【特に1階の押入を施工】
押入れは耐震補強を考える際に施工の容易な場所です。
押入一か所に、少なくとも3尺の壁が2ヶ所は取れるので、バランスよく施工すれば押入改装だけで建物全体の耐震工事が済む場合もあります。
特に1階の耐震強度が弱い場合が多いので、1階の押入の耐震工事が有効となってきます。
【施工方法】
押入の天井、壁、床を解体し、建物の変形を直した後に耐力壁を設けます。
耐力壁は上下の横架材と左右の柱を繋いで、筋違や面材で壁を形成します。
耐震補強には面材・・一般的には構造用合板を使用します。(シロアリの害が気になる場合はダイライト等の構造用面材を用います)
【施工手順】
既存の押入の様子です
壁のあちこちが傷んでいます
天井、壁、床を解体します
構造用合板を壁に設置します
押し入れ内部の仕上げを行います
【注意点】
耐力壁を施工すると、再度地震が来た時に柱を引き抜く力がより強く働くようになります。
これを抑えるために、柱の上下に「構造用金物」を設置する必要があります。
構造用金物は引き抜く力に応じて種類があるので、適当な強度の金物を選定し、設置します。
両端の柱の上下に金物を入れるので最大4個の構造用金物が必要となります。
また、1階の耐震補強だけを行う場合、将来的に2階も耐震補強を行うことも考えられるので、上下階の耐力計算を行ってから構造用金物を選定した方が良いと思います。(でないと入れ直す必要があるからです。)
建物全体で耐震設計を行って、最大の耐力を得る場合の金物とした方が良いでしょう。
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