べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

流し改装

2009-04-09 19:45:48 | システムキッチンを考える

今週に入って、宮本町M邸の基礎工事と平行して、流し改装工事を行いました。
今回のシステムキッチンは、使い勝手にこだわりました。

その結果、ノーマルのシステムキッチンを取り寄せて、一部改造しています。
市販のコンロのほうが安価で性能もいいことから、「段落ち」タイプにしてみました。

「オーダー」とも言えるべき、今回の希望に応えたメーカーは「クリナップ」です。
やっぱり、老舗のメーカーだけあって永年に渡るモデルチェンジが少なく、未だ「クリンレディ」や「キャプラン」が現役なのには脱帽です。
(ショールームに復刻の「ジャンボシンク」があった・・スライドシンク!あれは使い勝手が良い!何で辞めたんだろう・・あれはお薦めの逸品です。ちなみに私の自宅もジャンボシンク+スライドシンクです。)

クリンレディは段落ちタイプも出来るのですが、端から60センチのみの段落ちは無く、少し工夫が要ります。



ノーマルのシステムキッチンのガスコンロ台部分を段落ちに改造中




改造後




ビフォー
6帖もの狭い食堂で流しとテーブルが並び、ほとんど余裕のない状態です。
そこへ、「タクミ」がやってきた???




解体




レーザーにて水平、垂直を確認




下地




石膏ボード貼り


流し設置


アフター


今回の流しは何よりも機能性を重視しています。
「機能性」で考えられる部分を徹底的に考え抜いています。
(でも、まだやりたいことはあります)

食器洗い機の位置は、流しの右側に、コンロも右側に配置。
各種機器の操作の動線が最小に抑えられます。
(右手で操作するのに最小の動きでカバーできる)

アイレベル(目線のスペース)に調味料スペース、物掛け部分を集中することで、流しに立って調理をはじめるまでの時間を短縮しています。
砂糖、塩の収納場所を目線とすることで、直ぐに手にとって調理することが可能。

そして、調理スペースを広く確保するために、段落ち部分を極力狭めるために、工場でガス台を改造したのでした。
75センチのコンロ台は通常右側に調味料入れの引き出しが付いていますが、こんなに端っこまでわざわざ移動して開けないと思います。
思い切って、左右を反対にして、60センチ部分を段落ち。残った調味料入れはコンロの左脇に位置し、その上に調理スペースとなるので、15センチ分調理スペースを広げられます。
しかも、調理する場所の直ぐ下に調味料があれば、便利。

シンクの上に水切り棚を設けて、鍋やフライパン等を洗って乾かせる。
アイレベルの調味料棚の下にもお玉等を引っ掛けられるので、とにかく使い勝手を充実させたのでした。料理をするのに便利な方向性がコンセプトです。
よって、「収納重視型」の人には誠に、不愉快な代物です。



段落部分にガスコンロを設置


組んでコンロを置いてみたら、カウンターと平らになりました。
左側に調味料入れの引き出しがあるのは、おそらく史上初でしょう。
クリンレディーもよもやこういった使い方になるとは思っても見なかったでしょう・・・

市販のコンロの場合、60センチの幅を有効に使えるので、「魚焼き」部分が充実しています。2口コンロのほうが使い勝手がいいかも・・
ビルトインは50センチの中に入れる機能が限界に達してきています。
「魚焼き」もものすごく狭く、高さも無いので、最近は別に電気式のロースターを購入する方も多いのです。

じゃあ、いったい何のために魚焼きが付いているのか分らない・・
しかも、IHのビルトインコンロは更に魚焼き部分で「パン」や「ピザ」が焼けるという製品まで出してきています。
奥さん連中に聞いたところ、

「あそこでピザは焼かない」

という意見が多いのです。
魚焼いて、その臭いがどうしても気になってしまう。
「脱臭機能」が付いているとはいえ、中にこびりついた油を掃除するのに手間がかかるし・・・
もう、ビルトインタイプは限界が見えていることに、各メーカーは気づかずにただただ家電メーカーの言うがままになってしまっている・・
ビルトインを辞めれば、奥行き60センチに戻せるし、そのほうがスペースの効率がいいのです。
下手に65センチの奥行きにしているがゆえに、流行の引き出しの後ろのスペースが無駄になっている。
引き出しは引いてもせいぜい45センチしか引けません。(それ以上引くと後ろの棚に引いた人がぶつかってしまうので・・)
よって、引き出しの裏に15センチ以上のデッドスペースがあります。かえって開き戸のほうが置くまで使えます。
さらに65センチの奥行きだと、システムキッチンの奥に窓やカウンターがあっても、上手く使えない。(窓は開けないし、対面カウンターの上のものは取り出せない・・カウンターの奥行きが25センチまでしかとれなくなってしまうので皿くらいしか置けない・・こんなのカウンターじゃない!)
いいかげんに60センチ奥行きの流しに戻してほしい。設計上そのほうがスペースが有効になるのじゃ!

・・・と、別の話題にしようと思ったネタを、思わずここで書いてしまった・・・


「システムキッチンを考える」目次へ・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

五重塔の考察

2009-04-09 01:06:35 | 山形ツアー
五重塔の構造は、寺社建築物によくある「斗栱(ときょう)」という手法で組まれています。
肘木(ひじき)と枡(ます)の組み合わせによって、柱より軒先を出しながら横架材を組み上げていき、構造でありながら化粧としての要素の強い魅せ方になります。

この「肘木」や「枡」は意外と細かい部材で、この場所で切り倒された材木の細部まで使うことが可能で、無駄の少ない方法でしょう。
また、各パーツは単純なものなので、熟練していなくても地元の大工を起用しながら大人数での作業が可能。
上部へ向かって小さい部材ならば上げるのも楽。


・・と色々な利点が考えられます。

「そこにある木を最大限に活かして大きな建造物を作る」

というのに、合理的な手法だったのでしょう。

ただし、この肘木に関しては、お互いを十字に組み合わせるのに、半分ずつ欠かなければならず、一本一本の強度は落ちてしまう。
4寸くらいの部材が2寸しか残らないので、弱くなる。

雪国仕様の「渡りあご」のような肘木がなかったのかどうか・・・
(たぶん、段差をつけると高さの計算が複雑になるのだろう)

これを補うのに、より多くの部材を組み合わせなければならず、大変な労力だったでしょう。

それでも、組み上げれば、水平剛性と垂直耐力の両方を得ることが出来ます。
渡りあごが主力の民家構造とかけ離れて、独特な世界があったようです。



斗栱の基本形。
肘木は相欠きにしていないと十字に収まらない








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする