五重塔の構造は、寺社建築物によくある「斗栱(ときょう)」という手法で組まれています。
肘木(ひじき)と枡(ます)の組み合わせによって、柱より軒先を出しながら横架材を組み上げていき、構造でありながら化粧としての要素の強い魅せ方になります。
この「肘木」や「枡」は意外と細かい部材で、この場所で切り倒された材木の細部まで使うことが可能で、無駄の少ない方法でしょう。
また、各パーツは単純なものなので、熟練していなくても地元の大工を起用しながら大人数での作業が可能。
上部へ向かって小さい部材ならば上げるのも楽。
・・と色々な利点が考えられます。
「そこにある木を最大限に活かして大きな建造物を作る」
というのに、合理的な手法だったのでしょう。
ただし、この肘木に関しては、お互いを十字に組み合わせるのに、半分ずつ欠かなければならず、一本一本の強度は落ちてしまう。
4寸くらいの部材が2寸しか残らないので、弱くなる。
雪国仕様の「渡りあご」のような肘木がなかったのかどうか・・・
(たぶん、段差をつけると高さの計算が複雑になるのだろう)
これを補うのに、より多くの部材を組み合わせなければならず、大変な労力だったでしょう。
それでも、組み上げれば、水平剛性と垂直耐力の両方を得ることが出来ます。
渡りあごが主力の民家構造とかけ離れて、独特な世界があったようです。
斗栱の基本形。
肘木は相欠きにしていないと十字に収まらない
肘木(ひじき)と枡(ます)の組み合わせによって、柱より軒先を出しながら横架材を組み上げていき、構造でありながら化粧としての要素の強い魅せ方になります。
この「肘木」や「枡」は意外と細かい部材で、この場所で切り倒された材木の細部まで使うことが可能で、無駄の少ない方法でしょう。
また、各パーツは単純なものなので、熟練していなくても地元の大工を起用しながら大人数での作業が可能。
上部へ向かって小さい部材ならば上げるのも楽。
・・と色々な利点が考えられます。
「そこにある木を最大限に活かして大きな建造物を作る」
というのに、合理的な手法だったのでしょう。
ただし、この肘木に関しては、お互いを十字に組み合わせるのに、半分ずつ欠かなければならず、一本一本の強度は落ちてしまう。
4寸くらいの部材が2寸しか残らないので、弱くなる。
雪国仕様の「渡りあご」のような肘木がなかったのかどうか・・・
(たぶん、段差をつけると高さの計算が複雑になるのだろう)
これを補うのに、より多くの部材を組み合わせなければならず、大変な労力だったでしょう。
それでも、組み上げれば、水平剛性と垂直耐力の両方を得ることが出来ます。
渡りあごが主力の民家構造とかけ離れて、独特な世界があったようです。
斗栱の基本形。
肘木は相欠きにしていないと十字に収まらない
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