マンホールの構造
マンホールは下水管の中間地点にある点検口で、コンクリート製の円柱が、何重にも積み上げられ、 最後に鋳鉄製の蓋が載せてあります。
一番下部に排水の流れる水路があり、ここに横から塩ビ製の管を差し込んでいます。
配水管とマンホールの周りは砂で埋められ、道路の表面付近で、砂利が敷かれ、アスファルトで舗装してあります。
1.突き上げ(予想)
新潟県中越地震では、本震の際に上方向への強い突き上げがありました。
突き上げにより、重い物ほど上へと飛ばされる傾向にあるので、マンホールの場合は、コンクリート製の重い円柱が、上に突き上げられたと考えられます。
突き上げられた部分と、下部の部分が分離され、ここが空洞となり、周囲の土砂が入りやすくなります。
2.本震と余震による横揺れ
新潟県中越地震では、山古志村と川口町を震源とする本震が3回あり、更に余震が一晩中続きました。
度重なる横揺れにより、まわりの砂が液状化を起こしたと考えられます。
配管の隙間やコンクリートの中空部分に砂が流れ込んで行きます。
流れ込んだ分だけ、上の道路が下がります。
マンホールの周辺の道路が下がっているのはこのためと考えています。
〇排水設備がマヒする
マンホールが破損すると、各家庭や公共施設で排出される汚水が末端の処理施設へスムーズに流すことが出来ず、排水設備の使用が困難となります。
インフラ整備で最後に復旧されるのが下水道配管ですから、それまでは仮設の設備を併用する必要も出てきます。
液状化を起こして下がっている道路面は、掘削して配管を直さないと、道路内で逆勾配になって排水に支障を及ぼします。
特に、山沿いの道路や田んぼ道の下水部分が沈下しているのを見受けました。
市街地から離れた部落の場合は、配管距離的に長くなってしまい、市街地よりも復旧費用が割高になるので、農村部や山間部の下水施設は考え直す余地があると思います。
各村落で独立した処理施設を設けるか、各家庭に合併処理槽を設置した方が良いのかも知れません。
ただし、合併処理層の埋め立てには周囲に砂を使うので、地震時の液状化の問題が残ります。
施工をしっかりとするか、合併処理槽の再敷設を考慮しておくかです。
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