べんりや日記

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高齢者用和室

2007-03-09 13:40:07 | 旧栄町 T邸(越後杉)


2日前から降り続いた雪も、午後から弱まり、晴れてきました。
大雪の心配も一時、一安心というところです。

3月と2月が入れ替わったような天候です。
でも、3月の日和なので、暖気になると雪が溶け出し、道路は湯気が上がっています。

またまた、旧栄町T邸の話題ですが、(ねたに困らないです)奥の和室に高齢者対応となっている部屋が一部屋あります、
大ばあちゃんがここで生活することを想定しています。
まだ寝たきりや介護が必要な状態でもないのですが、将来のことを考え、専用のトイレが付いています。
建具は、設計当初は1枚の引き戸だったのですが、引き違いにしていざというときは両方の建具を取り払い、脇から介護者が添えるように工夫しました。ぱっと見、押入れのようにも見えます。

トイレの脇には洗い場があります。手洗い器としての機能と、その他の洗い場として使用可能です。

階段や廊下の奥に位置し、北向きの部屋なのですが、階段室からの明り取りを設けているので昼間でも明るい部屋となっています。
通常、寝室や老人室は南向きにするのが設計の常識なのですが、なぜかお年よりは北向きのじめじめした部屋を望む傾向があります。

冬場は寒いのでしょうが、夏場は涼しく、快適な部屋となります。
北側の窓を開けて、階段を挟んで南側の窓を開けると、田んぼからの風が入ってきて夏でも寒いくらいです。

徒然草に、
「建物は夏場に合わせて設計したほうがよい」
とあります。
冬はどんなことをしてでも過ごすことはできるが、夏の暑さはどうしようもない。
と書かれています。

昔の人の知恵と、お年寄りの経験が、自然と北側の部屋を選ぶのかもしれません。
(北側の窓も2重サッシになっているので、暖かくなりますが・・)

現代の設計のセオリーは、冬場を想定して、冬でも太陽の光を取り入れ、暖かい部屋になることを心がけるのですが、高齢者の場合は異なるようです。
夏の暑さでエアコンをつけると、かえって体を壊すお年寄りも少なくありません。
自然の風で涼むのが一番良いようです。
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