠んだことはありませんが、句会というものは楽しそうですね。
ところで、俳号に襲名があるのでしょうか?
2世というのは珍しいでしょう?そうでもないのかな?
後の世になって、二人の俳句が混ざってしまって、
「これは先代の?」「いやいやこれは二代目のですよ。」なんて会話をしていそうですね。